第二十三話 変態スライム
またそれから何ヶ月か経って
ある噂を聞いた。
なんでも…
もう使われていない学校からぴちゃぴちゃと
音がするらしく、取り壊すにも取り壊せない
らしい。
ちまたじゃお化けなんじゃとかなんとか
言われているが
ユラ「100%能力者だろ」
グラ「そーやって決めつける男の子は
モテないぞ、ユラくん。」
今回は俺とグラだけでその学校に行く事に
なった。アムは何故か「お化け」の話をした
途端「俺は…修行があるから!」といい
来なかった。
どうしたんだアイツ。
グラはグラで俺との行動を喜んでいて
「これはデートだね⁈」
とか言っていた。
どこの誰がお化け学校でデートするのである。
そして学校に着いた。
グラ「いざ着いてみると…雰囲気あるねぇ…」
ユラ「そうだな」
グラ「あれ、マユラにしなくていいの?」
ユラ「お化け相手にか?」
グラ「うーん…」
そんな話をしながら夜の学校に入っていく。
そのまま家庭科室、音楽室、などなど
歩いて行った。
グラ「やっぱドキドキするね!夜の学校は!」
ユラ「怖いのか?」
グラ「それもあるけど…」
けどなんだ、そう言おうとしたら…
水の手のようなものが襲ってきた。
とてつもない速さで対応できず…
そのまま掴まれ外に出された。
着地はなんとかなったが…
グラ「ユラくん!」
離れてしまった。
ユラ「…!おい!後ろ!」
だがグラの返事はなかった。
ユラ「くそっ!」
建物を燃やすわけにはいかない。
とにかくグラを探した。
ーーーーー
グラ「あー!もう!何!」
なんなんだアレ。
スライム?みたいなものが浮いている。
スライム「あーあー。聞こえてますかな?」
喋った。
グラ「うぇ!?喋った⁉︎」
スライム「落ち着きなさい。この体は私自身が
つくったただの抜け殻だ」
グラ「あぁ、そうですか。とはならん!
噂の元は君だね⁉︎」
スライム「噂?…あぁ、あの噂私だったんですか。…にしてもあなたどこかで…」
このスライム何が目的だ?
襲ってきたりもしないし…
悪い人じゃないんだろうか。
スライム「そう言えば最近連続少女誘拐事件
があるじゃないですか」
最近話題になってるあれだろう。
グラ「知ってるけど」
スライム「あれの犯人私です」
そう言ってそのスライムは僕の体に
くっつき
スライム「私、水なのでどんな形にも
なれるんですよ。なのであなたの隅々まで行けるんです。」
キモすぎる…寒気がした。
そう思い剥がしとり
グラ「《凝縮》」
スライムは弾け飛んだ。
凝縮は相手の全方向の空気を相手に押し付け
凝縮する。名前通りの技だ
???「はぁ…まさか我直々に出てくる事に
なるとは…」
奧から男が現れた。
???「さ、捕まってもらいますよ。」
そう言って大量の水の手を放ってきた。
これは…捌けない!
だか次の瞬間…
パリン、ドガァン!
とアムが現れ壁ごと突き破りグラウンド
に出ていった。
ユラ「アムを呼んで正解だったな…
屋内じゃ俺の能力は使いにくい…」
グラ「ゆ、ユラくん!」
ユラ「アムにグラが捕まったって言ったら
すっ飛んできたよ」
そう説明する彼に抱きつきギュッとした。
僕は彼が好きだ。
人間的にも異性としても。
ーーーーー
???「くっ…邪魔しないでもらえませんか?」
アム「よくもうちの仲間連れ去ったなぁ!」
そう言いそいつを殴った。
まだ能力になれていない様子だ。
???「ぐがっ…み、みずの恐ろしさを
味わえ!」
そう言い溺死させようとしてきたが…
アム「《レベル3》」
パンっと力をだし弾いた。
そこにユラもやってきて…
ユラ「アム、やるぞ」
アム「おうよ!」
そう言い同時に殴った。
???「がはっ…」
かなり派手に飛んで…倒れた。
グラ「よっしゃー!じゃあアイツ出すとこに出そうか!」
が…ソイツはすぐに立ち上がった。
俺ら2人の力を耐えたのか…?
技を使ってなかったとはいえ気絶くらいは
するだろうに…
???「ここは…グラウンド?
何故我は学校に…?というかあなた達は…
いや、失礼。我の名は水仙ドク。
名を名乗るなら自分から、ですよな」
なんだか様子がおかしい…
グラ「ほら、ドクさん。行くよ」
ドク「行く?というかあなた方は…」
グラ「とぼけるんじゃないよ…もう…
僕達を襲ったでしょ!」
ドク「襲うなんてとても!第一、我一般市民ですよ⁉︎何もできませんって!」
そう言い手を出した瞬間
水が出てグラにかかった。
ドク「ヒェッ⁉︎何故水が⁉︎」
なるほど…
ユラ「記憶がなくなっている?」
アム「お!相棒!俺も同じ事を考えたぞ!
なんだか紳士的になっているし…
そして俺思ったのだがドクとやら
水の能力なんだろう?仲間に入れれば十分な
戦力なんじゃないか?」
グラ「…………《凝縮》」
ドク「グアッ⁈」
アム「なんで俺も⁉︎」
ユラ「…グラ、濡れたのは後で俺が温めながら乾かすから許してやってくれ」
女は怒らすと怖いからな…
グラ「え、ほんと!約束だよ!
なら許してあげようかな!」
ユラ「さて…ドク、本気で俺らの仲間に
ならないか?」
ドク「わ、我なんかが力になるのなら。
それに我何かしたようですし…
償うためにもなりましょう!」
グラ「えぇー…」
こうして変態…いや、紳士的な水能力者が
4人目の仲間として加わった




