第二話 大昔の大英雄
マゴ「ユラさんねぇ…聞いたことないな…なんの能力の人?」
ユラ「うーん…沢山あるからなぁ…」
マゴ「一般魔法の話?それなら私だって…」
ユラ「なんだ?一般魔法?」
誰なんだろう…この人。一般魔法魔法も知らないのか。
メクル「ケルト、一般魔法って20年前からあるよな?」
ケルト「あぁ…知らないわけがないんだが…」
怪しい…一旦本部に連れていくか。
メクル「あー…ユラさん?ちょっといろいろ聞きたいので本部に来てもらえますか?」
ユラ「本部?なんのだよ」
ケルト「魔警備隊です。知らないんですか?」
ユラ「最近山から下りてきたもんだから…なぁ、今何年なんだ?」
マゴ「2100年だけど…」
ユラ「2100!?80年たってるのか…」
なんかすごい怪しい人だな…
ユラ「そりゃいろいろ変わってるわけだな。わかった。ついていくよ」
怪しい人だけど変なひとではなかったからよかった。
浮遊魔法を使って飛んでいこうとすると…
ユラ「へ?飛べるんだ…」
マゴ「どんだけ知らないんですか?…いまじゃ当たり前ですよ?はぁ…あなた能力なんなんですか?」
ユラ「だから沢山あるんだって。まぁいいか。飛べないわけではないからな」
そう言ってユラは空を飛んだ。…一般魔法しらないんじゃなかったのか?
マゴ「飛べるんじゃん」
ユラ「まぁ重力操れるからな」
マゴ「ん…?まぁいいや、本部で聞くから」
そう言って本部へ飛んで行った。ふと、ユラが持っているものにが気になった。
メクル「なぁ…その本なんだ?」
そう問うと、ユラは驚いた顔をして
ユラ「なんだ?今じゃ本もないのかよ…退化してんだか進化してんだか…」
そのあとはユラが沢山質問してきて、答えるたびに「どうなってんだ」という
なんなんだ?この人。
そうして本部についた。
ユラ「はへぇ…でっけぇなぁ…」
まぁ確かに大きい場所だ。何しろ世界中にある魔警の総本部だ。そうもなる。
中に入っていくと相変わらず騒がしい音が絶え間なく耳に入ってくる。
魔警は大体忙しい。大量に来る問題の解決にみんな忙しい。魔警は大きく三チームある。その説明はいずれ…
とにかく一旦ケルトとマゴを外した。マゴが「後でなんだったかおしえてください」と言ってきたがそんな大物には見えないんだけどな…
マゴの期待外れの顔を想像しながら上司のもとに行く。
その際、運動場を通った。
ユラ「なぁ、なんだあれ」
ユラが指をさした先にはパワーチェッカーがあった。
メクル「力を測定するものだ。やるか?」
どれくらいの実力か調べたくなった。
ユラ「いいのか?」
そう言ってパワーチェッカーの前にたつ。
ユラは思いっきり殴った。結果は…
【500】
メクル「最大が10000。というかその先もあるのだがそれ以上を見たことがない。一般人が10と考えたときの計測だ。」
500…なかなかだがこの程度、ざらにいる。やっぱり期待外れかもしれない。
ユラ「ふぅん…じゃあ次ちゃんとやるな?」
メクル「なんだと?」
僕の疑問をよそに、ユラはパワーチェッカーの前に立つ。
ユラ「ステージ3」
そういったかと思ったら…ユラの周りに綺麗な炎が纏い出した。そして…
ドガン!!!
すごい音がして…数字を見ると…
【85000】
メクル「んなっ!?」
85000!?俺の上司の過去最高が10000だぞ!!?
ユラ「かなり強くやったのに…すげぇなこの機械。
よく壊れねぇもんだ。」
今の音をききつけてか、人が集まってきた。
男「なんだあれ…故障か?てかだれだ?あいつ」
女「さぁ…」
まずい…まだこいつがよくわかってもいないのにひとが集まってきてしまった。
そんな人ごみの中からある人が出てきた。
???「おらおら!お前たち!職場に戻れ!忙しんだ!魔警は!」
その一言で、人だかりはなくなった、が噂にはなっただろう…
メクル「助かりました、アルパさん」
この人があれの上司、阿河羅アルパさん。魔警三大チームの1チームの隊長だ。
アルパ「なぁに!お前はむかしもっと大きい問題起こしてんだ!今更なんだってんだ!」
にこにこしながら傷をえぐる。相変わらずだ。
アルパ「で、この俺の記録を抜いた若者は誰だ?」
そういうとユラはアルパさんのほうを向いた。
ユラ「俺はユラだ。アルパ…さんだったか?俺はなんか怪しいらしいから連れてこられたんだ」
アルパ「ユラ…どっかで聞いたような…まぁいい!とにかく俺と戦ってくれよ!」
メクル「いや…アルパさん‥忙しいんじゃないんすか?」
アルパ「別にいいだろ!魔警は忙しくても俺は忙しくねぇ!」
はぁ…この人は一度言ったら聞かないからなぁ…
ユラ「いいぞ。あんた割と今の最高峰だろ、確かめてやるよ」
魔警のほぼトップにあんな口きくやついないだろうに…
なんやかんやで始まる戦い。
アルパ「早速行くぞ!」
そう言ってアルパさんは一般魔法を使う。
アルパ「スピード・レベル5!」
スピードを上げ、一気に近づく。
そして、能力を使う。
アルパ「おらぁ!」
アルパさんの能力は『声力』。声を出せば出すほど強くなる。でたらめだ。
さらにスピードが上がっている。この攻撃を受けられる人なんて他のチームの隊長と魔警察隊のトップくらいだ。そう思っていたが
ユラ「おお、つよいな」
そう言って軽々よけた。そして…
ユラ「ブレイク」
炎が一瞬にしてアルパさんを貫く。
倒れる上司。
…あの人なんなんだ?
ーーーーー
アルパ「いやぁまいった!がっはっはっは!」
自分の椅子に座って高らかに笑うアルパさん。
ユラ「いやぁあんなすぐ回復できるんだな!こりゃあもっと強くなれそうだ!」
ユラはユラで何やら喜んでいる。
アルパ「で、世の中のナンバー3を倒したユラさんよ。あんた何者なんだ」
そう、ちゃんとナンバー3なんだ。ユラがおかしいのだ。
ユラ「俺は…そうだな…。最初の魔法使いってとこか?」
その答えに僕とアルパさんは顔を合わせた。なんてったって…
最初の魔法使いっていったら大昔の大英雄
その昔、全ての能力を手にして『初期』のバカ強い能力戦争時代を生き抜いた初期最後の1人。
今じゃ能力は広がり弱くなり、『次期』と僕らは呼ばれている。
メクル「もう死んだもんだと…いや消えたんだったか?」
大英雄はその後死んだも何も分からず消えてしまったと言われている。
ユラ「色々考えて、強くなってたんだ。」
答えになっちゃいない。
アルパ「あんたがその最初の魔法使いだとして…なんでそんなに若いんだ?何十年も前の話だろ」
ユラ「不老不死なもんでな」
もはやなんでもありだな。
メクル「なんで今降りてきたんだ?」
まだ信用ならない僕は質問をぶつける。
ユラ「限界を感じたんだ。でもまさか世の中がこんな事になってるとは…」
初期の生き残り…それは強くなる誰しもが憧れる最強の存在だった




