第三十四話 勉強できると思うなよ
休日が終わり、そろそろ学校が始まった。昨日リネと一緒に寝たせいで全く寝れなかったから今日は全時間睡眠コースだな
聖花「そろそろテストだね」
とてつもない情報に俺は顎が外れた
ユラ「て…テスト…」
聖花「うん。知らなかった?筆記と実技。実技の方は確か一般魔法のレベル6の取得だから問題ないけど…」
ユラ「筆記、だよな。」
俺は本気で勉強ができない。自慢だ。もう一周回って自慢である。
聖花「教えてあげるよ、安心しな」
ユラ「リ、リネ…!!!!」
神様っていたんだなぁ
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学校に付き、テストという事実により少しは勉強しようと思っただけだった。
ガンテン「これが10年の間の…はぁ、クロさん」
聖花「ゆ…クロ君。起きてよ。変身解けかけてるよ」
クロ「…はっ!す、すいません…」
あぶねぇ、ちょっとユラになりかけてた。ユラりてた。
ガンテン「クロさん、寝てたバツとして問題です」
クロ「え」
ガンテン「ここの問題式をグラフにした時のこの点の部分を答えなさい。」
クロ「…」
終わった、全くわからん。
リネ「…ん」
ノートにさらさらとリネが答えを書いてくれている。
…頭が上がらねぇ
俺は答えを言ってその場を乗り過ごした。
授業が終わった後、リネが俺の机の真ん前に立ってにらんできた。
タク「せ、聖花さんどうしたんですか…クロがびびってますよ」
テンス「最近彼氏ができたって噂だったがどうしたんだ…」
俺にもわからないんだが。
ケイキ「そういえば知ってるー?聖花さんの恋人」
タカナ「せめて本人がいないときにしなよ…」
フミ「でもまぁ有名な話だしね。結局どうな…」
女性陣は聖花の突然の行動に今気づいたようだ。
クロ「えっと、はい。」
聖花「ここ、こことここ。覚えて」
クロ「はい…その、どうしたの。突然」
聖花「…後で言う。今はとにかく覚える内容覚えて。」
クロ「了解です」
なんかやったっけ俺…。さっきの授業で答え見せてもらったのが悪かったのか?
その日は授業が終わるたびに何かしら別の授業をされた。リネに。
休んでる気がしなかった…
ニャム「くろー生きてるー?」
途中リネが用事でいなくなってるときにニャムが声をかけてきてくれた。
クロ「ニャムか…。正直死にかけだ」
ニャム「僕は勉強できるから、教えてあげられるよ」
意外だ。そして一瞬ニャムに寄りそうになったが抑えた。でもリネの教え方は乱暴だがちゃんとわかりやすく要点を教えてくれている。それになんだか必死なように思えるのだ。
すごく申し訳ない
クロ「うれしい話だがいいよ。ニャムには今度教えてもらうよ」
ニャム「うい」
聖花「ニャムさん、クロ君の邪魔しないでください」
ニャム「うへぇ…」
ニャムがへろへろと帰っていった。救世主、すまん。
その後も教えられ、学校から帰り寮に行ってもリネは突撃してきて教えてきた。途中にレイさんが電話してきたがそれすら断って教えてきた。もうここまでくると俺も嫌でも覚えていく。
もういい時間になるころ、俺は優等生に近くなったと言っても過言ではないのでは?!レベルになったと思う。いやマジで。
ユラ「リネ、俺が勉強できないからってここまでしてもらって…。テストもまだ一週間はあるぞ?」
聖花「…つかれた。…ユラ、知らないだろうけどさ。」
なんかすごい前置きを作りだしてきた。なんだ…このテスト逃したら退学とかか?
聖花「今回の夏休み、テストの点数が低かったらほぼ補修なんだよ!!!!」
ユラ「…え」
聖花「そしたら…そしたら夏休み遊べない!祭りも…プールも…!」
なんだ、思ったより重い話じゃないじゃん
聖花「今、思ったより重い話じゃないじゃん、って思ったでしょ」
ユラ「げっ…」
聖花「一緒に遊びたかったの…」
…かっ…わ…い…
俺はその可愛さに倒れた。ほんとに。
聖花「ユラ!?ど、どうしたの」
ユラ「…可愛かった」
聖花「!?」
リネはそんなこと言われ慣れているだろうに照れていた。なんだこの可愛い子。
てことで俺は頑張った。リネを悲しませないために!!!
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そしてテスト当日。ちょっと頑張りすぎた。
タク「おい、クロ。学年85位は低すぎねぇか…赤点ではないみたいだけど…」
クロ「頑張ったからな」
え?リネの補習?その日に落ちてったよ?」
聖花「ユラ君、ちょっとキライ」
小声で耳打ちしてきたリネの顔はもう呆れてた。
クロ「…ゴメンナサイ」
聖花「はぁ…罰として一緒にお風呂ね」
クロ「それ罰!?のぼせて死ぬからやめて!?」
テンス「クロ、顔赤くしてどうした?」
ガザル「順位の低さにイラついたんじゃないか?」
クロ「そこまで心狭くねぇよ…」
俺の夏休みは守られたが、命の危険はありそうだ。
そうして、ついに夏休みが…!
ライ「点数確認したかー?午後から実技のテストだぞー!」
びっくりしたが俺には関係ないことを思いだした。もうステージ10まで取ってるからな
ライ「おい、ユラ」
帰ろうとしてるとライが近づいてきた
クロ「はい?」
ライ「ステージ10取ってたよね?」
クロ「あぁ、とってるけど…」
ライ「暇だよな?」
クロ「まぁ…」
嫌な予感がする。
ライ「せっかくなんだし、一位と戦ってきなよ。ちょうど来てるんだよ。」
…嫌な予感がすると思ったが、想像より熱い展開が来た。
一位との闘い…!この次期の中での最強と手合わせできる。
俺の立場を理解するチャンスだ。
ライ「勝たないと実技0点だから」
クロ「いやいやいやいや…」
その後
タカナ「聖花さん一位じゃん!…なのになんでそんな機嫌悪いの」
聖花「…クロ君が85位」
フミ「あんなに教えられて85位…」
聖花「鍛えなおす」
タカナ「あんまりほかの男の子についちゃうと彼氏さんが傷ついちゃいますよ?」
聖花「いーの。私の彼氏優しいから」




