第五十二話 ステージの差
グラ「さてさて…僕は誰とやるのかな」
そんな独り言を言って僕は指定された場所へと行く。ちょっと遠い
グラ「にしても昨日のユラくんは変だったなぁ…」
いつも絶対断ってたのに珍しく一緒にねてくれた。どうしたんだろ…
ちなみに僕が一緒に寝ようとする理由はあったかいから。不思議な事に夏でもあの暖かさは熱いと感じないのだ。
グラ「さてと…ここだね」
目的地についた。そして…
澄香「あ〜!どうもどうも〜!良く来てくれましたよ〜!」
グラ「君達が呼んだんでしょ…えーと、澄香ちゃんだっけ」
澄香「そうです〜!」
言葉はふわふわしているが両手にナイフを持っている。…なんかめんどくさそうだな。
グラ「んじゃまぁやろうか。君の能力は煙だよね?」
澄香「うぇ!?なんで知ってるんですか!」
グラ「聞いたの」
そう言って僕は手を前に向けた。
グラ「《グラン・ゼロ》」
その威力は以前より増している。
澄香「うわぁ〜!」
そう言って澄香は空へと逃げた。
…そこを僕は見逃さない。
グラ「じゃあね」
一瞬で後ろへと回り込み蹴ろうとした。
…が。
グサッ…
背中に痛みがほと走る
グラ「なっ…⁉︎」
澄香「ふふふ〜煙に形はないんですよ〜」
後ろを見ると煙が手の形をしてナイフを持っていた。
煙の能力をなめていた。本がないからとは言えこんな事ができたか。
僕は一旦その場から離れて
グラ「《グラティカル・ワン》」
煙全体にあらゆる方向から重力の衝撃を加えた
…が
澄香「煙は物理的攻撃は効きませんよ〜?」
グラ「あはは…困ったなこれは」
効かないか。うーん…
困ったな、ほんとに。重力は全てを潰すと思っていたが、煙ってのには効かないみたい。
澄香「さて、次は私の番ですね〜」
澄香は近づいてきてナイフを振る。
僕はそれを避けつつ、思考を巡らせた。
この調子じゃステージ3で攻撃しても意味ないんだろう…いや…ステージ3がステージ1に通用しないのか?そんな事…
グラ「…賭けるか」
澄香「ん〜?」
ナイフの速度は速まっていく。
僕は一旦大きく距離をとった。
澄香「逃げるんですか〜?」
そんな問いを僕は無視して、最後の策の準備を始める。
グラ「ステージ3」
周りを白いオーラがたたずむ。
澄香「わー!かっこいい〜!」
試しに僕は重力による衝撃を放った。
澄香「だから当たらないって〜…」
次の瞬間澄香は吹き飛んだ。
澄香「がはっ!?な…んで!?」
グラ「やっぱり。あのね、どれだけ相性が悪くても本があるかないかは遥かに違い、覚醒してるかどうかは天と地ほどなんだよ。」
澄香「う〜…そんなのずるいですよ〜!」
そう言って切りかかって来たが、僕の速度にはついてこれない。
グラ「多分君はその能力のおかげでほぼ何もしなくても強かったんだろうね。努力なんて…してないでしょ。」
澄香「私は…私は何もしなくても強いんですよ〜!」
攻撃を、また避ける。
グラ「わがままだなぁ…まぁ良いや、能力ちょうだい。くれたら痛い目には合わないよ」
澄香「いやですよ!これがなきゃ…私…わたし!」
グラ「仕方ない…じゃあ本気は出さないけど気絶くらいはしてもらうよ」
そう言って僕は自分を澄香に近づけ、逆に澄香を僕に近づける。磁石のような状況にした。これはクラリタにもやったが、あの頃とは色々違う。自分の拳に重力を流す。
グラ「《グラフィネット・セカンド》」
とてつもない威力の一撃を、澄香に与えた。
澄香「…!」
音もなく倒れていった。
グラ「ごめんね、でもわがままな人見るとイライラするんだ。」
能力を奪うと、電話が来た。
グラ「もしもしー?シロくん?」
シロ「ボスの場所…わかった…!来て…!」
グラ「ほんと!?お手柄だね!すぐ行くよ」
そして僕はシロが教えてくれた場所へと行った
………まさかもうユラくんに会えなくなるとは、1ミリも思っていなかった。




