第四十七話 その後
ユラ「ん…?」
目が覚めた。ここは…家?何が…あったんだっけ
グラ「お、やっと起きたね。」
声のした方向に目をやるとグラがいた。そうだ、クラリタを…
グラ「クラリタなら君が倒したよ」
ユラ「俺が?」
全然覚えていない。本を見てみると確かに黒い炎の能力がある。
勝ったのか。
ユラ「そういや他の奴らは?」
グラ「アム達こと?」
ユラ「あぁ」
グラ「全員寝てるよ」
ユラ「まだ目が覚めてないのか?」
グラ「はぁ…あのねぇ。今何時かわかってる?良い子はもう寝てる時間なの!」
時計を見てみると確かに深夜の時間だった。
こんな時間に起きた俺が悪いな、これは。
グラ「じゃ、僕もう寝るからね?ふわぁ…眠い」
ユラ「起きててくれたのか?」
グラ「そりゃね…なんならこのところろくに寝てないよ。アム達に怒られたっけ」
そう言ってえへへと笑うグラ。
ユラ「すまんな」
グラ「うん」
そしてグラはベットへと向かった。
俺は全く眠くないので外に散歩しに行った。
グラ、めちゃくちゃ眠そうだったけどそこまでして起きていてくれたのだろうか。
感謝しかないが自分の体のことも心配してほしいものだ。周りしか見えてないよなぁ、あいつ。
にしても…全く覚えていない。本当にクラリタを俺が倒したんだっけか?クラリタから炎の気が出たと思ってから全く記憶がない。倒したとしてもどう倒したんだ?覚えてないな…
そんなこと考えて歩いていると、何やらもめ事が起こっている。
どうやら酔っている奴らに男性が絡まれているようだ。助けるか。
特に時間もかけず問題を解決した。
ユラ「はぁ…こんな夜中に歩き回るんじゃないよ」
男性「す、すいません。ありがとうございます。」
ユラ「おう、怪我はないか?」
…ん?
男性「あ、ないです!はい。どうもすみませんでした」
ユラ「あ、あぁ。じゃあな」
そう言って俺はその場を去った。
さっきので思い出した。俺は確か白い炎で…
試してみると確かに白い炎が出た。明らかに火力が違う。
でもこれデメリットなしなのか?体力が減っていく気がまるで感じない。黒い炎はぐんぐん体力がなくなったのに。こりゃいろいろ試さなきゃだな。
そして朝になるまで研究をして、帰ることにした。
ユラ「にしても…これどういうことなんだ?」
さっき本を開いたら、なかなか興味深いことが書いてあった。
ユラ「能力数による格差、一定能力数による得点…ねぇ…何言ってるかさっぱりだな」
本の情報は助かるときもあるがたまに意味の分からないようなものがある。
前は『能力は生物と同じく循環する』だったか。…よくわかんねぇな
家に着いた。グラにちゃんとありがとう言っておかなきゃだな
ユラ「ただいまー」
グラ「あ!」
アム「あ」
扉を開けるとアムとグラがこっちをみて口を開けている。
ユラ「なにしてんだ?」
グラ「あのさぁ…さっき起きたんだよ!?なのに外出って…安静にしといて!」
そうして強制的に寝かされ重力をかけられ…いやグラが俺の上に乗って重力を…いや軽いな。何にも感じないぞこいつ。空気みてぇ。
アム「相棒よ、今回はお前が悪いぞ。グラはクラリタを倒してからお前が起きるまでずっと看病してくれていたんだ。それでやっと起きたと思って安心して寝て起きたらいなくなってるなんて。完全にお前が悪いだろう」
そうだったのか。
ユラ「悪い、でも俺結構元気なんだが…」
そう言ったら冷たい視線がグラから飛んできた。
これ以上言うのはやめておこう。
アム「相棒!元気になったら白い炎とやらを見せてくれよ?どちらが強いか試そう!」
ユラ「おう!いいぜ!]
そう言って俺は布団から出た。
グラ「…ユラくん!!!」
ユラ「あ、やべ」
乗ってる感覚がなくて勢いよく起きてしまった。
アム「じゃな!相棒」
ユラ「お、おう…」
今度こそ本当に重力をかけられた俺は動けなくなった。
グラ「でもほんとに元気そうだね、背中の傷も治ってるし」
ユラ「確かに…この白い炎のおかげかもな。」
そう言って指から炎を出した。
グラ「あれ、思い出したの?クラリタ倒したときのこと」
ユラ「あぁ」
グラ「回復の能力でもあるのかもね、それ」
ユラ「まぁもうクラリタ以上の強い奴はなかなか出てこないだろう」
あんな化け物頻繁に出てこられたら困る。
グラ「そういえば暴走の能力つてどこにいったの?」
ユラ「俺の本の中」
グラ「え、それって大丈夫なの」
ユラ「まぁ使わなきゃいいだけだし、悪の手に渡るよりかはマシだろ」
俺はクラリタから多くの能力を手に入れた。
黒い炎の能力、瞬間移動、そして暴走。
グラは倍の能力、アムは翼の能力を手に入れた。
グラ「なんか僕たち強くなったね。」
ユラ「そうだな…」
その時シロが扉をバンっ、と開けて、部屋に入ってきた。
シロ「ニュース…!」
グラ「どしたの?」
シロが持ってきた新聞にはある二つの事件が載っていた。




