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【最初の魔法使い】  作者: コトワリ
第3章 最悪の魔法使い
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第四話 戦闘訓練(Ⅰ)

ユラ(クロ)君は割とデリカシーないです

 次の時間はライ…先生による戦闘訓練。魔警には必ずしも戦闘を使わなきゃいかないわけじゃない。だが魔警に入るなら自分の事を自分で守れなければいけない。それが最低限、魔警でやっていくために必要なことだ…と、ライが言ってた


ライ「わかったか?毎年のように「私は戦闘が苦手で裏方で支えていきたいですっ!」っていって戦闘訓練を怠るやつがいるから言っておくからな!」


さすがに仕事だからライもいつものようなおちゃらけた感じではなくしっかりと先生をしている。…働いてない俺はライより下なのでは…。


タク「はい先生」


ライ「何かな?えーと…タク君」


タク「せんせーって何歳ですか」


なぜそれを今!?


ライ「…27ですが」


ケイキ「え、見えなぁい…」


フミ「若くないですか先生!?」


クラスのみんながざわざわとしだす。…ライはまんざらでもなさそうだ


ライ「そ、そうかな…ありがとう…」


顔を赤らめて照れている。


クロ「10くらい年の差あるやつに言われて照れてやんの…」


絶対聞き取れないような声量でいったはずなのに聞こえていたらしい


ライ「うーん!じゃあちょっと授業の説明をしたいから出てきてもらおうか!クロくん?」


どんな耳してるんだあいつは…

隣を見ると聖花が呆れた目で見ている。…全面的に俺が悪いため何も言えん…


ドラ「…なんかクロってライ先生に気に入られてるな」


クロ「そう思うなら変わってくれてもいいんだぜ…」


俺はいやいや立ち上がった


ライ「はい、ここから真面目な話だからなー聞けよー」


ライは箱の中から何やら平べったい機械を取り出した。そして電源ボタンらしきものを押すと…

平べったい機械からホログラムのような薄い壁が現れた。大きさはライくらいだ。


ライ「これはかの有名な李地副隊長が考えた戦闘訓練用の機械だ。去年か一昨年くらいだったかに実用化がされた超ハイテク機器だ!」


そのホログラムのような板はよくよくみると…実体がある…?そして真ん中に「1」の文字


ライ「まぁこれが何なのか見たほうが早いだろう。ちょっとクロくん。これ壊して見て。」


クロ「え、あ、はい…」


そうして俺は言われた通りその壁を壊す気で殴った。壁はキュイン、と機械的に壊れた。


テンス「新しいのが出てきた…」


すぐに次の板が現れる。その真ん中には「2」と書かれている


ライ「こんな感じで攻撃を加えると壊れる。素手でも能力による攻撃でもだ。そして一回壊すとまた新しい壁が現れる。その壁は前のものより硬く、より頑強になっている。レベルが上がっていくってことだ。…もう大体伝わっただろう」


フミ「んーとつまり…」


フミが猫耳を動かしながら言った


ダン「壊しまくって壊れない硬さになったらそれが自分の限界って事だろ」


フミ「なるほど」


答えたのは草薙ダン。暗い感じの青年で確か能力は「移動速度上昇」。あまり人とつるむのが苦手なのか基本一人で過ごしていた。


ライ「そんなに数ないから二人一組なー。んー…沼芽…ゴロン君だったっけ。もっと持ってきたいから手伝って」


ゴロン「うす」


二人一組…いやな思い出だ…。昔は特定の仲のいいやつがいなくてたいてい余ってたな…


聖花「クロ君、やろ」


聖花がめちゃめちゃ輝いて見えた…が雲行きが怪しくなる


タク「待て。聖花さんとクロを一緒にしちゃいけねぇ」


テンス「また核爆発されちゃたまらねぇ」


タク「てことで聖花さん俺と…」


テンス「おい約束が…」


タクとテンスが言い争ってるうちに聖花のもとにケイキが来た


ケイキ「聖花ちゃん!私とやろぉー!」


聖花「…ええ、いいですよ。やりましょうか」


優等生モードでは基本的に断れないらしい。名残惜しそうにこちらをみてケイキに連れられて行った。

…そして残った者同士が組むのがお決まりなのだが・・・


クロ「…お前かよ…」


ニャム「む…ひどい…」


ニャム。なんなんだかよくわからないやつだ。自己紹介の時唯一能力を言わなかった。性別もわからない


クロ「んまぁ…よろしく」


ニャム「うん、よろしく」


そうして別に話すこともなく時間が過ぎていく。きまず。


ライ「ほい、ここの分の機械。じゃあまぁ見合った力を出すように」


そうしてライは俺の事を少しにらみながらも去っていった。見合った力というのはユラとしての力じゃなく大河クロとしての力だろう


ニャム「僕からやってもい?」


クロ「意外と興味あるんだな」


ニャム「楽しそう」


クロ「そーかい」


そうしてニャムは機械の電源をオンにした。


ニャム「てい」


ニャムが放った攻撃は…ぺちっと弱そうな音を出して壁にぶつかった


クロ「…嘘だろ」


まだ板のレベルは1だ


ニャム「うー…無念」


クロ「いやそれ本気か?」


ニャム「まー…僕の能力攻撃向きじゃないし…第一僕かよわい女の子だし」


女の子だったのかよ


クロ「そういえば能力言わなかったよなお前」


ニャム「お前じゃない、ニャム。…まぁいう必要ないかなって。知りたいの?」


クロ「興味はある」


ニャム「んじゃさ…僕に石なげてみ?」


クロ「…?おう」


そうして俺はニャムに向かって石を投げた。すると…ニャムは普通によけた


クロ「…今のが能力?」


ニャム「地味だけどね。『絶対回避』って能力。どんな技にも絶対当たらない。すごいでしょ」


絶対回避…確かに戦闘面では向いていないな。本当にすべて回避するんだろうか。


クロ「なかなか良い能力だな。」


ニャム「でしょ」


そうしてニャムは「どや」とでも言いたげに胸を張る。…絶壁だな…


クロ「ほんとに女の子なのか?」


そういうとニャムはしゃがんで


ニャム「…えっち」


と言われてしまった。

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