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【最初の魔法使い】  作者: コトワリ
第2章 再来の魔法使い
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第十九話 三大チームリーダー、3人目

その後俺たちは解散し、各々帰った。うーむ珍しく素晴らしい目覚めだ。日差しが眩しい

さて、今日はシデラさん…とバレルのとこに行かなきゃな。別に場所がわからなくても瞬間移動で行ける。俺は着替え、準備をして自分の部屋の扉を開けた。


ウルウ「お?ないすたいみんぐじゃな!おはよう!ユ…


バン!


勢いよく俺は扉を閉めた。いや…だって恐怖じゃん。ばかうるさい上司が最高の朝から顔を出したら。…幻覚かな

もう一度扉を開ける


ウルウ「ん?どうしたんじゃ?」


壁にもたれながら髪をとかしている隊長がいた


ユラ「…髪長いですもんね」


ウルウ「そうなんじゃよー。毎日手入れが大変での。聖花がやってくれるんじゃが…何やら部下に誑かされて夜中にご飯に誘われて寝るのが遅くなってしまったんだと。いやー誰なんじゃろなー。その部下」


ユラ「……それは大変ですね。じゃあ俺もう行くんで。」


俺は若干ブーストをかけて急ぎ足でその場を離れようとしたが

隊長に腕を掴まれた


ウルウ「…電話無視、挨拶無し、わしの聖花誘惑…」


誘惑はしてないぞ。


ユラ「…わかりましたよ」


俺は渋々頷いた

仕方ない…また今度にするか、用事は。


ユラ「で、なんの用件なんですか?」


ウルウ「前話したじゃろ?能力をなくそうとしてるものがいると」


ユラ「そうでしたね。確かレイさんとまだ会ったことありませんがクロンさんという人が今のところ協力してるんでしたね」


初めて隊長に会った時に話されたあの話。よくわからないことまみれだが、何か情報を得たのだろうか。


ウルウ「まぁ立ち話もアレじゃしな、朝ごはん食べに行こうぞ」


ユラ「良いですね、そうしますか」


ウルウ「じゃわしの家に来い」


ユラ「…え?」


俺は隊長の家に連れて行かれた。なんと魔警の奥の隊長室の更に奥に隊長の家…というよりかは寝たり食べたりする場所があった。思ったより激務なんだろうか。プライベート空間と仕事場を分けているのがたった一枚の壁とは。

少し同情した


ユラ「…めちゃくちゃ豪華ですね」


中は俺の部屋とは比べ物にならないほど広く、天井も高く、部屋も多かった。隊長の年齢には似合わず、とても整った場所だった。だが…少し隊長1人じゃ広すぎないか?


ウルウ「そうじゃろ!そうじゃろ!」


スマイルとドヤ顔が混ざった顔をキラキラとむけてくる。…ドヤイルだな、これは(?)

その時、ひとつの扉が開いた。


聖花「むー…ねっっっむい…あ、ユラくんじゃん。おはよー」


ほぼ下着みたいな格好の聖花さんが出てきた

…ん?下心?ないよ?何せ80年以上生きてるからね。ただ、今は目を逸らしたくなったから逸らしてるだけさ。


ウルウ「はやく着替えてこんか。髪も整えてこい。はぁ…すまぬな。ユラ。…いやお主らのせいじゃな。謝れ、ユラ。」


ユラ「…あなたがいなくならなければ未来は変わってたと思いますがね」


ウルウ「かっこよく言うでない。照れる」


褒めてはいない。そう言って、隊長は近くの電話機に耳を当て「3人分でお願いじゃ。ん?誰かって?…聖花の彼氏よ、彼氏。んじゃ」


さらっと嘘つかないでもらえないかな


ウルウ「なんでもよいじゃろ?朝ごはん」


ユラ「良いですよ。あの、隊長」


ウルウ「なんじゃ?」


ユラ「この部屋って聖花さんとウルウさんだけで住んでるんですか?」


2人は少し広すぎやしないか?


ウルウ「あぁ、あと1人住んでおる。というかほぼ居候じゃがの。間木(まぎ)という女の子なんじゃが…家がないらしくての。家族もいないらしいから住ませてるんじゃ。えらく真面目での。毎朝早起きしては強くなろうと訓練しておるよ。クロンのチームに入っておるんじゃ。

クロンに一目惚れしたようでの」


ユラ「間木、か。」


いつか会えるだろうか。


聖花「まぎちゃんは朝早すぎるんだよ。5時起きとか、体壊しちゃうでしょ」


制服姿の聖花さんが出てきた。髪は綺麗に結ばれて、朝とは全く違う。同一人物なのかこれは


ウルウ「お主も生徒会長なんじゃからもっとがんばらんかい」


聖花「肩書き嫌い」


そう言って椅子に座る。


ユラ「聖花さん生徒会長なの!?」


聖花「…失敬な」


ウルウ「にはは、まぁ似合わぬよな。素の聖花は生徒会長とは真逆じゃからの」


そう言いながら奥から来た人からご飯を貰って机に並べてくれる。

トーストに目玉焼き。あぶらげの味噌汁。

至高だな


聖花「…まぁ見たことないもんね。普段の私」


ウルウ「見よ、ユラ。一人称が「私」になっておるじゃろ?これはもう外面用になってるって事なんじゃよ」


聖花「説明しないでください、人の性質」


トーストを食べながら講義してる


ユラ「まぁ器用とも言える」


聖花「そうでしょ」


こんなにもはっきり分けられるのは一種の才能を感じる。


その後俺らは雑談しつつご飯を食べ終わった


聖花「よし、じゃあ私は学校行ってきます」


ウルウ「いってら…あ」


聖花「どうかしましたか?」


もう完全に完璧人間化してる


ウルウ「聖花、お主お弁当忘れとるぞ」


聖花「あ」


その後、どたばたしながら学校に向かった


ユラ「…なんか器用だと思ったけどそうでもないですね」


ウルウ「そうじゃろ?」


にっこりした顔でそう言った


ーーーーー


ウルウ「それでじゃ、用事が二つある」


ユラ「二つ?」


落ち着いたところで隊長は話をした

俺はコーヒー。隊長にはココアを作った

割と良いものがあり、かなり美味しいものが作れたと思う。


ウルウ「まぁひとつは別にいつでも良いんじゃが、もうひとつは早めにしときたくての」


そう言ってココアを飲む


ウルウ「うんま。美味しすぎるじゃろ。」


ユラ「ありがとございます」


目をきらきらさせながらもう一回飲む


ウルウ「で、だ。能力をなくそうとしてる奴らの情報や居場所はいまだにわからん。じゃが能力をなくす機会自体の場所はなんとなくわかってきたのじゃ。そこに行ってもらいたい」


ユラ「なるほど、わかりました。俺1人ですか?」


ウルウ「いや、クロンと行ってもらう」


クロンさん。魔警の3大チームのリーダーの1人


ユラ「わかりました。じゃあまずはクロンさんに会わなきゃですね」


ウルウ「そうじゃな。魔警の訓練所わかるかの?あそこにいるから行ってきてくれ」


ユラ「わかりました。」


俺は残ったコーヒーを飲みきり、立ち上がった


ユラ「じゃ、行ってきます。ご飯ありがとうございました。」


ウルウ「あぁ。…そうじゃ」


ユラ「はい?」


ウルウ「シデラの件。聖花から聞いたぞ。わしもシデラには励まされたりされることが多かった。あの能天気な感じが好きでの。だからわしからも頼む」


ユラ「…もちろんです」


だが、今の俺の能力じゃ、どんな状況でも救えるとは言えない。


ウルウ「うむ。それではな。ココア美味しかったぞ」


少し寂しげな笑顔で俺を見た


ユラ「また来ますね」


そういうとすぐににっこりした


ウルウ「いつでもよいぞ」


…中々、人と関わらないのだろう。うるさい上司が、見た目も心も子どもに見えた


俺は訓練所へと向かった。


ーーーーー


そこには1人の男性が空を見つめていた

…次の瞬間、その場からいなくなり


クロン「…やぁ、君がユラだな?」


気づけば後ろにいた


ユラ「…驚きました」


クロン「そういう風には見えないがな」


無表情のまま、クロンさんは言った




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