第十六話 最強のヒーロー
鉄のヤリがとんできた時はもう終わったと
思ったが、ユラくんが助けてくれたのか…
グラ「ナイスタイミングだよ、ユラくん…
じゃなくてマユラちゃん」
マユラ「どうも、で。あいつが元凶?」
グラ「そう。秋鉄アイ。一緒に倒せる強さだよ」
だが少しマユラちゃんは考え
マユラ「いや、グラは休んでろ。少し試したい技がある」
珍しく提案に思わず少し驚いたが
グラ「それって室内でできる?」
そう、今は書店の中。
火なんか使ったら今より大惨事だ。
マユラ「あぁ」
グラ「そうかそうか、なら頑張ってくれたまえ」
アイ「私抜きで何話してるんですかー?」
来た。わがままちゃんが。
マユラ「お前を倒す話さ」
アイ「人如きが生きた鉄に勝てるとでもー?」
マユラ「いいから。もう黙れ。」
《メガ・バースト》
その瞬間…
一気にマユラはアイとの距離を詰め
手を握りかためて、光の如くアイを守る鉄ごと
殴った。
アイ動かなくなり、同時に鉄も溶け
何もなかったかのように全て無くなった。
なんて…強さだ。
速く強く。
単純だからこその強さ。
こんな火力は僕には出せない…
ユラ「そんな事ないさ」
え?
ユラ「強くなんかない。グラの方が強いよ」
さっき「強い」と言ってしまっていたらしい
気づいたらマユラちゃんはユラくんに戻って
いて…
僕が強い?能力的に?それとも人間として?
わからないが迷いのない目は嘘をつかないと
断言していて…
ユラ「とにかく、こいつは俺に任せてグラは
被害者の元へ」
グラ「あ…うん、わかった。頼んだよ」
その後、書店の人や客は助かった。
みんな口を揃えて「ありがとう」と
言ってくるが、助けたのは僕ではないと
言う度、いや、貴女のおかげだと言っていく。
どうゆう事かさっぱりだ。
その後、落ち着いてきて、ユラくんと
2人っきりになった。
僕がさっきの疑問を考えていると…
ユラ「グラは人間的にも能力的にも優れて
いるんだよ」
グラ「でも…今回は身を守るばかりで…」
ユラ「確かにアイを倒したのは俺だ。
だが人や店を守り、助けたのは君なのさ」
グラ「どうして」
ユラ「グラの能力は空気を操る。俺の火とは
違い何か破壊する危険性もない。後気づいてないだろうがいつでも空気を変える能力が発動
しつづけている」
グラ「空気を…変える?」
ユラ「場の不安な空気を変えるのさ。
多分常時発動するんじゃないかな。
俺も今グラと話していてとても気が楽だ。」
気づかなかった…そんな能力があったなんて
ユラ「まぁ強いばかりがヒーローじゃないって事さ。倒すんじゃなくて守る。俺にはそんな事はできない。グラの方がよっぽど強いよ」
ユラくんは…ほんとに、もう…
ユラ「ん、え、泣いてるのか⁉︎
何かしたか俺は……」
グラ「あぁもう!空気を読んで!」




