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【最初の魔法使い】  作者: コトワリ
第3章 最悪の魔法使い
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第四十九話 反射

今までの私だったら負けていたと言っても過言じゃない。それほどまでにアルパは強い、というのもあるがよく私の能力を知られているというのが痛い。今までの魔警最強決定戦では基本ライちゃんがアルパを倒していたせいで中々当たることはなかったがまさか予選で会うことになるとは…。


アルパ「どうした?考え事か?」


聖花「降参しようとか考えてないから安心して」


アルパ「考えてくれてもいいんだぜ?がっはっは!」


アルパは勝ちを確信しているのか?…いや、ああやって笑う時は誰かを元気づける時だ。そして今元気づけたのは…多分自分自身。多分心の中では私にどう戦うか悩んでいたんだろう。


ウルウ「おー?こっちは聖花対アルパか。地味に初めてではないか?この組み合わせは」


李地「そうですね。これはじっくり見たいです。隊長はどちらが勝つと?」


ウルウ「どっちが勝ってもおかしくないじゃろうから…何とも言えんの」


このドームで一番大きなスクリーンに私たちが映し出されている。やりづら。


アルパ「それじゃあそろそろやろうか」


聖花「いいよ。」


そうしてお互い、地を蹴ってステージの真ん中まで一瞬で集まった。お互い純粋な殴りあうタイプの能力。小手調べも小細工もいらない。


アルパ「おらおらおらああぁ!」


聖花「ぐっ…はぁああ!」


アルパくらいだよ、私の能力に対してこれだけ殴りあってこれるのは。


「聖花リーダーの能力って『反射』じゃなかったのか?」

「そうだよな…アルパリーダーはなんで殴り続けられるんだ?」


今までこうやって公の場で戦ったことはなかったから観客や見ている選手たちから当たり前の疑問が出ている。


ウルウ「聖花の能力を詳しく知ってないとわからんじゃろなぁ…」


知ってても普通できないんだけどな


アルパ「くっ…」


さすがに殴り続けてアルパも手が痛くなってきたようだ。一度距離を取ってきた。


聖花「相変わらずのバカ力だね。」


アルパ「がははは!そうだろう!!?」


アルパは大きな声をだす。それが自身の強化になるからだ。


アルパ「さぁ、第二ラウンドだ!」


聖花「よし、来い!」


そして私たちはまた攻防を始めた。


李地「困惑している人に説明しましょう。聖花リーダーの能力『反射』は決して完全にそのまま反射しているわけではないのです。アルパリーダーの攻撃を100だとすると聖花リーダーが反射する力の割合はその90。お互いの力は相殺しあい上回った10の力が聖花リーダーに、という事が今起きています。聖花リーダーには言っていいと言われたのでご紹介しました。」


ウルウ「まぁ知っても普通90帰ってきたら吹き飛ぶから欠点ではないんじゃがな」


9割なんてほぼ10割みたいなものだ。それなのにアルパは吹き飛ぶどころか続けて攻撃してくる。さらにやみくもな攻撃ではなくちゃんと弱所を攻撃してくるから困る。全身に反射の能力を発動は精神的に疲れるのだ。


アルパ「ほっ!」


アルパは一度高く飛び、私の背後に立った。そのまま蹴りをしてきたが


聖花「よっ」


私は地面と自身の体を反射させ前に避ける。こんなのの繰り返しが続く。


アルパ「かぁー!中々良い一撃がはいらねぇな!」


聖花「入ってもダメージは10パーセントくらいだけどね」


アルパ「なら100回でも1000回でもやってやるよ!!」


そしてまた連打してきた。拳に合わせて反射させなければいけないからかなり疲れる。

そうなんだよなぁ。10パーセントでも10回くらったら一撃なんだよなぁ。そのせいで私の体には少しづつダメージが蓄積されていた。このままじゃ負けるな。

聖花「一旦距離をもらう」


アルパ「あげてやろう」


私は両手を合わせて反射のエネルギーを貯めていく。


聖花「リフレクター砲」


そのエネルギーを一気にアルパ向けて放つ。


アルパ「おぉおおおおお!!」


だがアルパは防御の姿勢で全力で耐えた。今がチャンス!倒せはしないが今は倒すことが目標ではない。このステージ上から出せば私の勝ちだ!


聖花「『反射』!」


そうしてアルパに一気に近づき手のひらをアルパに押し当て、その場からはじいた。


アルパ「ぐぉっ!?」


そしてアルパは場外に…


アルパ「ぐあぁああぁぁあああ!!」


聖花「へ?」


場外に…出たと思ったがアルパは大声を出して戻ってきた。いや自分でも何言ってるかわからない。でも大声を出したと思ったらアルパの大きな体がステージへ戻ってきたのだ。


アルパ「あ、あぶねぇ…汚ねぇぞ!場外なんて!」


聖花「今の何…」


体が浮いたのか?声の力で?


李地「今のは…」


ウルウ「脳筋ってのはあのことじゃな」


嘘じゃん…


アルパ「がっはっは!俺の声の前じゃこんなの朝飯前だぜ!」


脳筋と聞いて褒められたと勘違いされたのか見栄を張っている。まだぜーぜー言ってただろが。


聖花「はぁ…アルパには本を使わず勝ちたかったんだけどな。」


もうこのままじゃ打つ手ない。本を使わせてもらおう。


アルパ「お、いつ使うのかと思ったがやっと使いやがる気だな?!」


聖花「もう勝てる気ないからね」


私は本を開き、新しく手に入れた力でアルパに向き合う。本を手に入れたことでその反射の力は自分だけではなく遠隔で他人にまで付与できるようになった。正直仲間を守るだけかなと思ったが、決してそんなことはなかった。私は今…


聖花「今は勝てる気しかしないけど」


最強を名乗れる。


アルパ「そうかよ。なら俺も…」


そしてアルパは息を大きく吸って


アルパ「来いよ!聖花ぁあああぁあああ!!!!!!!!」


今日一番大きな声を出した。耳を塞ぎたくなる。


ウルウ「うっさい!」


李地「アルパさんの能力、『声力』はシンプルかつ強力な能力。声を出せば出すほど力が上がっていきます。今のアルパさんはだいぶ強いでしょう」


リーダーとリーダーの全力を、ぶつけ合う。


聖花「《空間反射》」


私は今までできなかった空間選択の反射を可能となった。私の前にあるすべての者。空気から何までをすべて反射し、逆に後ろの空間から私自身をアルパに向けて反射することにより速度を限界まで上げることができる。


アルパ「ふぅう…はっ!!」


それでも対応してくるのがアルパだ。これは反射神経とかではなくほぼ勘。それでも私の攻撃タイミングとほぼ合っているのだから馬鹿にできない。

だが、今は私の方が上だ。


聖花「《反射付与》!!!」


そして私は反射の能力を解除!


アルパ「なに!?」


単純にアルパの攻撃は私を弾く。私は攻撃をしていないのでほぼ私にダメージはない。そうしてこのできた距離から…!!


聖花「リフレクション砲!!」


攻撃後のアルパにノータイムで放つ。


アルパ「うおっ…うわぁああ!!?な、なんのぉ!!!」


自信の攻撃が通らなかった事実による困惑からのほぼ間のない隙をついたエネルギー砲。この二段構え…!!!それでもさっき見た。帰ってくるだろうよあんたは。

だから…


聖花「《空間反射付与》!!」


アルパの背中側に反射する空間を作る。これでアルパのバカみたいな力も無駄となる!


どさっ…


審判「アルパ選手、場外!勝者!聖花選手!」


その声と同時に私はそのばにへたり込み、周りからは大きな声が立ち上った。


「聖花リーダー!!!」「アルパリーダー強かった!!!」


声は…アルパと半々、か。はぁ…疲れた。


聖花「ふぇえ…」


そのまま私は寝転がった。


アルパ「くぅ…やったな!聖花!」


聖花「仕方ないでしょ、あんた相手には場外くらいしか思いつかないの。」


アルパ「はっ、褒め言葉として受け取っておくぜ…。かぁー!まけたぁあ!!」


終わった後でもうるさい…。でもまぁ…


聖花「いい戦いだった…ぜ」


アルパ「おうよ」


私たちはお互い拳を突き出し合わせた。

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