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【最初の魔法使い】  作者: コトワリ
第3章 最悪の魔法使い
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第十八話 能力ドッジ二日目(2)

昨日の試合とは大きく違う大きな声、声、声。期待で挑戦を見ているんだ。誰だって興奮する。


聖花「さて…ユラくんがつなげてくれたんだ。がんばろ」


ツル「ん?聖花さん何か言った?」


聖花「…頑張りましょうって言いました」


ツル「…!うん!頑張ろうね!」


真顔の嘘で私は試合場のグラウンドに並ぶ。


司会「さぁさぁ、皆さんお待ちいたしました!これから魔法ドッジボール大会決勝戦を始めていきます!皆さん大変お待ちでしょうがもう少し時間をもらいたい!ですが落胆しないでください!皆さんの時間をこの方はきっと素晴らしいものにしてお返ししてくれるでしょう!では、解説のウルウ隊長です!」


司会がそう言って、隊長が出てくると多くの声の種類が変わる。待ち遠しい興奮にあふれた声からその勢いと覇気にやられてような声に変化する。


聖花「…だめだ」


やっぱり一緒に過ごしている以上威厳が見えないなぁ…。尊敬はしているのだが。


ウルウ「おっほん…ハードル上げすぎじゃ馬鹿者め…」


隊長がマイクを持って少し照れながらも前に出る


ウルウ「あー…今日来ていただいた皆さん。期待には沿えていますかの…先生の方々、ちゃんと生徒は活き活きとしていますかね…。」


すこし下からな感じで話していく。でも誰も落胆はしない。だって…


ウルウ「それで…決勝戦に参加する生徒、我々大人が見ている。頑張るのじゃぞ」


その瞬間に限りなく似合う言葉をしっかりわたしてくれるのだから


司会「ありがとうございます!おかげで会場は大盛り上がり!私もテンションが上がってしまいました!

それでは、決勝戦一組対三組!先にボールを持つのは一組です!では皆さん位置について…」


さて、やってやるか


司会「スタート!」


そうしてボールは解き放たれる。


二回戦のメンバーはガザルとフミが決めた。

いつもふわりと雰囲気を甘くするケイキ

ユラ君とよく話している木京ツル

鉄を操れるが重量制限のある「金属操作」を使う圭島(けいじま)ラタン

龍の力を持つ運動神経のいい仲間思いのドラ

回復の能力が使える優しい子、ルカ

針を操れるちょっと暗い女の子、弥生(やよい)アオサ

音を操るうちのリーダー、タク

タクを操り嘘を見破るクールなテンス

謎の…というよりかはただ自分の自己紹介がめんどくさいだけのニャム

そして私、聖花


ニャム「ま、僕いるから。安心してよ。聞いて驚け、僕の能力は・・・ 」


タク「もうはじまってっから!?」


そうして試合は始まる。


ドラ「おっし!みんなの事は俺が守る!」


タク「了解!俺が攻めるぜ!テンス!行くぞ!」


テンス「おーよ」


タクが意気込み勢いよく相手にボールを投げる…が


帆宮「そんなボールじゃ簡単にとれちゃうよ」


割と結構速かったボールを帆宮は軽々ととる。


テンス「タク!帆宮には能力使えって!」


タク「小手調べだっての…わかってるよ」


そう言ってはいるがタクの顔には少し陰りが見える。多分能力使ってるんだろう。軽くだろうけど。

音の圧で加速させていた。この年にしてはかなり能力を扱えている。


神山「さぁ!帆宮!やってしまえ!」


帆宮「言われなくてっ…も!」


帆宮の投げるボールはとんでもない速度、そして読みにくいカーブがかかって私たち一組に襲いかかる。


甘味「きゃっ!」


ツル「あっ…!」



ケイキさんと木京さんに当たった、がボールはうまく上に弾んだ


ドラ「へっ!これなら簡単に!」


そう言ってドラは背中から生やしてそのボールが地面に落ちる前に取ろうとする。龍の能力は普通に優秀だ。いつか魔警でチームのリーダーでもおかしくない


そんな誰しもが予想できた未来が目の前で覆る


帆宮「あまいね」


次の瞬間ボールがあり得ない動きでドラを避け、ドラにしっかり当たってから地面に落ちる


ドラ「なっ!?」


神山「へっへーん!見たか!うちのエース!」


帆宮「あんたが粋がってどうすんの」


タク「強すぎるな…」


ドラ「すまねぇ…」


タク「いや、大丈夫だ。ボール送ってやっからさっさと復活してこい」


ドラ「おう!甘味と木京も悪い」


甘味「いやうれしかったよ!」


ツル「そうですよ!まだまだ時間はあります!」


そう言って三人は外野へと言った


司会「そう!この不思議な動きをするボール!このボールによって三組は一瞬で半壊してしまいました!ウルウ隊長、あれはいったい…?」


ウルウ「帆宮といったか。あいつは能力が強すぎるからの。そりゃそこら辺の能力じゃ勝てない。なんてってたって伝説級の能力じゃからの」


隊長がそう言うと一般の人たちが驚きの声を上げる。生徒の私たちはその噂は聞いたことがあったからそこまでの驚きはないが…


ウルウ「『仮初(かりそめ)』の能力。自分の体をどんな形にも仮初の姿であらわすことができる。はっきり言ってチートじゃな」


言ってしまえばどんな能力にでもなれてしまう。さっきのボールも「不思議なボールを投げられる人間」とかにでもあらわしたんだろう。


ウルウ「じゃが…魔警の三大リーダーが参加してるんじゃ。どっちかと言えばチートなのは一組じゃろ。なぁ?聖花」


聖花「はぁ…人の事チート呼ばわりしないでいくださいよ。」


そう言って私は前に出る。


聖花「ボール貸して」


タク「あ、はい」


そうして私はボールを構えて、「軽く」放つ。


まるで大砲。そんな威力のボールが三組を崩した。


司会「さ、さすがすぎる!シンプル、だがパワフル!『反射』の能力が火を吹いているぅ!三組!一気に四人アウトだぁ!」


客席からは盛り上がりの声が大きく響いた


ラタン「マジか…」


テンス「まぁ…これくらいやってもらわなきゃな」


それにしても…


神山「みんな!おそれるんじゃない!まだ負けていない!それに…」


神山はわざわざポーズを変えて


神山「ここで勝てば僕たちはかっこいいぞ!」


そうして神山はチームを鼓舞する。帆宮ほどではないが神山の能力、『カリスマ』も結構厄介だな。

まとめ上げられる能力。複数人での行動では必ず必要になる。


帆宮「神山、ありがと」


そう言って帆宮は能力を使い力を変える。


帆宮「はぁ!!」


聖花「…!」


次の瞬間、私の体は動かなくなった


ラタン「聖花さん!?」


アオサ「こ…これは…」


外れない…すごい力だ


ウルウ「ほぉ…聖花を止めるか」


司会「試合時間半分を過ぎてまさかの三大リーダー聖花が封じられた!?」


だが…どうやら動けないのはあっちものようだ


帆宮「私も動けない!だれか今のうちに聖花さんを!…ユイ!」


ユイ「りょーかい!」


ユイと呼ばれた子が私に向かってボールを投げる…が


タク「やらせるか…熱っち!?」


タクが私を守ってくれたがすぐに手を放してしまった。


ラタン「ちょっ!」


とっさにラタンが鉄を操り拾ってくれた


ユイ「あらら…『加熱』の能力は初見が一番なのに」


帆宮「しゃあない、切り替えてこ」


ユイ「らじゃ」


タク「そういうことかよ…」


火傷してしまった手を回復能力のつかえるルカが治している


アオサ「これはまずいですね…」


両者主軸がなくなってしまった。

そこからは両チーム能力を駆使ししつつ私と帆宮を守りながら進んでいった。


ラタン「くっ…!」


テンス「あっ!…タク、すまん」


ルカ「わっ…」


三人がアウト。残りはタク、アオサ、ニャム、聖花の四人

だが相手もかなりの痛手を与えられた。


タク「うぉぉ!ボイスレーザー!」


空気を震わせ動きを鈍らせたところをテンスが的確に当てて行ったのだ。

おかげで…


神山「ぐわぁー!」


ユイ「あっ…!」


と、強かった二人、さらに二人を落とすことができた。

三組は残り二人だ。


司会「さぁ!残り時間は一分半!一組がリードはしているが!?」


そこで私の束縛は外れた


聖花「おっ」


タク「え、聖花さん動ける!?」


帆宮「ちょっとピンチだからね…」


ボールは今三組のもう一人の手の中に。


帆宮「決めちゃって!アマラ!」


アマラ「おぉ!待ってたぜ!」


アマラと呼ばれた男がボールを投げる。その速度は…


司会「み、見えない!?ボールが消えた!?」


次の瞬間、タクが見えない何かにやられた


タク「がっ…?!な、なにが!?」


帆宮「私のボール操作、そしてアマラの能力…『無限速』の合わせ技よ!終わりなさい!」


無限のタイプの能力!?今年はどうなってるんだ…

特級の能力が二つも…

無限の速度が加わったボールは縦横無尽に試合場を駆け回る。


聖花「リフレクター」


私は届く範囲に反射のバリアを張った…が


アオサ「せ、聖花さん!ニャムちゃんが…!」


聖花「入らなかった…」


届かなかったのだ。これでは二対二で引き分け。

最後の最後でやってしまった。まさかそんな切り札があるとは…


ビーーーーーーーーッ!!!


ブザーが終わりを告げた。それに合わせてボールも速度を落とし、地面に転がる


司会「これはいったいどっちが…聖花リーダーと弥生さん、対して帆宮さんとアマラさん…ということは…!?」


あーあ…負けはしなかったけど勝てなかっ…


ニャム「おい!!」


その場にいた全員が声の方を見る


ニャム「僕当たってないぞ」


帆宮はありえないと言った顔でニャムに抗議する


帆宮「そ…そんな馬鹿な!あんなめちゃくちゃなボールの中で当たらないわけ…」


そうだ、当たらないわけない。よけられないでしょ、あんなの。


司会「今、ビデオ判定が終わりました!」


ビデオあったんだ


司会「ど、どうやら当たっていません!いったいこれは…!?」


客席や生徒から驚きの声が上がる。


ニャム「僕能力『絶対回避』だよ?当たらないっての。」


ウルウ「ほう!絶対系の能力がいたのか!?これは面白い…」


司会「と…いうことは…勝利したチームは一組!絶対回避とは!ドッジボールでは明らかに強すぎる!!」


司会の興奮した声につられその場の全員が声を張り上げた


「ずる過ぎんだろ!」 「やっぱ聖花さんつぇー!」


 「一組強いなー!」


二割くらい私のコメントだな…


帆宮「ま…負けたわ…。そんなの勝てないじゃない」


神山「まぁ帆宮も頑張ってたよ。お疲れ様」


帆宮「…ありがと」


三組…中々強かったな。まさか私が封じられるとは


木京「聖花さーん!やったよ!」


聖花「おぉう…そうですね…!頑張りましたね、木京さんも。」


木京「私なんにも…あれほんとになんもしてないな…」


突然すっごい落ち込みだした木京さんをなだめながらも今の感情をかみしめる。


聖花「青春だなぁ…」


明日もあるのに私はなんだか終わった感じを出していた




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