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【最初の魔法使い】  作者: コトワリ
第3章 最悪の魔法使い
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第十話 この世の中

ウルウ「うまっ…うまっ…」


ケーキにつられて俺の部屋に世の中を支えている魔警備隊の隊長が来た。肩書と行動が全く合わない人もこのレベルはなかなかいないだろう。


遊佐「た、隊長さんじゃないですか…」


ユラ「おう。遊佐も食うか?」


遊佐「いや私は…」


ウルウ「食っとけ、よく知らぬ少女よ。ユラ手作りケーキは人をおかしくするんじゃぞ」


もう二つ目を食いだしている隊長に言われて食べたくなったのか落ち着きたくなったのか隊長の向かいの席に座りケーキを所望してきた。


遊佐「おいしい…」


ウルウ「じゃろ!?」


ユラ「ほい、コーヒー」


そう言ってコーヒーを出すと隊長の目が疑い深い目になった。


ウルウ「わしをおいしいもの尽くしにして買収するきじゃな?さしずめこの少女が関わっていると見た!」


ユラ「ケーキとコーヒー片手にくりーむまみれの口で何言ってるんですか…。まぁその通りですけど」


ティッシュを渡し口を拭くように促す


遊佐「はぁ…おいしかった」


ウルウ「そうじゃよな…。なんでこんなにおいしいんじゃろか…?」


遊佐「愛情でもこもってるのかもしれませんね。」


ウルウ「ふはははは!ユラが?愛情?ないじゃろ」


ユラ「んだと?もう作らん」


ウルウ「すまんすまん許してくれ」


割と本気で謝ってくるあたりケーキを逃したくないんだな。一回作って聖花チームに届けたとき隊長もいてその時味を占めている。何か頼み事があった時はこれで解決させている


そうして一通り食べ終わって満足している隊長に本題を伝えた


ユラ「遊佐をなんとか解放してやれませんか?能力によってつかまってしまっているだけなんです。少し前のコンと同じような理由なんです。お願いします」


遊佐「ゆ、ユラさん。別にいいですよ!そんな…私事なのに…」


ユラ「いや、能力を扱いきれてないだけだろ。そんなので犯罪扱いされるのはおかしいと思う。生まれつきのものを周りにあーだこーだ言われる筋合いはないはずだ。」


俺は違う。生まれてきた瞬間から能力を持っていたわけではない。だからこそ、この生まれつき能力を手に入れられてしまう世の中に同情をしている。まるでその人の価値を決められているようで。価値を決めるのはその人の歩んできた人生だ。生まれた瞬間から決まった価値なんて本人の意思を考えていないようなものだ。

本をもっと広めることができれば…


とにかく目の前の女の子一人でも救ってやれればと隊長に願ったが帰ってきた答えは


ウルウ「残念ながらその願いは聞けぬな。すまぬ。」


否定だった


ユラ「どうして…」


ウルウ「ユラよ、お主はもっと世の中を知ったほうが良い。…まぁ最近来たばっかりじゃからわからないのも当然じゃが。突然知らない国に来たようなものじゃからの。その少女を助けることは今の世の中とてつもなく難しいのじゃ。」


ユラ「今の世の中?」


ウルウ「そうじゃ。この少女…遊佐ちゃんじゃったかの?」


遊佐「は、はい。」


ウルウ「うむ、自己紹介もせず申し訳ない」


遊佐「いえ、大丈夫ですよ。」


ウルウ「さて、話を戻そう。ユラ。実は遊佐ちゃんのような人は何万人もいるんじゃよ。能力を扱いきれてない人なんて確認できていないほどいるんじゃ。」


ユラ「…だからってその人たちを放っておけないでしょう?」


ウルウ「もちろんじゃ。じゃが現実問題「放っておけないから助けたい」だけじゃ意思表示にしかならんのじゃよ。いつかは解決させる。それまではすまぬが…世の中をもっと生きやすくする。それまで待ってもらえんじゃろか?」


遊佐「はい。私としてももちろん普通の生活に戻りたいんですが、迷惑をかけるのはいやなので。」


ユラ「遊佐は…それでいいのか?」


遊佐「まぁ話してみたら魔王さんも悪い人じゃないですしね。…人かはわかりませんけど」


少女が自分より世界を優先するような時代か…。俺の基準で考えるのがおかしいのか。


ウルウ「さっきバルが来てたから引き取ってもらうとするかの。」


そう言って電話をかけようとする隊長の手を掴かむ


ウルウ「…ユラよ、こればっかりは無理じゃぞ。わしだって解放してやりたいが…」


ユラ「5年。」


ウルウ「む?」


ユラ「…いや、2年。2年で解決してやる。」


ウルウ「頼り強い言葉じゃがむりじゃろ?李地は能力の安定化、暴走阻止をするため10年研究しているんじゃぞ。それを何も知らない小僧が2年じゃと?」


ユラ「本を探すんだ。ありったけの」


ウルウ「本?」


ユラ「あぁ。作れるんだったら作ってもいい。本は能力の安定化、暴走阻止が見込める。この本を世界中に流通させれば誰でも能力を使いこなせる。それに能力の共有、交換もできる。最悪能力を捨てることだってできるようになるかもしれない。」


本についてはまだ知らないことが多いが所持すればその能力の本髄を出すことができる。そうすれば不安定なものも自分の力で扱えるようになる。言ったように最悪能力を捨てれば解決する話でもあるはずだ


ウルウ「はぁ…なぜそれをもっと早く言わない」


ユラ「世の中を知らなかったから」


そういうともっと困った顔をして頭を抱えてしまった。考えているのだろう。今までを突き通すか、解決に向かって走り切るか。無理もない。ただでさえ今エルともう一人の問題に襲われているのだ。ほったらかしにしていた問題が後ろから迫ってきたら誰でもこうなる。


遊佐「ユラさんは何者なんですか?最近入った新人さんじゃ…」


ユラ「嘘ではない」


ウルウ「…遊佐ちゃん。その迷惑ボーイは初期の生き残り。『最初の魔法使い』じゃ」


遊佐「……最初の…。」


その瞬間遊佐の意識は変わる


魔王「最初の魔法使い!?」


ウルウ「な、なんじゃ?」


ユラ「…まぁこれが遊佐の能力って感じですかね。」


ウルウ「なるほど。二重人格か。典型的な能力の不安定じゃのう…」


魔王「お前が最初の魔法使いなのか!?」


ユラ「何回も言うんじゃない。恥ずかしいだろ」


魔王「俺と戦え!!」


ユラ「は?」


急展開すぎる


魔王「遊佐の記憶の中にお前の事が書いてある本があってな!最強らしいじゃないか!ぜひ戦ってみたい!」


ユラ「えぇ…でも今能力ほとんどないし…」


ウルウ「ほい」


そういって隊長が俺の本を渡してきた


ユラ「なんでもってるんですか!?」


ウルウ「わしが持ってるのが一番安心じゃろ。わし、なぜか突然降りかかった問題について悩んでるから行ってきてもいいぞ。李地にも意見聞かなきゃいけないしの。」


割と本気で考えてくれているようだ。それはありがたいのだが…


魔王「なぁ!なぁ!」


ユラ「はぁ…隊長。運動場使いますよ」


ウルウ「ん。じゃ終わったらわしの部屋来てくれ」


ユラ「バルとかいう人に言わないでくださいね」


ウルウ「ダイジョブじゃ。そん時はわしをぶん殴っていい」


ユラ「女性を傷つける趣味はないですよ」


ウルウ「好きになっちゃいそう」


ユラ「隊長が普通に話してるとなんか気持ち悪いですね…」


ウルウ「バルはどこだったかな」


ユラ「すいませんでした」


ーーーーーーーーー


なぜか魔王と戦うことになってしまった。まぁ魔界の王とやらに興味がないわけじゃないのだが…


魔王「さぁ!やろうぞ!」


ユラ「おう、まぁ来い…の前にちょっといいか?」


魔王「なんだ?」


ユラ「その姿だと戦いにくいんだか…」


中身は魔王でも見た目は遊佐だ。攻撃しにくい


魔王「確かにそうだな…フェアにするためにも仕方ないか…」


そう言って魔王は…いや、遊佐は二人に分離した。一人は遊佐だ。もう一人は…


魔王「これでいいだろう!」


角、しっぽ、肌紫の魔王です感がすごいやつがそこにいた。


遊佐「魔王さん!勝手に戦ったりしないでくださいよ!疲れるんですから」


魔王「ほれ」


そう言って魔王は何やら緑のオーラを遊佐につけた


魔王「これで無限の体力になったから大丈夫だぞ」


遊佐「そうゆう話じゃないんですけど…」


遊佐はそう言いつつも危なくないところに歩を進める。こうなったら魔王が止められないのはわかっているようだ。


魔王「さぁ!やろう!」


夜とは言え人がいないわけじゃない。見られたら大変だ。できる限り長引かせないようにはしよう。


そうして戦いは始まる


魔王「はぁ!!」


いきなりの肉弾戦。魔王はもっと魔法やビームとか放つと思っていたがそんなことはないらしい


ユラ「わざわざ受ける必要もないだろう」


俺はできる限り避け、無理なものは少し拳をあてそらした。


魔王「ほう?なかなかやるじゃないか」


魔王は一度距離を離す


魔王「これならどうだ?」


すると魔王の後ろにいくつかの球体が円を成して現れる。その一つ一つからエネルギーが打ち出される


魔王「魔式光線破!」


ユラ「うおっ!?」


逃げ場がないぞこれ


ユラ「一旦飛ぶか」


空に逃げたが…後悔することになった


魔王「はっはっは!重力を操る我の前で飛ぶとは愚かなものだ!」


突然体が重くなる


ユラ「くっ…!?」


そして下には光線。もろに当たってしまった


魔王「くはははは!こんなものか。所詮は人間。期待しすぎたようだな」


簡単に人間の限界を決められちゃ困る


ユラ「魔王も油断するもんだな」


瞬間移動で魔王の前に現れる


魔王「なっ!?」


ダメージがないわけじゃない。だが負けを認めるほどではない。


ユラ「元祖重力をくらってみろ」


俺は魔王の至近距離で強大な重力場を生み出す


ユラ「グラームレット・サン」


魔王「ぐあああぁ!!?」


上手く…こいつだけに能力が作用するよう調整する。周囲に重力がかかっちゃだめだとはわかっているが能力を強く使ってるだけあって調整が難しい…。やっぱり俺には炎があってるな


魔王「くっ…な、なんのぉ!!」


俺の発生させた強力な重力を同じくらいの力の重力でかき消しやがった。だがもう俺のは次の攻撃を仕掛けていた。


ユラ「炎流・風桜!!」


すぐに能力を切り替え剣をふるう。一番簡単にできる技だ。すぐに出せる。


魔王「ぐはっ…や、やりおるな…。やはり最強と言われることだけある…だが!!」


魔王は空を飛び、力を貯めだす。やっぱり簡単に出せる分威力はが少ない。倒し切れなかったか!

…というかマズイ。魔王はもう周りを見れていない。あの火力を放てば…


遊佐「魔王さん!それはだめだよ!」


遊佐は何かを知っているようだ。緊迫した顔からどんなものかわかるほどヤバいことをしようとしているようだ。だが遊佐の声は魔王には聞こえていない。目の前の互角の相手に夢中だ


ユラ「仕方ない…これはもう止めようがないしな…」


ステージ4の龍じゃ無理だとはわかる。重力によるエネルギー波を貯めに貯めているんだ。そんなもの防げるわけがない。


ユラ「ステージ5!!」


龍の剣を握りしめ、そのエネルギー波に立ち向かう


魔王「魔式:重王無神(じゅうおうむじん)!」


ユラ「炎流九閃・極、炎満真月!」


二つの一撃が広い運動場の体積を埋める。この場だけ『初期』に戻ったような光景が広がった


最初の流れ→ユラVSウルウ(話が合わないから)

今→ユラVS魔王(なぜ…

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