第三話 核兵器
魔学校に通って二日目。さすがに今日から授業があるらしい。とはいえガチガチに勉強をするわけではない。基本の学業は1から3年でやっているからだ。俺としてはとても助かる。だってほとんど勉強できないのだから。…昔からできなかったのだから今できるわけないのだ。
ガンテン「えー…この年では…」
午前中はガンテン先生の座学だ。魔警の歴史や能力について。一般魔法などの細かい点について教えてくれる。眠くなると思ったが案外目がパッチリだ。特に今回の授業は…
ガンテン「詳しいことはまだわかっておらず…まぁウルウ隊長が教えてくれないだけなんですが…能力の始まりは80年前から100年前くらいだと言われております」
タク「80年じゃなかったっけか?」
そういうのは練堂タク。自己紹介の時の印象は元気な好青年という感じだ。犬みたいに人なっっこい。現にもうこのクラスにかなり馴染んでいる。聖花とも普通に話し、めちゃ地味な俺にも話しかけてくれた。そこに哀れみとかはなく本当にいいやつなんだろう。
テンス「いや…タクよぉ…それは英雄伝説の話だろう?あの小説の…」
答えたこの青年は罪澤テンス。誰とでも仲のいい練堂の親友みたいなポジションのやつだ。まだ二日しか見てないのに仲がいいんだとよく感じれる。こいつ、能力が面白く『ギルティ』という能力で嘘をついたもの、何か悪いことをした対象を赤く光らせることができるらしい。魔警にも尋問する役割の場所があったはずだ。その場所ではかなり輝くだろう
聖花「…結局何年なの?」
小声で聖花が聞いてきた。俺たちの席は一番後ろなので聞かれる心配はないが…まぁいいか
クロ「…80年だ」
聖花「じゃあユラ君96歳?」
そういうと聖花は何やら考え込むような顔をした。何がどうしたかわからないが「年が…」とか「差が…」とかぶつぶつ言っている。
ガンテン「私も80年だと思うんですけどねぇ…そうゆう時間関連の能力者って今の時代ウルウ隊長しか確認されてないんですよ。だから80年から100年となっています。そんな昔じゃないのでもっと情報とか残っていてもおかしくないと思うんですがねぇ…」
タク「テストで80って書いたらアウトですか?」
ガンテン「丸にしましょうかね。まぁ出るかどうかは別ですが…」
甘味「え!?出るかは別なのぉ?!」
ガンテン「そりゃいうわけないでしょう…」
そんなこんなで授業は進んでいく。なぜかはわからないが80年前の出来事が不鮮明に伝わっているのだ。「最初の魔法使いは女だ」とか「大きな穴を作ったのは闇使いだ」とか。微妙に違うものからかなり真実とはかけ離れていたものが多かった。俺はウルウ隊長が怪しいと思っている。唯一の時間系能力者…
たった百年前の情報がここまで残ってないのはおかしいと思い前々から隊長に聞こうと思っていたがタイミングを逃してしまった。今度会えたら聞けるといいが
ガンテン「じゃあ…大河さん」
クロ「え、あ、はい」
考え事をしていたら突然当てられてしまった
ガンテン「最初の能力者の能力は何だと伝えられてきたかわかりますか?」
クロ「えーと…炎」
ガンテン「そう。伝説の英雄は炎の能力で多くの人々を救ったといわれております。炎系の能力に憧れる人の多い理由ですね」
ドラ「俺は炎はけるぜ!!」
ガンテン「竜崎君、教室ではいたらだめですからね」
ドラ「わかってるよ!」
ドラ…能力『ドラゴン』…親のネーミングセンスが輝いてるな…
ガンテン「そろそろ授業が終わりますね…。では最後に…皆さんこんな話は聞いたことありますか?能力の輪廻の話です。」
輪廻?何の話だ?
ガンテン「能力というのはその持ち主が亡くなると基本的なくなってしまいますが…最近その能力が新しく生まれてきた命に移るということが分かった、という話です。つまり…どういうことかわかりますかね?えーとじゃあ…羽咲ルカさん」
ルカ「んーと…もしかして『初期』時代の能力を持った人が現れるかもしれないということですか?」
羽咲ルカ。自己紹介でも特に目立った点はなかった
能力も回復系と言っていたし大丈夫だろう。大人しい女の子でいつも本を読んでいる。
ガンテン「そう!80年もたったのだからあの時代の能力者はもう亡くなっていて『初期』の強力な能力が今この瞬間に生まれてきた命に移っているかもしれません」
テンス「じゃ、じゃあ…『重力』や『闇』とかが!?」
タク「そりゃやばいな!『初期』の能力なんか属性能力ばかりだったって聞いたから今の時代にそんな奴がいたら最強だろうなぁ!」
クラスが盛り上がっている中俺はなんか悲しくなってきた…。こんな喜んでもらってるとこ悪いが…
聖花「…ユラ君さ、本の中に…」
クロ「…たっぷり入ってます」
聖花「まぁ…どこぞの悪者に使われるよりかはマシか」
俺が大体もってるからそんな移ったりとかはないのだ。能力は被らない。必ず一つしか存在しない。
だから誰かのもとに『初期』のころの能力が入ったりはしないのだ
ツル「ね!ユラ君!聞いた?ロマンだよね…!あの話。私あーゆー話好きだから知ってたんだけどさぁ…」
語りだしてくれた木京さん。ゴメンネ…
でも…俺が奪ってない能力もあるか…。いつか俺の前に現れるかもな。
そうして午前中の授業は終わった。
クロ「ふーぅ…疲れた」
ツル「座ってると疲れるよね…!」
そうして木京さんと雑談を始めると…
聖花「クロ君、一緒にご飯食べよ」
…友達いねぇのかこいつは
クロ「はいはい…じゃ、またね。木京さん」
そうしていこうとすると男子たちに行く手を阻まれた
タク「おうおう大河くんよぉ!俺たちの聖花さんを独り占めとはいい度胸じゃないか!?」
テンス「そうだそうだー」
こうなるから嫌だったのだ…。別に聖花と過ごすのは嫌いじゃない。だがこうゆう状況が生まれるのは少々困るからやめたかったのだが…。
テンスは完全にタクに連れられただけだなこれ
甘味「あ、私も知りたぁーい。」
フミ「聖花さんと大河君ってどうゆう関係?あ、別にこの男どもと違って責めてるって訳じゃないんだけどさ」
甘味と…斎藤フミだったか。確か能力は『ネコ』。…確かにしっぽあるな。耳も隠してるらしいからあるんだろう。触ってみたい
聖花「そりゃもちろんかれ…」
クロ「幼馴染な!家近いんだよ!聖花と!」
何言おうとしてんだコイツは
ドラ「幼馴染か。じゃあ仲も良くなるな」
タク「せ、聖花様を呼び捨て…。くっ…ほんとに幼なじみなのかよ!?うらや…憎たらしい!」
フミ「本人たちが言ってんだからそうなんでしょ。後憎たらしいって感想おかしいから。」
甘味「さん付けしないくらい仲いいの憧れちゃうなぁ…!」
聖花「…!」
よかった、納得してくれた
クロ「じゃ、行くか。」
聖花「名前で…」
クロ「ん?」
さっきまでさっさと行こうとした聖花の様子が何やらおかしい
聖花「リネってよんでも…いいよ?」
その時の上目遣い、少し照れて赤くなった顔。まるでショットガン…いや、バズーカ並みのに俺たちを打ち抜いた
タク「し…刺激が…!」
甘味「…くぁいい…」
テンス「クロ…早くその人持って行ってくれ…」
クロ「俺もダメージでかいんだが…」
聖花「ねぇ…名前…」
そんなんで悶えてるとドアが開いて担任が入ってきた
築地「…お前ら何してんだ」
この日から聖花は「核兵器」、俺は「核兵器所持者(扱えてない)と裏で言われたとか言われてないとか…
くぁいい(訳:かわいい)




