第十五話 わがままアイアンガール
青い空、綺麗な海
現在僕こと空理グラは
拠点(空き家)で最近の情報整理中
右手にはまんじゅうを持って。
まんじゅうってなんでこんな美味しいんでしょう。丸く可愛く美味。人間はつくづく天才です。だからこそ守りたい。
先日ユラくんから謎の鎧の怪物がいたと
聞きました。丁度ユラくんが見つけたから
いいですが野放しにされたらどうなったか…
グラ「あ、今日漫画の発売日じゃん」
情報整理もまんじゅうも食べ終わった僕は
大好きな漫画「きみと黄身」を買いに行った。
何故か人気がないのです。
あんなに面白いのに。
書店に着いて目を丸くした。
グラ「…これは…」
大量の鎧が書店を埋め尽くしていた。
グラ「なるほど、この子達か」
ユラくんの証言と一致した。
店員や客の姿がない。
とにかく一旦隠れて…
僕の能力は「空気」
その気になれば空気みたいに存在を消せます。
ユラくんに連絡をしといて…
グラ「さ、良いことしちゃいますか」
と鎧達の前に現れた瞬間
鎧が一斉にこっちに顔を向け、襲ってきた。
やっぱり。
ユラくんが気づいてて良かった。
こいつら聴覚が皆無だ。
目を頼りにしてる。
手を前に出し
空気を操る
僕は空気を飛ばし…いや、空気を殴り
相手に衝撃を与えられる。
見えない衝撃波みたいなものが
発射されている感じだ。
どんどん鎧を倒し、書店の奥へ
???「誰ですか…テメェ」
何やら不思議な女の子が。
周りには客や店員が捕まっている。
顔馴染みの店員がこちらを見て助けを求めてる
口を塞がれているな…だがアレは…
テープじゃない…鉄?
グラ「悪い子だね、もしかして書店の
本を全部盗もうとしたのかな?」
???「ちげぇし…買いたかった本が売り切れてブチギレただけだし」
なんだろう、能力を使う子はみんな子供っぽい
でも…この子はあの穴の子より要領がある?
グラ「じゃあ他の書店に行けば良いじゃないか?」
???「ここじゃないといやなの!」
前言撤回、子どもだ
???「てかテメェだれなんですか!」
グラ「あらら、僕とした事が。失礼しました。
僕は空理グラだ。君は?」
???「なんで私の名前言わなきゃなんでーすかー?」
グラ「聞いたからには自分も言わなきゃ」
???「テメェの考え押し付けないでもらえませーん?」
グラ「はぁ…めんどくさい子だな」
???「はぁー?てか私の場から出ていってもらえません?」
グラ「君の場じゃないから」
さっさと気絶させてしまおう
そう思い空気の衝撃波を出した。
が…
ぼがんっ…
???「こんなので私の鉄が壊せると?
この秋鉄アイの鉄を!」
名前言ってくれましたな。
いや今はそんな事じゃくて…
鉄か、能力は。
困った。僕の能力じゃ中々難しい…
アイ「ほら、やれ。鉄軍団」
後ろに鉄の鎧がある事を空気の揺らぎですぐに気づいた僕はパッと横に避けた
…まずい。
打開策がない
やれる事を全部やってみるか。
まずは上から…いや、建物だ。
壊しちゃいけない。
一旦撤退だ
アイ「逃すな!」
僕は空気の衝撃波しか攻撃手段がない。
飛んだり行動面が優れている能力だ。
さてどーする…
などと考えていたら…
グラ「はは…困ったな」
行き止まりだ。
ジリジリと寄ってくる鉄の鎧
逃げれない…
その時、少し前の記憶を思い出した
〜〜〜〜
ユラ「イメージが大切なんだ」
グラ「イメージ?」
ユラ「そう、大抵の事なら案外できちゃうんだよ、俺ら。こう、変装できたりね」
〜〜〜〜
そうか…イメージか。
…そうじゃないか、鉄にとって空気は「弱点」
じゃないか。
空気の巡りを鎧の周りだけものすごい速さにした。…酸化させて動きを止めてやる。
そう思った瞬間。鎧が時が止まったように動かなくなった。
…だが、気が緩み近づいてきている秋鉄アイが投げた ヤリに気づかなかった。
グラ「あ…」
こんなとこで…
パシッ…
…あれ?当たらない?
目を開けるとそこには…
「危なかった…大丈夫か?グラ」
赤髪ロングの可愛い女の子が立っていた




