表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【最初の魔法使い】  作者: コトワリ
第3章 最悪の魔法使い
115/183

第七話 40年より先の話

 次の日は特に何かがあったわけではなく順調に授業は終わった。今は学校の図書館だ。聖花と一緒に帰るつもり…いや、強制的に一緒に帰る予定だったのだが調べたいこととある人に聞きたいことができたので今こうして図書館にいる。


クロ「聖花をなだめるの大変だったなぁ…。」


最近ほんとに何かしら関わってくる。別にうれしいしやめてほしいと本気で思っているわけではない。たまに任務ってこと忘れてるんじゃないかと思うから不安なのだ。だがまぁ聖花の気持ちもわかる。隣の席だからわかるのだが聖花には特定の友達がいない。つまり基本一人なのだ。スーパースターの聖花にそんな友達がいない理由は恐れ多いからだ。歩いてたらそんなことを話しているのが聞こえてきてしまったのだ。同年齢で魔警の三大チームリーダー。そりゃ対等に話そうとしてくる人も少ないだろう。たまにいるがそれは複数人と聖花の場合。個人で気軽に話しかけるのは難しいことなのだ。

そんな3年間を過ごしてきたんだから俺という対等に話してくれる存在がいるのはうれしいんだろう。

それはわかるがなぁ…


調べに調べて1時間、やっと見つけた


クロ「40年前の…能力所持者の増加…これだ」


今日のガンテン先生の授業で興味深いことを言っていたのだ

それは世界の能力者ランキングについてだった。そんなことは正直どうでもいいのだが、3位の人物の説明に少し疑問があったのだ


3位、美方(みかた)シャン。能力『永久機関』。最初に確認された能力者。天性の戦闘センス、女性ならではの体の柔らかさ、能力による無尽蔵の体力。確かそんな説明だった。

気になったのは「最初に確認」という部分だ。

俺が山から下りてからはいろいろなことがあったため考えることもなかったが俺が山にいた80年間、何があってこんなにも能力者が増えたのか。いまさらになって調べることにしたのだ。


クロ「えーと…何々…?40年前に能力者が急激に増加。あらゆる能力が発見され混乱が起こった。例えば……いや待て」


違うな…これじゃない。なんでだ?

さっきから「40年前の能力辞典」とか「2075年の事件集」だとか。

俺の知りたい能力の広がり始めた起源がどこにも書いていない。ランキング3位のシャンという名前すら出ない。ここにないだけか?さっきから関連書物は見つかるが一番知りたい起源が書かれていない。

能力が広がった、のではなく能力が始まった、のが知りたいのだ

俺がいなくなってすぐなのか、それともその40年前前後なのかすらわからない


クロ「はぁ…ここにはないか」


落ちた気持ちで出した書物を片付けていく。収穫ほぼゼロか…


???「すみません、もう閉館です」


クロ「うぉ!?」


気づいたらすぐ横に人がいた。全く気付かなかった…


クロ「す、すみません。すぐ片付けるので…」


するとその人は俺がさっきから読んでいた本を手に取った


???「かなり古い書物ばかりですね。何か調べものでも?」


クロ「え、えぇ。そうですね。まぁ知りたいことはしれませんでしたが…」


???「そうでしたか。でしたらこの場所に行ってみてください。」


そうして手渡されたのは【国立魔法書館】のパンフレット。


クロ「国立魔法書館?」


???「はい。そこは…あぁ、すみません。まだ名前すら言ってなかったですね。私は魔法学校の図書館の司書をさせていただいています。水森(みずもり)ラビといいます。」


クロ「大河クロです。えーとそれで…」


水森「国立魔法書館はこの国最大の資料館です。その場所ならさらに古い書物があります。40年より前のものは基本置かないように統一されているのですがこの場所にならあります」


基本置かない?ますます気になるな…


クロ「ありがとうございます。今度行ってみます」


水森「はい。ただ…一般の方は行けないのでこれを」


そうして水森さんはカードのようなものを渡してくれた


水森「私の魔法書館のカードです。これを使ってください」


クロ「い、いいんですか!?」


俺がこんなに驚いてるのには理由がある。だってカードがなんかすっごい貴重そう。絶対これ人に貸すものじゃないぞ


水森「はい、いいですよ。正直な話、私も知りたいんです。40年より前の事。ただ私、なかなか暇が取れなくて…ちょうどよく40年前に興味がある話しかけやすい生徒さんはいないかなって思ったラあなたがいたので。」


クロ「な、なるほど」


…一日も休めないんだろうか、司書って。


水森「カード、貸しますがちゃんと調べたこと書いて私に教えてください。これが貸す条件です」


クロ「了解しました」


水森「さて…じゃ、図書館閉めるので」


クロ「あ、はい。お疲れ様です」




そうして俺は思わぬ形でさらなる情報源を手に入れた。魔法書館か…多分隊長に頼み込めば行ける気がするんだよなぁ…なんかあの人権限すごそうだし。


そうして俺は学校を後にし、魔警の寮に帰る。まだ7時過ぎ。メクルチームの誰か誘ってごはんに行こうかな。

魔警に入ると受付で何やら言い合っている様子が見えた。何かあったのか?


???「隊長出してよ!用事があるんだってば!」


ギャラル「今隊長はすいみ…仕事中なので業務終わりの8時まで待っていてください」


???「今睡眠って言いかけなかった!?」


どうやらあの人が言い争いの中心人物らしい。しょうがない、ギャラルさん助けに行くか。

近づこうとしたら勢いよく引っ張られた


ユラ「うぉ!?なんだ?」


ケルト「ユラ!あぶないぞ!」


ユラ「ケルト?何がだ?」


ケルト「あの今ギャラルさんと話してるのはランキング5位の酒詩(さかし)バルだ。能力『空間支配』って言ってあの人の一定範囲内に入るのは危険なんだ」


…俺のごはんが遠のくのが感じられた。

なんだよランキング5位って…

ランキング2位はもう出てます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ