第二十四話 ドッジボール大会最終日(2)
そうして始まったドッジボール大会三日目、優勝者チーム対魔警の最強チームのエキシビションマッチ。その名の通り魔警の最強に勝てるか?というイベントマッチのようなものだがその挑戦を受ける俺達メクルチームも戦う優勝チームも本気でやってくる。
司会「さぁ!最後のマッチ!どれだけの盛り上がりを見せてくれるのか!?」
ボールは一組からだ。それくらいのハンデは別に関係ないだろう。
一組のメンバーは一回戦、二回戦で活躍したやつらが勢ぞろいしていた。
クラスのリーダー、タク
その相棒、テンス
アタッカー、タカナ
無限の力、ガザル
補助、守りのフミとダン
防御特化の黄白
絶対当たらないニャム
オールラウンダー、ドラ
そして最高戦力、聖花
隙のない、最強ともいえる面子だった。
対してこっちは
5属性を操るマゴ
雷使いのライ
そして俺
人数差を大きく埋める能力の差。正直負ける気はしないのだが…
司会「お!ここで一組!仕掛けた!」
タカナ「おら!」
鬼の力強さで俺たちにボールを投げてくる。
ライ「お、はやいはやい!」
そんなボールを軽々ライはとった。
タカナ「嘘っ!?本気だったのに」
タク「あっちの方が鬼だな」
テンス「あぁ、全くだ」
ライ「なんだって?」
その言葉でタクとテンスはフィールドの奥の方へ逃げた。
マゴ「ライ先輩怖いですよ」
ライ「マゴちゃんまで!?」
マゴの言葉で落ち込んだライの代わりに俺はライのボールを取った。
ユラ「よし、やるか」
俺は空気の能力で圧をかけて、一気に放つ。
ニャム「ぎゃっ!?」
そのボールは絶対当たらないはずのニャムに当たった。
ガザル「なっ!?なんで当たるんだ?!」
ニャム「そんなバカな…」
その出来事に戦っている俺達以外のギャラリーも思わず声が出た。
司会「これはいったいどういうことだ!?『絶対回避』が当たっただとぉ!!??」
能力数による格差。これによりその能力の特色はなくなる。すこし大人げないがな
ライ「え、今どうやったの」
ユラ「ひみつ」
司会「新生ユラ!まさかの強さだ!これは一組勝てるのかっ!?」
ウルウ「まぁ特殊ルールで勝とうとしていたっぽいが…ユラの前では無意味じゃのう」
司会「そうでした!この特別試合!学生の皆さんには特殊ルールが適用されています!それはなんと時間以内に一人でも生き残っていれば勝ち!とんでもないハンデだがニャム選手がつぶされた以上これも厳しい!」
タク「くそっ…そんなんありかよ」
ドラ「一筋縄じゃ行かないな、さすがに」
ガザル「なんにせよ…守っててもダメだ!攻撃しなきゃ!」
フミ「そうだね…補助はするから!ね、ダン君!」
ダン「……あ?、あぁ、そうだな。俺らが守る」
テンス「頼りになるね」
チームを立て直したようだ。それからガンガン攻撃してきた。正直マゴはフィジカルがそこまであるわけではないので何回か当たってしまっているが…
司会「おおっと!マゴ選手またまたヒット!だがぁ!?」
ライ「ほい」
司会「雷の速度では無意味!!!」
ライ「ふっふっふ…くらえ!」
ライは雷の速度でボールを投げる。そんな出たらなボール、とれるわけもなく…
タク「ぐはっ」
テンス「げふっ」
主力の二人が当たった。
ライ「じわじわと行きますかね」
ユラ「鬼だな本気で」
ライ「いいよもう鬼で…」
変に落ち込んだ
司会「さすが雷神のライ!最強!天才!美人!あらゆる方面で憧れている存在!」
そんな司会の言葉でライは元気を取り戻した。
ドーピングだな。
ライ「おりゃりゃりゃ!」
一組の投げたボールが成すすべなくライによって返される。
フミ「きゃっ!」
だがあったったのはフミだけ。いや、当たりは何回かしているのだがダンがとったり黄白がうまく守ったりと結構うまくやっている。
司会「さぁ残り時間はあと2分!いきのこれるかぁ!?」
聖花「そろそろ私がやりますよ」
ドラ「助かる…すまない」
聖花「いえいえ、どうせなら楽しみたいですし」
そうして聖花が前に出た。
ライ「おおっ…聖花さんでてきちゃった…」
ユラ「俺がやろう」
司会「ついに、ついに聖花リーダーが来たぁ!ここで大逆転なるか!?」
聖花「ふっ!」
そうして聖花はボールを投げてきた。
ユラ「ぐっ…!?」
とんでもない威力。受けきれ…!?
ユラ「くそっ!」
俺は炎を出してボールを受けきった。
ユラ「あ、危なかった…」
司会「ほ…炎の能力!?!?それってまさか!?」
そうして司会は隊長の方を見る。隊長は俺の方を見てきた。
ウルウ「いいか?」
ユラ「まぁもういいですよ。」
二つ目の顔ができたからもういいだろう。
ウルウ「あいつは最初の魔法使いじゃ。伝説のな」
隊長がそういった瞬間、その場は一気に湧き上がる。いや、湧き上がるなんかじゃ生ぬるい。まさに火山。噴火のような声が周りを覆った。
「マジかよ!?」「死んだんじゃなかったの!?」 「なんでメクルチームに…」
司会「これはまさかのカミングアウト!学生が絶望的だぁ!」
タク「絶望どころじゃねぇよ…」
フミ「うそ…」
ガザル「これは…」
絶望を通り越して一組はなんかもう尊敬みたいな目で見てきている。
二人を除いて。
ダン「でも、やらなきゃだろ」
聖花「そうですよ、見せてやりましょう。最初の魔法使いなんか倒してしまいましょう!」
その言葉に他の八人は勢いづく。
ガザル「そうだな…やってやるか!」
タカナ「負けてらんないね…」
そうしてまた攻撃が始まる。こっちは基本ライと俺が攻撃。外野からの攻撃にはマゴが対応した。
意外とマゴはなんでもできる。
マゴ「はぁはぁ…私しんどい…」
ライ「そう?じゃあ交代」
マゴ「…休ませてくれないんですね」
マゴは前にでて、二つの違う属性を混ぜ合わせる。
ユラ「それ使うのか?」
マゴ「もうさっさと終わらせます」
マゴはその矛盾をボールに乗せた
マゴ「バグスト!」
その威力は絶大だった。だが能力調整はメクルチームの中でもかなりうまい。一気に五人落とし、けがなく倒してしまった。
マゴ「さすがに聖花さんには当たらないか…」
聖花一人残り、時間はあと30秒。
司会「さすがにこれでは聖花リーダーもきつい!これで終わりかぁ!?」
ユラ「終わりだ、聖花」
そんなもんだったのか?お前の本気は…
すこし残念に思いながらも俺はそのボールを聖花に向けて投げた。ただのボールではない。風、重力を乗せた高速のボール。とれるとは思っていなかった。
聖花「ふふっ…」
笑ったかと思ったら…聖花はそのボールを
聖花「…」
突然現れた剣で切り刻んだ
ユラ「なっ…!?」
その剣は…見覚えがあった。
聖花?「…終わり」
その瞬間、聖花の体からすさまじいオーラが飛び出し、その場にいた全員を襲った…
半ば無理矢理




