第三十四話 クラリタ
クラリタ「よぉ」
コイツが…俺を暴走から助け、グラに本を渡したやつか。
にしても化け物を自由に使えるのか?
まさか今までの化け物もコイツが…
ユラ「誰なんだ?お前。でもってなぜ化け物を
従えている。」
クラリタ「まぁ待て待て。自己紹介くらいはするさ。私はクラリタ。知らないだろうがある会社の社長でな。クロニクルタワーの責任者みたいなものだ。」
グラ「偉い人って事?」
クラリタ「まぁどう捉えても構わないよ」
ユラ「で?この化け物はどう説明するんだ?」
そう問うとクラリタは鼻で笑いながら
クラリタ「いや?全く知らん。偶然通りかかっただけさ」
男「な、なに!お前がよこしたんだろ!」
クラリタ「はぁ…うるさいやつだ」
そう言い手をその男に向けた。そして…
ユラ「…!やめろ!」
クラリタから放たれた黒い火をとっさに防いだ
ユラ「…なんのつもりだ」
クラリタ「掃除が趣味でね」
なんてやつだ…
グラ「ほら!君達さっさと逃げな!」
そうして2人は戸惑いながらも逃げていった。
ユラ「炎の能力は俺だけじゃなかったのか?」
たしかにあの黒い火は俺が出せる火に似ていた
だが何かが違うような…
クラリタ「まぁ…そうだな。だが私達2人だけとも言える」
ユラ「どうゆう事だ?」
私達2人「だけ」?なぜそう言い切れる…
戸惑いを隠しきり次の言葉を待つ
クラリタ「最初の魔法使いは2人いたんだ」
ユラ「なんだと…!」
てっきり自分1人と勘違いしていたが…
確かにそうだとは本にも書いてなかった。
ユラ「じゃあ…最初に生まれた能力者は炎の能力2人って事か?」
クラリタ「いや、厳密に言うと違う。君は炎の能力者。私は…黒い炎の能力だ」
…?同じじゃないのか?
グラ「何が違うのさ?」
俺と同じ疑問を感じたグラが聞いた
クラリタ「あぁ。全く違う。君の炎は様々な色になるだろう?つい最近は黒にもなったな。
その前は…オレンジ、初期は黄色だったか。」
ユラ「それが…なんだ?黒は黒で変わらないと言う事か?」
クラリタ「そう。色が変わらない。つまり変化しないのだ。私がどれだけ能力を鍛えても、能力の強さは変わらない。まぁ出力などによっては変わるが、限界点は変わらない。だが、かわりに強い。君は最初弱かっただろう?本来能力というのは相性を含めなければ強さは全体的に同じなはずだ。」
そうだったのか…アムが俺より遥かに強いのも…グラの方が後に本を手に入れたのに俺にすぐ追いついたのも…俺が変化しても元の力が弱かったから…
グラ「でもクラリタさん。本あるじゃん。
強さは変わるでしょ?」
クラリタ「それはもちろんだ。だが限界はあった。色が変わったりもしない。絶望したさ」
ユラ「第一本ってなんなんだ?」
クラリタ「さぁな。それはわからない。自分の本の存在を知り、探し回ってたら意外と沢山見つかったのだ。重力女のやつもな」
グラ「なんか重力女って重そう…」
何かくだらない事言ってるな
ただクラリタでもわからないのか。
ユラ「それで?結局のところあんたの目的は何なんだ。」
クラリタは目を細めて…こう言った。
「それは…ユラ、君の能力をもらう事さ。」




