第十七話 シデラさん
現在…
ユラ「ちょ、ちょっと待て、聞きたい事が多すぎる。」
過去の話を聞き終わった俺は、頭が疑問でいっぱいになっていた。多分、バレルがシデラさんって人になったのは今までの話からわかったが、その他の事に対しての疑問が多すぎる。
メクル「まぁ、そうだろうな。一気に話したんだ、困るだろうよ。僕の能力とかな」
そう、それだ。確かメクルは雪の能力者じゃなかったのか?だが『マグマ化』とメクルは言っていた
メクル「僕の能力は一旦、自分で封印したのさ。僕の今の能力は仮の『空気中の水分を雪に変化させる能力』なんだ。属性能力ではない」
ユラ「属性能力じゃないのか?雪を作り出せるんだろ?」
イマイチ一部の戦闘能力と属性能力の違いがよくわからない。
メクル「作り出してはいない、変化させているだけなんだ。属性能力は無から何かを作り出す
それが属性能力の突飛した点だ。僕は水がなきゃ作れない」
ユラ「なるほど…。で、なんで封印したんだ?」
メクル「強くなるためさ」
ユラ「強く…か」
強くなる…そんな現実逃避をしたな
メクル「僕はマグマに頼りすぎた。だからこそシデラさんを救えなかった。…それから血の滲むような努力をして、今の僕がいるんだ」
遠くを見ながら話すメクル。7年間続けてきたんだとしたら相当なものだ
ユラ「結局、シデラさんはどうなったんだ?」
メクル「それは…実は良くわかっていないんだ。だが身体をバレルに乗り移られている事は分かっているんだが…。何分そんな能力事例がないしシデラさんが生きてるのか死んでいるのかすらわからない」
ユラ「バレルの能力を持ちつつ、関西弁で見た目はシデラさんだからか?」
メクル「そうだ。話し方まで変わるものか?」
それもそうだが…俺に言われても困る
ユラ「ふぅ…とにかく、話してくれてありがとうな。バレルの再捕獲、俺も全力を尽くそう」
メクル「ありがとう、英雄に助けられるなんてこれ以上は望まない。」
笑ってメクルが言った。
その時、俺のスマホが鳴った。
ウルウ「よ!ユラ!ちょっとてつだっ…
とんでもない爆音量で声が聞こえてきた
俺は電話を切った。
メクル「今の隊長じゃ…」
ユラ「いんだよ、うるさいから。」
メクルにまで聞こえるんだ、相当なうるささだろう。
メクル「多分飛んでくるよ?」
ユラ「はぁ…仕方ない」
なんかドタバタ音が聞こえてきたし…
俺はあの姿になった。
ーーーーー
はぁっ…はぁっ…!
あのやろう!電話切りやがって!
隊長じゃよな?わし?
めっっっちゃ上司よな?
失礼なやつを説教しに、魔警を探し回る
そこに…
ウルウ「おう!メクル…と…どちらさんかの?」
赤髪ロングの可愛い女の子がいた。
こんな子いたかの?
マユラ「マユラです、ライの友達で。」
菜歌の友達?
まぁ1人や2人はいるだろうが…
…てかなんかめちゃくちゃメクルおどろいてないか?
ウルウ「どーしたんじゃ?メクル。そんな顔して…なんかあったのか?」
メクル「え、あ、いや…」
マユラ「きっと偉大なウルウ隊長を見て驚いているんですよ。」
ウルウ「そうかそうか!わしは滅多に外に出ないもんじゃからな!それではの!」
可愛い子に褒められ上機嫌なわしは怒っていた理由も忘れスキップで夕食に向かった。
ーーーーー
メクル「…そーゆーのは先に言え」
マユラ「ん?あぁ、悪かったな。でも仕方なかっただろ?」
俺は瞬時にマユラ、女の子になった。
こっちの姿はまだ見せた事がない。こうゆうときに良く使える。
メクル「なんでもアリだな…」
ユラ「大体はできるからな」
俺は元に戻った
メクル「で、この後なんか予定あるか?」
ユラ「俺も聞こうと思ったんだ。飯でも食いに行こうぜ、もっとちゃんと聞きたいんだ」
メクル「もちろん」
その後、魔警を出るところで…
ユラ「ん?聖花?何してるの?」
聖花「あ、やほやほ。ユラくんとメクル」
きょろきょろしてる聖花がいた
今は大人モードではないようだ
ユラ「素なんだな」
聖花「あんまり人いないからね。夜だし。ところで隊長見てない?あの人すぐいなくなるから…」
メクル「お腹空かせてたんでご飯でも食べに行ったんじゃないですか?」
聖花「ごはん…」
そう言って聖花はおなかを鳴らした
ユラ「…今から俺ら飯食いに行くんだが一緒にどうだ?」
聖花「でも…隊長」
ほぼ頭がごはんでいっぱいになっている聖花に、もうひと押しかけた
ユラ「俺が謝っておこう」
聖花「よし行こう」
ほぼ間をあげず聖花は答えた。
その後、3人でごはん屋さんへと向かった
せっかくだし、聖花にも色々と聞いておくか。…にしても隊長、何の用事だったんだろうか?




