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【最初の魔法使い】  作者: コトワリ
第3章 最悪の魔法使い
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第四十四話 魔警最強決定戦

魔学校の潜入調査も夏休みにより一時休止。今だヒマルとエルが生徒の中で、まぎれているといった情報もなく前半が終わってしまった。さらにはエルとヒマルの合体した姿まで登場し、ますます手が付けられなくなっていた。まぁ隊長が何とかしてくれるらしいから俺は深いこと考えなくていっか!

そうして夏休みが始まったことにより、俺にも長期的な休息が…


ケルト「ライ、この書類頼む。」


ライ「了解。メクル、電話。」


メクル「わかった。ユラとマゴ、ちょっとこの件について読んでおいてくれ。」


マゴ「了解です。まとめておきますね。はい、ユラ先輩は半分やってください。」


ユラ「…」


始まることはなかった。学校で生徒としての役割がいったんなくなったのもつかの間。魔警備員という本業が忙しくなる。どうやら夏は能力者による犯罪や事故が多発し毎年魔警は忙しいらしい。理由としては学生が羽目を外してしまったり大きなイベントも多数あるかららしい。お祭り大国だなここは。


ユラ「こんなもんか…」


任される仕事を次々こなしていくと気づいたら太陽は俺を置いて帰っていく。こんな生活が夏休みが始まってから丸5日。始まったのは8月1日なので今は8月5日だ。気づいたらもうそんなことになっていた。

そうして今日も仕事がひと段落ついた。


ライ「ふぃー…疲れた」


メクル「みんなお疲れ様。僕はもう腕どころか肩が動かないよ。」


ケルト「マゴが寄りかかってるからだろ。」


マゴ「もう…雑務…やだ」


メクル「仕方ないさ。それに雑務以外にも救助依頼の任務に何度も行かされたじゃないか。」


メクルチームは結構魔警の中でも実力派なので任務関連も大量に任される。とはいえほかの仕事が減るわけでもない。隊長は平等に仕事を振ってくる。


マゴ「それはそうですけど…」


ユラ「まぁ…疲れるよな。」


俺が来たことによりだいぶ楽になったとメクルは言っていたが楽になってこの忙しさは元がどうだったのか…考えたくはないな。


メクル「そうだな…何か刺激でもあれば…」


その時、メクルチームの部屋の扉が勢い良く開かれた。


アルパ「おぅおぅお前ら!俺が来た…ってなんでそんな死にそうな顔してるんだ?」


ライ「アルパリーダー…今仕事終わったんですよ。」


アルパ「なるほどな!そりゃお疲れさん!」


この人の声は聞いてるだけで元気になる。うるさいだけではないのだ。


ケルト「それで…何の用ですか?」


アルパ「おう!今年も大会の時期が来たってのを知らせに来たのさ!」


メクル「そういえばもうそんな時期か…今年はいつなんです?」


アルパ「8月の7日だ!」


大会…?知らない話だな。


ユラ「大会ってなんだ?」


メクル「そうか、ユラは知らないか。魔警は毎年このくらいの時期に誰が最強か決める大会。『魔警最強決定戦・夏』をやるのさ。この大会はチームではなく個人で行われる。チームで競い合うのは冬に行われるんだ。」


ユラ「へぇ…」


最強決定戦か。丁度いい刺激になりそうだな。


マゴ「私は初めてなので楽しみです。」


ライ「お、マゴ参加するの?」


マゴ「ライ先輩はしないんですか?」


ライ「私はどうしよっかなー。今年はユラいるしやろっかな。」


アルパ「お、ライやるのか!楽しみだ!」


ユラ「ライは毎年参加しているイメージだが…参加しない時もあるのか?」


戦闘狂のライが参加しないとは考えられない。とはいえ参加したところで敵となるのは三大チームのリーダーくらいだと思うが。ライは強いからな。


ライ「一回優勝しちゃったからねー。」


ユラ「え、優勝したのか?」


ライ「うん?そんなに意外?」


だって…アルパさんとかリネだっているだろう。ライが強いとはいえ勝てるものなのか?


アルパ「まぁライは能力者ランキング8位だからな!妥当と言えば妥当じゃないか」


ユラ「へ?」


8位?


マゴ「知らなかったんですか?ライ先輩は珍しい属性能力の中でも最強と言われた『雷』の能力なんですから。」


ユラ「知らなかった…」


そんなに強かったのか…。一度戦った時は…いやでもまぁステージ4に到達しているやつなんてほとんどいないのか。


アルパ「それで、今年はメクルチームは全員参加でいいのか?」


メクル「まぁ出ようかな。修行の成果も見せたいしね。ケルトはどうする。」


ケルト「レイさんが出るなら俺もでる。」


アルパ「じゃあ決まりだな。聖花チームからは聖花、レイ、間木が出るらしいからな。」


間木ちゃんも出るのか。毎日訓練してるって言っていたしそりゃでるか。


アルパ「それと…一部部外者も出るらしいぞ。」


メクル「へぇ…初ですね。ちなみに誰なんです?」


アルパ「まだ全員は決まってないが…噂ではソウシのやつが出るとかなんとか…」


お茶を飲んでいたライが噴き出した。


ライ「けほっ…は?!ソウシさん出るの!?」


アルパ「らしいぞ。こりゃ今年の優勝はライではねぇな。なんせユラもソウシも参加してほかにもランキングに入ってるやつらや実力者が多く来るらしいからな。」


能力者ランキング一位が大会に出たらそりゃ一位なんじゃないのか


ユラ「優勝賞品みたいなものはあるのか?」


メクル「毎年ばらばらだけどあるよ。去年は李地副隊長の『お試し能力セット10選』だったっけ。」


ライ「それの時ももらったー。一時的に別の能力が使えるお札みたいなやつだったよ。ユラと戦った時にも使った。」


あれそうだったのか。とんでもない能力だった記憶がある。


マゴ「まぁユラさんの攻撃で消し飛んでいましたしユラさんにはいらないんじゃないですか?」


ユラ「いや、使う人によってはだいぶ強い武器に…」


ライ「私が使うの下手だって?」


ユラ「いや、なんでもない」


この殺気…あの化け物と同等の気配だ…


アルパ「ま、そういうことだ。それじゃあな。…あ、ユラ。聖花が後で部屋に来いってよ。」


そう言ってアルパさんは帰っていった。


ライ「おやおや?ユラくん?彼女さんにお呼ばれかな?」


ユラ「今日いっしょに飯食う約束だったんだよ。確かリネのおごり…」


ライ「おし!みんな!聖花リーダーのとこに行こう!」


そう言ってマゴを引っ張りながら聖花チームの部屋があるところへと駆け走っていった。」


メクル「まったくライは…新婚なんだから二人にしてやればいいのに。」


ユラ「結婚してねぇわ」


ケルト「びっくりだぜ…月に旅行行くなんてよ。」


ユラ「ハネムーンってそういう意味じゃないわ。…いやあと結婚してねぇから。」


そうして俺たちもライに続いて聖花チームの部屋へと向かった。


ーーーーーーーーーー


聖花「はい今日はユラのおごりなんでじゃんじゃん食べましょー」


ライ「わーい」


マゴ「わーい」


そりゃまぁ不機嫌になるよなぁ…

リネはメクルチームも来ると知るとめちゃくちゃ不機嫌になって俺に全責任を当ててきた。


ユラ「俺が悪いのか…」


ケルト「聖花さんにちゃんとかまってるのか?あの人寂しがりだからな」


ユラ「一応毎日会ってるぞ。というか部屋から出ると基本壁にもたれかかって寝てる。」


メクル「怖いなそれ…」


ユラ「毎朝心臓が飛び出そうだぜ…」


決して部屋に入ってこないので困っている。無断で入るのはダメだからと。いやなら俺がリネの部屋に毎朝くればいいというがあそこは隊長と間木ちゃんがいるから行けないし行きたくない。


聖花「私はプライバシーを守るからね。」


ケルト「守れてるかはギリギリだな。」


メクル「もっともだ。」


そんな感じで俺のおごりの夕飯は長く過ぎ去っていく。食いすぎだろこいつら短く過ぎ去ってくれ。

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