表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【最初の魔法使い】  作者: コトワリ
第3章 最悪の魔法使い
113/183

第五話 戦闘訓練(Ⅱ)

 その後も訓練は続いた。この壁、低レベルくらいなら簡単に壊せるのだがレベルが上がっていくとほんとに壊せなくなる。本も能力も今は少ないから今の俺じゃせいぜい行けて20レベルくらいだろうか。

実際にやってみたいがあまり目立った行動はしたくないので

7レベルくらいでやめておく。


タカナ「レベル7かー!なかなかやるな!」


そう言って近づいてきたのは菅谷(すがたに)タカナ。女の子だ。それもめちゃくちゃ元気な子、という印象しかまだない。髪はショートでよく女子とも男子とも均等に話しているあたり多分話しやすい性格なのだろう。タクと同じ部類だ。そして能力は…


クロ「能力使うと生えるのか?その角」


タカナ「おう!って言っても『鬼』要素これくらいなんだけどな!はははは!」


元気そうに笑う。つられてこっちも笑いたくなるようなそんな笑顔。能力『鬼』とは合わないような気もするが、大きな魅力ともいえるだろう。


クロ「菅谷はどれくらいだったんだ?」


タカナ「私はレベル9までだったな。ドラのやつも私と同じだったはずだ。うちのクラスは最高は9くらいかもなぁ」


やっぱそんくらいか。なかなかレベル10の壁は超えられないよう…


タク「うおおおお!すげぇ!聖花さんレベル18行ったってよ!」


テンス「やっぱ最年少リーダーはスゲェんだな」


離れたところに人だかりができてると思ったら聖花か。


タカナ「ありゃずるいわ…」


クロ「同感だ」


聖花が満足気にしている。なぜだろう、同年代なはずなのに大人げなく感じる。


タカナ「そういやクロ」


クロ「おう?」


タカナ「ガザルってわかるか?」


クロ「あぁ、能力『無限力』の?」


タカナ「そうそう。あいつなんかずーっと壁の前でぼーっとしてやがるからよお。なんかあったのか聞いたんだけど…あ、私ペアだったんだけどさ。思いつめてんのか知らないけどなんも言わねぇんだよな」


クロ「ふむ?それで?」


タカナ「クロ行ってきてくれよ」


クロ「なんで俺!?」


タカナ「いやだって…」


その時話を少し聞いていたのか甘味とフミの二人が来た


ケイキ「やほやほぉ」


フミ「盗み聞きするわけじゃなかったんだけどさ、ごめんごめん」


タカナ「別にいいよ!でさ、やっぱクロ適任じゃない?」


クロ「え?」


フミ「異論無し」


クロ「ちょ…」


ケイキ「いろんななし?」


クロ「多分違う」


タカナ「てことで!ガザル元気にしてくれよ!じゃ!」


クロ「えぇ…」


そう言って背中を押された。なんなんだ?…あまり目立たないようにしてきたはずなんだが…

ふと視界に聖花が入った。…目立ちまくったなそういえば…

俺もガザルが元気のない理由に少し興味が沸いたので行ってみることにした


ーーーーーーーーーーー


タカナ「行ってくれてよかった…断られちゃうんじゃないかって緊張した…」


フミ「いやあいつはなかなか断ったりしないと私は思うけどね」


ケイキ「そういえばさぁ…なんでクロくんなの?」


ケイキは不思議そうに頭を傾けた


フミ「あそこまで聖花さんに好かれてるってすごいじゃん」


タカナ「あ、そういう理由だったのか!?私はクロなら何でも解決してくれるように思っただけなんだが…」


ケイキ「直感ってこと?」


タカナ「そんなとこ」


フミ「んまぁそれもあるかもね…なんかぱっと見冴えない感じだけど頼りがいを感じるというか…」


ケイキ「なんかわかるかもぉ!」


遠くから歓声が聞こえてくる


タク「聖花さん20行ける!」


ドラ「行ける!」


聖花「…ちょっと黙ってもらえます?」


その一言で場が凍り付く。その光景を見た女子三人は顔を見合わせ笑いあい…


フミ「まぁあいつらに任せるよりかは信頼できるよね」


ケイキ「そだねぇ…」


タカナ「同感だ…」


クロの気づかぬところで信頼度が上がった


ーーーーーーーーーーーー


ガザルのいるところに行くと確かになんか落ち込んでる


クロ「よう」


俺が声をかけるとこっちを見はしたがすぐにまたどこか遠くを見始めた


クロ「うーん…どうしたんだ?初対面でいきなり失礼かもしれないがそこまで落ち込まれるとなんか心配になるよ」


ガザル「…タカナのやつに頼まれたのか?」


クロ「うん」


ガザル「じゃあタカナにもう元気だから大丈夫だと言ってくれ」


すっごい暗い顔で言われましても…


クロ「無限の力ねぇ…」


俺はガザルの立っていたそばに座った


クロ「俺の仲間…いや、友達によ」


俺がそう話始めると顔を向けてきた。俺の事をうっとうしいとは思っていないようだ


クロ「ガザルと同じ『無限』系の能力を持ったやつがいたんだよ」


厳密にいえばあいつのは体質だったか


ガザル「俺以外にいたのか?」


クロ「おう。そいつはそんな最強の能力を自分が使いたいように使ったんだ。人を守ったり、恩を返したりな」


ガザル「何がいいたい?」


クロ「何に思いつめているかわからないが…」


俺は立ち上がり、壁の前に立つ。タカナがやりっぱなしにしていたからかレベルは9だ。

その壁に向かって、俺は攻撃した。

壁は音もなく割れていく


ガザル「(!!…タカナがあんなにやって壊れなかったのに…!?)」


クロ「俺の友達は…そんな落ち込んだような顔をしなかった。俺がピンチになると必ず現れて…何回も助けてくれた。理由もなく、だ」


ガザル「お前…」


最後…最後の顔は…あんな顔じゃなかったらよかったんだけどな


クロ「悩みを言ってみてくれよ。もうあいつはいないけど…せめて同じ能力のガザルの力になるよ」


ガザル「…俺はお前の友ではないぞ」


クロ「今からなろうぜ、俺の友に」


口をにんまりさせながら俺が言うとさっきまでこの世の終わりみたいな顔をしていたガザルが少し笑った


ガザル「ふん…笑うなよ」


そうしてガザルは悩みを話し始めた

謎の会

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ