第十話 起床
「ん…む…」
ここは…どこだ。
あの後…能力がバレて…
そうか…捕まったか…
にしては可愛い部屋だな
真「あ、起きたね」
こいつは…御手洗…真…
なるほど、真の部屋…か。ん…?
俺「あの後どーなったんだ?それにあの能力者も…
あとなんで真の部屋?」
真「質問攻めはやめて、まずは休んでて」
俺「わ、わかった」
ぬいぐるみや学習机、一見ごちゃごちゃしてるように見えて案外片づけられている。
そんな部屋を沈黙が支配している。
気まずい
俺「あれからどれくらい経ったんだ?」
2日くらいかな
真「20日」
10倍だった
真「大変だったんだからね?看病したりマスコミ追い返したり…思考も追いつかなかったし…」
俺「隠してたのは悪かった、心配させたくなかったんだ」
心からの言葉だった。
にしてもバースト1回で20日…
慣れなきゃな…
…ん?マスコミ?
俺「なぁ、真、マスコミって…
ガンガンガン!
ワー!
俺の素朴な疑問は外の悲鳴で掻き消えた。
真「なんだろう…ちょっと待ってて、見てくる」
俺「俺も行くよ、何かあったら助けられる」
真「……わかった」
よく見ると真の手がちょっと震えてる。
怖かったのかな。
外に出るとナイフを持った男が女の子達ににじり寄っていた。
仕方ない…助けてやるか…
そう思った瞬間だった。
ぼんっ!
つい目を閉じてしまった。
かつて川辺で聞こえたあの音が聞こえた。
目を開けるとそこには…
あの時と同じ、女の子達は困惑顔で
男は倒れてて。
ただひとつ違うところがあるんだとしたら
手を前に出している白髪ショートの女の子がいる事くらいだ。




