第四十六話 白
噓でしょ…
クラリタが全体に炎の気のようなものを出したと思ったら
ユラくんも、アムも…シロもやられちゃった。
グラ「僕一人だけ?」
僕自身空気みたいなものだから効かなかったのか…
どうしよう。多分クラリタには意識がない。ユラくんがやられても止まる気がしないのはそういうことだろう。まさに暴走…
グラ「とにかく…僕一人で倒すか…持ちこたえなきゃ!」
そして僕はステージ3になり直し、攻撃を放った。重力を操ることで遠距離から衝撃を与えられるようになった。
グラ「うら!うらうら!」
連続で当てるが…ダメージが入っている気がしない。
クラリタがこちらに近づき、攻撃をしてきた。炎を使わないのは僕が利かないことが分かっているのだろう。
グラ「ぐっ…!」
攻撃が重たい…
元々強い力がさらに暴走により何十倍にもなっているのだろう。
グラ「本気出すしか…ないかな…」
僕は重力をあらゆる方向から一点に向けることでおきる常識のバグ。その塊をクラリタにむけ…
グラ「グラン・ゼロ」
その攻撃を放ち、その瞬間にクラリタに重力を最大負荷でかけた。
クラリタ?「グガ!?」
直撃した。だが倒れない。…けれどもダメージは確実に入っているのだろう。膝から崩れ落ちた。
そりゃそうだ。僕たちの総攻撃を喰らって立っているのがおかしい。
そして…立ち上がった。
だが僕はそれを予想した。
グラ「わかってんだよ、立ち上がることは!」
そして僕はクラリタに近づき
グラ「グラティカル・ワン」
クラリタの全身に重力による衝撃をあらゆる方向から与えた。これを鉄球にやったら粉々になった。アムがふるえてたっけ。
グラ「まだだよ、これが僕のできる。最高の攻撃さ」
手を握りしめ、拳にして、重力で自分の体をクラリタに引き付ける。逆にクラリタを自分の体に引き付ける。まるで磁石のように。
そして、拳をクラリタの顔面にめり込ませた。
非力な僕でもできる。だが無理矢理つくりだした力故に僕の手は痛いし、能力の重複使用により体力もなくなる。
それでも…こんなにやっても…
グラ「もう…さっさと倒れろよ…空気読めないなぁ」
クラリタは立った。でも片手は動いてないし、左足も引きずってる。
ここまでなのか、暴走というのは。こんなもの能力じゃない、呪いだ。
そしてクラリタは僕にむかって殴ってきた。
僕たちもここまでかな…
パシッ…
グラ「え?」
目を恐る恐る開けた。
多分僕もどこかおもっていたんだろう。立ち上がってくれると。守ってくれると。
グラ「ユラ…くん…!」
目の前には 白い 火をまとったユラくんが立っていた。
ユラ「ごめんな、グラ、今終わらせるから。」
そう言い、ユラくんはクラリタに視線を向けた。
ユラ「クラリタ、おしまいだ」
そういったと思ったらユラくんはもうクラリタの目の前に立っていて。
クラリタを吹き飛ばし、手のひらをクラリタに向けた
ユラ「《ディア・ブラスト》モデル・ドラゴン」
真っ白い大きくはないが、確かに強いと思えるドラゴンを作り出し、クラリタにぶつけた。
跡形もなくなったその場にクラリタはいなかった。
ユラ「グラ」
ユラ「何…?」
ユラ「怪我はない…か?」
そう言って倒れた。
はぁ…もう。
周りしか見てないなぁ・・・




