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【最初の魔法使い】  作者: コトワリ
第1章 最初の魔法使い
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第五十七話 一章 完

ウセル「いやぁ中々やりやがる!普通ならやられてただろうよ!」


全力を…ぶつけたのに…どうしてこいつは…なんでこいつは…いきてるんだ…!


ウセル「じゃあな、その能力、もらうぞ」


シロ「う…」


後悔と怒りが体中を駆け回った。

・・・・もっと早く来てほしかった。そう考えてしまっている時点で自分は弱いのだろうか


ーーーーー


ユラ「おい…お前…俺の仲間に何している?」


ウセル「ユラ…か」


おかしい…博士とグラが先に言っていたはずだ。

姿がない…。でもってあの二人は…阿井?と誰だ?


ユラ「おい、シロ。博士とグラが先に来ていただろ?」


シロ「あ…あぁ…」


シロは俺の質問に答えずうつむいた。何があったんだ?


ウセル「俺が消したよ。能力を俺が持っている。証拠になるだろ?」


一瞬思考が停止した。消した?死んだってか?確かにこいつは強いが…グラも博士もやられたって…?

現に動けていないシロをみて現実だとわかる半面、信じられないというあいつらへの信頼が、心を支配する。


シロ「ほんと…なんだ…守れなかった…ごめん…」



ウセル「さて、手負いのやつから消したいから一旦見ててもらおうか、ユラ」


ユラ「消させるわけないだろ!」


ステージ3となり、攻撃を放つ。


ユラ「ディア・ブラスト」


ウセル「さすがに高火力だな?!」


ウセルは手から光を放ち、俺のブラストを消す。


ウセル「同威力…やるじゃねぇ…


言い終わる前に攻撃を加える。

殴り、空中に飛ばす


ウセル「んなっ!?」


俺は上に向けて、炎を放つ。


ユラ「ディア・ブラスト」


空で大きな火花が飛び交う。噴火の如くウセルを焼き付ける。

ウセルが上から落ちてきた。


ウセル「が…やられる…!」


そう言ってウセルはものすごい速度で逃げようとした


ユラ「逃げられると思うなよ?」


俺も高速で追いかけ、炎の剣を作る


ユラ「炎流二閃 大炎斬」


大きい炎の剣で、追いついたそいつをぶった切る。

…跡形も残らず、そいつは死んだ。残ったのは俺の本の中の多くの能力。


ユラ「名前を…知るまでもなかったな。」


俺は、シロがいるところまで戻った。

そこにはアムがいて…


アム「相棒…シロは…もう…」


アムがシロの瞼を閉じ、そういった。

…俺がもっと早く来ていれば?…シロをこの場に来させていなければ?

さまざまなあったかもしれない選択肢を呪う。だがそれは一番むなしいことで…


アム「グラと…博士は?」


ユラ「…」


俺は何も言わず、だがそれが答えでもあり…

体が、思考が、一瞬すべて、空っぽになったその時…能力が俺を飲み込んだ。


ーーーーー

そんな…グラも…博士も…やられたのか…

リハンのやつに後悔うんぬん言っていたのが恥ずかしいほど後悔している。

仲間を守れなかった…

…その時、相棒の様子がおかしいことに気づいた。


アム「相棒…?」


相棒は一瞬にして縛り上げてられていた阿井達のところに行った。

遠くから見ていたが、何やら阿井ともうひとりのやつがおびえて…いる?

その瞬間


二人を囲むように炎の柱ができた。

何を…?!


アム「相棒!何してんだ!」


そう言って近づいた…そこで異変に気付いた。これは…見たことがある・・・! 

クロニカルタワーで…見た…!


アム「相棒…!なんで暴走しているんだよ!!!!」


俺の目の前には、あの時のクラリタのように、暴走した相棒がいた。

なんでその能力を?!どうして!

だがそんなことを考える暇もなく、次のターゲットが俺になった。

このままではまずい…!

とにかく止めなければ…


アム「ステージ3!」


まさか使う羽目になるとは思わなかった。ステージ3をこんなにも早く使うことになるとは思わなかった。

リハン…お前の能力使わせてもらうぞ!

俺は相棒に向け、闇の波動を放つ。

だが…相棒は何食わぬ顔で向かってくる。

吹き飛ぶくらいはしてほしかった。

相棒を…攻撃したくない。そんな気持ちが生まれてか、威力が弱い


アム「だが…ここで俺が負けたら最後、全てが終わる!」


俺は刺し違えるつもりで、相棒に攻撃した。






俺の腹を、相棒の腕が貫通した。


アム「はぁ…相棒。止まってくれよ」


俺の腕も相棒の腹を貫通していた…


ーーーーー

ユラ「…」


目の前に倒れているアムと…俺の本にある闇の力をみて、察しが付く

腹を貫かれたはずが、少しずつ、回復…いやもう元通りになってる。

植物の能力が勝手に発動していた。これか。

本がなにやら光っている。

読んでみると…


『能力5個入手特典:インフィニティソード』

『能力10個入手特典:永久化』

『能力15個入手特典:同時使用負荷なし」


何だこれ…そういえば昔そんな情報を見たっけか


そんなことを考え、現実逃避する。

俺は何をしてる…?

仲間を失って…自分で…失って…

なんだ…?なんなんだ…?


ユラ「俺は…」


この声を拾い上げ、嘆くものも、嘲笑うものも、慰めてくれるものもいない。俺が、全部、消したのだ。


そうさ、認めよう。逃避せず、向き合おう


ユラ「…神様、俺がやったよ」


もう誰もいないその場所に

いるはずもない神様に

俺は嘆く







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