第三十九話 グラふぁんクラブ
最近ユラくんが変わっちゃった。
どーも。グラです。
なんか最近ユラくんの行動がガラリと変わっちゃった。今まではのんびりゆっくりな過ごし方だったのに。今じゃアムと訓練。疲れたら1人で何やら考え事。
でも僕は気がきく美少女だからそんなユラくんに飲み物を持っていってあげる。
グラ「ユラくーん!コーヒーだよー!」
ユラ「……」
けど無視されちゃった。
さらっと来たアムに飲み干されちゃったし。
アム「めちゃくちゃうまいな!?グラの入れるコーヒー最高かよ!?」
グラ「むぅ…」
アムを蹴った。アムは褒めたのに蹴られて頭がハテナマークになってた。
諦めて外に頭を冷やしに行こうとしたら…
ドク「まぁまぁ、グラさん。一旦ほっといてあげましょうよ。ユラさんにだって何か考え事があるんですから。好きで無視してるわけじゃないですよ」
グラ「だ、だよね!」
ドク「…多分ですがね、…絶対とは言えませんが。何しろ暴力女ですから。」
その後ドクも蹴って外に出て空を飛んだ。
クラリタに合ってからユラくんおかしくなっちゃったなぁ…
することがないや…
……そうだ!
クラリタのいるクロニクルタワーに行ってみよ!なんかわかるかもしれない!
そうしてクロニクルタワーに来た。
いつ見てもでかい。意味あるんだろうか。
周りを見ると何やら木を殴り続ける女性が。
グラ「あの、何してるんですか?痛くないんですか?」
???「…ふんっ!…ふんっ!」
無視された。なんだかさっきも体験したような感覚…
だが、今回は諦めない!
グラ「あの!聞こえますか!」
めちゃくちゃデカい声で言ってやった。空気をも突き通して。
???「うわっ…なんだ君は…」
グラ「だから…何してるんですか!」
???「何故初対面の君に言わなきゃいけな…
って…もしかして…」
グラ「ん?」
???「あなた…グラさん?もしかして」
グラ「そうだけど…」
???「えぇー!」
あれ、これやばいかな。敵だったらどうしよう
めんどくさい。
???「大ファンなんですよ!可愛いし強いし!あなたに憧れて強くなろうと思って!」
大ファンだった。…悪い気はしない
グラ「ふぁ、ふぁん?そんなのいたんだ…」
???「え?知らないんですか?グラふぁんクラブ。通称グラクラ」
なんじゃそりゃ
グラ「ちなみに何人いるの?」
???「7千万人くらいはいますかね…」
7…千万?7000とかじゃなくて?
人口の三分の一ほどじゃないか…
こりゃうかつに外でれないな…
グラ「…てか、痛そうだからやめな?せめてサンドバッグにしな?」
???「あ、グラさん!見せてくださいよ!
触れずに木を倒すとこ!見たい!」
聞いてないな。…悪い気はしない
空気を押し、軽々倒してあげた。
???「すごいやばい倒れるまじでやばい」
グラ「倒れないで⁈…にしても知らなかったなぁ…グラクラかぁ…」
???「知ってると思ってましたが…案外知らないんですね」
グラ「まぁあんま世間を知らないからねぇ…」
そんな会話をしていると…
彼女の電話がなった。
???「あ、すみません!会えて嬉しかったです!じゃあまたいずれ会えたら!ありがとうございました!」
グラ「ん、ばいばい」
不思議な人だったなぁ…
なんかもう疲れた僕は帰路を辿った。
ーーーーー
秘書「あ!やっと出た…どこ言ってたんですか!こっちは探したんですよ!何回も電話かけたのに…」
???「いやぁ、すみません。推しに出会ってしまって…」
秘書「推し?…まぁなんでも良いです。クラリタ様が呼んでいますよ、オルロバ様」
オルロバ「はい、すぐ行きます。」
グラクラメンバーに早く自慢したくてたまらないが、まだ仕事中だ、気をしめよう
ーーーーー
グラ「ただい…ん?」
なんだか良い匂い。
みんなのいる部屋に行ってみると…
ユラ「あ、グラ。おかえり。飯作っといた」
グラ「え?ユラくんが?作れたの?」
アム「グラ!これマジで美味いぞ!グラ並みに料理上手だ…!」
そこには美味しそうなグラタンが。
ドク「ささ、冷めぬうちに食べましょうよ。
グラさん。」
グラ「…うん!」
驚きつつも席につき、グラタンを一口。
うんっっま
なんじゃこりゃ。料理がこんなにうまいとは…
ユラ「美味いだろ?割と真面目に作ったつもりだ。まんじゅうも買っといた」
グラ「え!おまんじゅう!ありがと!」
ユラ「それと…」
なんだが気まづそうにユラくんは口を開き
ユラ「昼は悪かったな。無視しちまって。
考え事してて。ドクに言われた。ごめん。」
あぁ、そうゆう事か。
グラ「仕方ないなぁ!…じゃあ」
ユラ「じゃあ?」
グラ「今日一緒に寝てくれたら許してあげる」
ユラ「なっ…えぇ…やだ…」
グラ「こんな美少女と寝れるのにぃ!?グラクラのメンバーからしたら願ったり叶ったりだよ!?」
ユラ「なんだグラクラって」
ドク「グラふぁんクラブ。通称グラクラ、我が作りました」
グラ「博士がつくったの!!??」
ドク「えぇ…知らなかったんですか?」
グラ「本人の許可なく……」
アム「ご、ごちそうさまでした!よし!ユラ!
訓練しようぜ!」
ユラ「お、おう!」
ユラとアムは逃げるように外から出た。
背後から叫び声が聞こえてきたが、まぁ野良猫かなんかだろう。
その夜…
寝てたらグラがベッドに入ってきた。
ユラ「んだよ…邪魔」
グラ「うるさい、寝れないでしょ」
ユラ「んな理不尽な…」
追い出そうとしたらもうグラは寝てた。
なんなんだコイツ。
良い匂いがしてきて全く寝れない…
撫でたらきゅっと体が縮こまった。
なんなんだコイツ。
疲れが取れないまま俺は夜を過ごした。




