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【最初の魔法使い】  作者: コトワリ
第3章 最悪の魔法使い
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第十二話 大臣

ユラ「能力者ランキング一位…!?」


真「うん。我ながらすごい人に巡り合えたよ。ありがたい運命に出会えてよかった」


能力者ランキング…いまいちその基準がわからないしランキングのやつと戦ったことがないからその一位がどれだけなのかは正直納得できない。ただ真が認めたんだ、きっと強いんだろう


ユラ「そういえば真は今何してるんだ?魔警は隊長がもう統率してるし…」


真「私?私は今能力判断師やってるよ」


ユラ「…は?」


真「聞いたことない?もう帰ってきてからだいぶ経ったでしょ」


ユラ「聞いたことはあるが…まさか真だとは」


真「ふっふっふ、すごいでしょ。まぁその能力が宿ったのは割と最近なんだけどね。元々能力持ってたからさ。まだあんまりいないけど本無しでも能力を複数持てるタイプだったんだよね。運がいいですわ。我ながら。」


ユラ「へぇ…ちなみに元の能力は?」


真「『結界』って能力。あらゆる結界を作れるの。さっきユラ達止めたの覚えてないの?あれも結界の能力を使ったんだけど」


記憶を探るが覚えていない…。いきなり戦闘が中断されたのは何となく覚えてるが。

結界か…戦闘面ではあんまり使えなさそうだがサポート系の能力でこれ以上のものはないだろう


ユラ「覚えてないな。」


真「まぁ物覚え良いほうじゃないしね」


ユラ「んだと?」


そういうと真は昔と変わらない笑い方をした。さすがに大人になったからか声が低い気もするがそれでもその声だけで真と判断するには十分だった。…物覚え悪い割には真の声は覚えてるもんだな


真「次はユラの話聞きたいんだけど。…まぁあらかたウルウから聞いてるけど細かいことは知らないしね。…あの子。白い髪の子の話も聞きたいし」


ユラ「…あぁいいぞ。」


そう言って話始めようとすると真のポケットから音が響く


真「あちゃあ…もうか」


ユラ「どうしたんだ?」


真「いや私、能力判断って中々珍しい能力だからあんまり外自由に出歩けないんだよね。毎日能力見なきゃいけないし。割と奇跡だったんだよ?今日。一日とれたの。」


ユラ「そうだったのか。親子そろって仕事に追われてんだな」


真「その代わり旦那さんは自由人だけどね。今どこいるかわかんない。今度会えたら可愛い奥さんが待ってるぞって言ってくれない?」


ユラ「ま、会えたらな。こっちは顔も知らないんだから」


真「なんかユラは会いそうだけどね」


笑いながら真はそう言い、屋上の玄関に向かう。


ユラ「じゃあな」


真「うん、久しぶりに話せてうれしかったよ。また話そ」


ユラ「お前に時間できたらな」


真「うるさいやい。作るよ、頑張って」


そうして真は足音と共にいなくなった。…まさかまた会えるとはな。今でも信じられていないような感覚に襲われる。80年という歳月が過ぎても、出会えた。


ユラ「それに…真とウルウは実質不老不死みたいなもんだろう。俺がついてなきゃな。」


と思ったがなぜかあの二人に勝てるビジョンが見えない。なんでだろうか。

というか最近自分の力のなさが少し見えてきた気がする。いや、自分の強さの立ち位置に気付いたといったほうが正しいか。どうも情報が入るたび俺より強いやつが多い。能力を大量に持ってるから今俺は頭一つ出てるだけだ。炎の能力だけではきっとそうでもないのだろう。能力を極めるだけではなく…そろそろ使い方を変えたりしたほうがいいのかもしれないな。

そんな思考を朝日が遮ってきた。時計を見るともう7時。普段なら起きてる時間だな。


俺は屋上から出て、メクルチームの部屋に向かう。今日と明日は俺が部屋で過ごす担当だ。基本的に誰か一人はいなければいけない。ただでさえメクル不在、ライ仕事優先なので俺とマゴとケルトで回さなきゃいけない。しかも動ける人数がきっちり三人いるので働かなくてはならない。俺は学校があるから土日だけだがケルトとマゴは二人で五日間だ。だいぶ苦労しているだろう。


そうして部屋の前に着くと何やら声が聞こえてくる。廊下まで聞こえてくるような大きな声ではないが…なんだ?なぜか頭にするっと入ってくる声の正体を知るためにドアを開ける


???「メクルはいつ帰ってくるんだ?」


マゴ「いやぁ…当分帰ってこないと思います。すいません」


そこには綺麗な高身長の男性とその隣にもう一人聖花ぐらいの女の子がいた。


ユラ「マゴー。交代。」


マゴ「ユラさん…今来客中なんだから黙って入ってきてくださいよ…。ほら、そこ。お菓子あるから」


ユラ「わーい」


さてと、問題が解決するまで俺はソファでお菓子タイムにしますかね。朝ご飯も食べてないしちょうどいいや。


???「あなたがユラさんですか?」


やっぱ黙って入ってくればよかったな。気づかれず。


ユラ「あぁ、そうだが?」


榎島「僕の名前は榎島ハルキ。魔政府の大臣をやらせていただいてます。どうぞよろしくお願いします」


ユラ「だ…大臣…!?」


榎島「はい。ユラさんの話は時たま魔政府にも入ってきますよ」


ユラ「えっ…それはどんな内容で?」


悪い内容だったらどうしよう


榎島「ふふふっ…心配なさらないでください。そんな悪い噂は入ってきてませんよ。能力消滅装置や魔警備隊員の暴走を止めたり…今も大変な任務をしてらっしゃるとか」


この人結構知ってるな…。まぁそりゃそうか。お偉いさんだもんな。


榎島「この国を消されちゃたまったものじゃないのでね」


エルたちの事も知ってるのか?こりゃ隊長レベルの人だな…。そんな人がメクルに何の用だ?


マゴ「じゃ、ユラ先輩あと任せましたよ。事務作業あらかたやりましたけど終わってはないんで。頼みます。」


ユラ「おう。お疲れ様」


マゴ「はーい」


そう言ってマゴは荷物をまとめて部屋から出て行った。…あいつ客人俺に任せていきやがったな


ユラ「えーとそれで…メクルリーダーに用でしたっけ」


榎島「あぁ。一応そのつもりだったけどいらっしゃらないようだから僕は帰ろうかな。ユラさんとも話せましたしね。満足です」


ユラ「あぁ…なら良いのですが」


なんだか不思議な人だなぁと見ていると榎島さんは不思議そうな顔をして俺に言った


榎島「にしても…意外にも赤紫と同じくらいの見た目なんですね」


ユラ「赤紫?」


榎島「はい。この子の名前です。ほら、自己紹介」


赤紫「はい。どうも、ユラさん。赤紫黄白(あかむらさききしろ)と申します」


中々変な名前の…ん?


ユラ「もしかしてなんだが…魔学校の4-1の…」


赤紫「へっ…あっ…はい。通わさせていただいてますが…」


やっぱり。なんだか聞き覚えのあると思ったらクラスメイトじゃねぇか。でも確か学校ではもっとはしゃいだ感じの子だった気もするが…


榎島「ほう?なるほどなるほど…これは面白い。赤紫、少しユラさんと二人きりで話したい。先に帰ってもらえるかな?」


赤紫「了解しました」


そう言って黄白さんは部屋を出て行った


榎島「いやぁ、中々面白い巡り合わせもあるもんですね、ユラ…あぁ、クロさんと言ったらわかりやすいですかね?」


ユラ「なるほど…榎島さんは、もう全部知ってるんですね」


この人は俺が魔学校に潜入調査をしてることを知っているようだ


榎島「はい。ウルウさんとは親しい中なので大体聞いています。にしてもまさかクラスが同じだとは」


ユラ「えーと…黄白さんと榎島さんはどういった関係で?」


榎島「彼女は僕の秘書です。」


ユラ「ひ、秘書」


若すぎないか。それに学校言ってたら勤まらないだろ。


榎島「まぁ細かい話はいずれします。実は…僕も今回のユラさんの潜入調査の助けになれないかと思っていたのですが…赤紫がいるなら問題ない。あの子を好きに使っていただいて結構です。ぜひ役に…」


ユラ「待った待った…。いろいろ話飛んでるんだが。」


榎島「そうですね…僕も次の予定があるので手短に言わさせていただきますが僕、ウルウさんに返すにも返せない恩がありましてね。どうにか返すことができないかと四六時中考えているんですよ。もう趣味みたいなもんです。」


ユラ「は、はぁ…」


榎島「ただ最近恩を返せていなくてですね、いやぁちょうどよかった。」


そうしてなんか半強制的に黄白さんが協力者になった。…多分この人隊長が大好きなんだな

榎島さんは言いたいことだけ言って帰っていった。人騒がせな人だな…

というか黄白さんってあんな敬語使うような人だったかなぁ…

話したことはないが黄白さんはめちゃくちゃ美人だ。クラスの中でも一番綺麗だと思う。とはいえおとなしい性格というわけでもなく男女分け隔てなく交流するいわゆるクラスの一軍という中にいると思う。

それなのにあんなかしこまっていた。何か理由があるんだろうか


ユラ「まぁ明後日学校行ったときに聞いてみるのもいいかもな」


そうして俺は部屋の事務机い向き合う。マゴがもう終わらせたと言っていた通り仕事は少なかったからだらけられると思ったが緊急で入ってきた迷子を捜す任務に俺の自由時間はつぶされたのだった。

相変わらずのいらない話

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