第四十五話 暴走
クラリタ「ふっ…ふははは!」
突然クラリタが笑い出した。気でも狂ったか?
クラリタ「この能力を…取っておいてよかった。正直いらない能力だとは思ったが…ふん…どんな能力にも使いようがあるものだな。」
なにをぶつぶつ言っているんだ?…まだ勝てる算段があるということか?あいつならないとは言い切れない。用意周到なやつだからな…
アム「もう仕掛けたほうがいいんじゃねのか?なんか…嫌な予感がするんだが」
ユラ「爆発系の能力を持っていたら近づくのは危ない。自爆されたら困る。」
アム「それもそうだな…」
クラリタ「かかってこないのか?…まぁいい。聞け、ユラよ。」
ユラ「なんだよ?」
クラリタ「私はこの能力を手に入れてまず思ったことは人助けだった…」
グラ「え…」
クラリタ「だが、誰しもが能力者をヒーローというわけではない。気味悪がるものが多かった。君たちは最初に民衆が目に触れたのが『人を助けた瞬間』だったからよかったのだろう。でも、私は違った。最初からこんな強い能力だったんだ。すぐに使いこなせるわけがなかった。たくさんの人を気づつけてそこには家族も含まれた。そこからだった。こんな能力なんてものがなかったらいいとね。」
ユラ「…同情を誘うつもりか?」
クラリタ「まぁ聞いてくれよ。能力者は増える一方。だからいったん世界から人をなくそうと、そう思った。そこから人を作り出そうと。」
グラ「馬鹿なの?人を作り出せるわけがないじゃん!」
クラリタ「本にはこう書いてあった。『最初に生まれた能力と神なる能力、そして、魔神なる能力を手に入れたとき、すべてを操る能力となる』ってね。」
アム「すべてを操る…!?」
クラリタ「能力は進化するのさ。まぁそんなことはどうでもいい。とにかく私は圧倒的な力が欲しかった。そこで私は世界を消す手段を二つ生み出せた。一つはユラの能力を奪い完全なる炎となること。そして…」
そこでクラリタは本を開き、何やら準備をしだした。
ユラ「…!お前ら!戦闘準備!」
アム「お、おう!」
グラ「おっけー!」
シロ「ん」
クラリタ「二つ目は…この暴走の能力を使うことさ!!」
クラリタの周りにどす黒い煙のようなものが漂った。凄まじい力を感じる。アムの闇よりも吸い込まれそうなその黒さ。間違いなくヤバイ。
クラリタ?「リミッター解除」
その声がきこえた次の瞬間…
アム「…や、ばい…」
見ただけで感じる、最恐の強さ。これが、能力の力?
グラ「みんな!やらなきゃ!ここで僕たちが負けたらおしまいだよ!」
ユラ「あ、あぁ。すまん。よし、行くか」
黒い炎をまとった。
ユラ「全員一斉に行くぞ!」
全員の手がアレに向けられた。
ユラ「《ブラスト》・ブレイジング!」
グラ「グラン・ゼロ」
アム「《レベル・∞》・魔神破!」
シロ「えい」
すべての攻撃がクラリタにむけて撃たれた。世界最強ともいえる力がクラリタにぶつかった。だが…
バン!!
クラリタの出したバカでかい炎が、いや、炎のドラゴンがその技を食い破った。
グラ「嘘…んや!諦めたら負けか!よし!」
そういってグラは飛んでいき
グラ「はっ!」
グラが空を殴ったと思ったら…不思議なことにグラの腕は全く届いていないというのにクラリタは吹き飛んだ…がすぐに立ち上がり炎を放った。
グラ「重力の前じゃむだだよ!」
グラのは目の前に重力の壁を出した…だが炎はそれをも貫通して、グラに突き進む。
グラ「えっ…」
ユラ「くっ!グラ!」
間一髪、助けられた。
ユラ「ふぃー…危なかったなー」
グラ「ユラ…君…」
ユラ「ん?あぁ、こんくらい大丈夫さ」
背中に喰らってしまったがどうというものでもない。
グラ「ごめん…」
ユラ「今はそんなこと言ってる場合じゃない!アム!同時にたたくぞ!」
アム「OK!」
肉弾戦に持ち込んだ。何発か入ったがダメージが入っている気がしない。
アム「《レベル・450!》・殴・倍!」
ユラ「《バースト》・テラ!」
連続攻撃を浴びせるが…一向に倒れる気がしない。それにこの炎の攻撃、一度でも当たったら致命傷だ。さっきからアムめちゃくちゃ当たってるが大丈夫だろうか。
アム「はぁ…はぁ…すまん、相棒」
限界だったのか、アムは倒れた。
シロ「はい、交代。」
そう言ってシロはアムを放り投げ、乱闘に入ってきた。
シロ「てい」
さすがにシロの無限の力にはかなわず、吹き飛んでいった。だがすぐに戻ってくる。
シロ「えー…」
グラ「二人とも!よけて!」
とっさに横をに飛んだら後ろからバカでかい球体が飛んでいった。
これなら…
クラリタはそれを直に受けた。
ユラ「はぁ…はぁ…頼むから…立ち上がってこないでくれ…」
もう限界だった俺の願いは、残念ながら…
クラリタ?「グガーーーァ!!」
その瞬間、とてつもない炎が、おれたちを襲った…




