第四十二話 笑うしかない
シロが目をキラキラさせながらグラに近づいて行った。
シロ「グラ…強い…!」
グラ「でしょー!えへへ」
本当に強すぎる。重力を操るだけでああなるのか?ダメージを与える球体なんか…つくりだせるものなのか?
ユラ「グラ、それどうやったんだ?とてもじゃないが重力を操るだけじゃできるようなものじゃないと思うんだが…」
グラ「あぁ…まぁ僕もいまいちどういう原理かわかってないんだよね。ユラくんが言ったとおりに重力の方向を一方方向って決めつけないで能力をつかっていたんだけどさ。そしたらなんか出せるようになったんだよね。なんなんだろねこれ。」
本人もよくわかっていなかったらしい。
ユラ「そんなんで大丈夫か…?」
グラ「まぁこれは全然訓練の成果の序の口だから。こんなんまだまだ弱いほうだよ。逆にこの程度で驚いていたらクラリタの奴に勝てないよ?」
ユラ「それもそうなのかもしれないが…」
ここまで強くなるのだろうか…
とにかくその話はあとでいいか。
ドク「それで、このドラゴンさんは何を守っていたんでしょうかね」
アム「俺の本…おれのほん・・・!」
アムがこのままじゃ一人で走って行ってしまいそうだ。
アムを止めつつ俺たちはその先進んでいった。
その先には二つの台座があり…片方には紫色の本があった。もう片方には杖が。
アム「俺のほーーーーーーーん!!!夢にまで見た俺の本!よ、読める!読めるぞ!」
感動しているアムをよそに、俺らは杖を調べていた。
ユラ「何だこれ?」
ドク「んんー…?先端は白い球体で木の棒に刺さったような形…シンプルな形ですね」
グラ「杖って言ったら振るものでしょ!貸して!」
そう言ってグラは杖をひったくっていき…
思うがままに杖を振り回した。すると…
雲が現れた。本当に。
シロ「ふわふわ…!」
と触ろうとしようとした。雲は触れられないはず。だがシロは雲の上に寝ころべた
ユラ「どうなってんだこれ…」
ドク「…まぁ私が研究しておきましょう。雲は水ですからな」
白い雲が出てくる謎の杖はドクに任せた。
とにかくアムの本は見つけることができたのだ。
ユラ「よし、帰るか!」
ギャオーーーー!!
後ろ振り向きたくねぇぇぇ…
あいつが起きたのだろう…
グラ「嘘!?あれ喰らって生きてるの!!??」
ドク「常識的には生きてないでしょうが…常識じゃない存在ですからねぇ…」
めんどくさいが…やらなきゃか。
アム「ふっふっふっ…何をいっている。俺様が本を手に入れたのだぞ!一瞬で終わらせてやるさ!!!」
そうだった。元最強が本を手に入れたんだった。でも今さっき手に入ってばっかなのに使えるのか?
アム「オラ!ドラゴン!喰らいやがれ!俺のいちげきを!」
「【レベル∞】・魔神破!!」
その一撃はまさに魔神の如く。ドラゴンなんか何もいなかったのようにその場は静かになり。さらには地上まで穴が開いた。もう笑うしかない。
アム「相棒!俺をこえられるか?」
ユラ「…当たり前だ。」
とは言ったものの自信が全くない。
アムにグラにシロ…
クラリタなんかに負ける気がしない。最初は正直半分虚勢を張ったが、今では確信に変わっている。




