第三十話 暴走
森の中…いや、もう何かがあったのか
森の原型をとどめていないか。
何もない大地と言っても過言じゃないその場に
敵も…仲間も倒れているその場に。
黒い火をまとった…ユラくんがいた。
グラ「ユラ…くん?」
ユラ「…」
何も言わない…どうしたんだろう…
そんな事を考えていると…
スッ…と右手を前に出し…
火を…放った。
グラ「何してるの!ユラくん!危ないよ!」
だか反応はない。
更にユラくんはいきなり飛び、火を放つ。
暴走、と言うやつだろうか…
倒れているアムに視線を向ける。
アムでも止められるんだろうか…アレを。
まず僕じゃ間違いなく止められない。
「グラさん、倒れている2人を。
ユラさんは我がなんとかしておきます。」
後ろから声がした。
振り替えると博士がいた。
そうだ、諦めちゃダメだ。
グラ「わかった!博士は…」
ドク「お気になさらず。ただ…すぐ戻ってきて
もらうと助かります。グラさんの力が必要なので。」
グラ「?…わかった。じゃあ頼んだよ」
僕の力が?なんだろう…
そう思いつつアムと…アムとユラくんが戦っていたこの子も移動させた。
名前ないんだったっけ…可哀想に…
ーーーーー
さて…あの暴走しているユラさんを我は
止められるか。
不可能でしょうな。
この地球上にあの状態を止められる人は
多分0に近い1でしょう。
…あの倒れていたどちらかがいれば…
いや、いまはアレを抑えなければ。
そう思い水を操る。
《水獄・練磨》
ユラさんの周りに水の牢を作った。
…が
ジュワッ…
あの周りがどれだけ熱いかがわかる。
水が一瞬で蒸発してしまった。
我はそれを「狙った」
その瞬間、とてつもない威力の爆破が
起こった。人の気配はないし大丈夫だろうと
思っての作戦。
水蒸気爆発を起こした。
さて結果は…
予想通り…こちらを睨みつつも空を飛んでいた
だが少しはダメージが入ったのだろう。
苦しみの表情を浮かべている。
とにかく彼を地面に落とさなければ…
グラ「博士ー!爆発起こったけど大丈夫⁉︎」
ドク「あぁ、あれ我が起こしたんですよ」
グラ「えぇ⁉︎どうやったの⁉︎」
ドク「今はそんな事を言ってる場合じゃ
ありません。グラさん。よく聞いてください」
グラ「は、はい」
ドク「あの状態のユラさんを止めるには…」
グラ「…うん」
ドク「抱きついてください。グラさんが。」
グラ「…は?」




