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ダンジョン都市へようこそ  作者: しう
三部
735/856

730階 考察

なんて奴だ・・・見損なったぞ!レオン!


・・・いや待てよ・・・そう言えばレオンとニーニャって人のダンジョンで確かイチャコラしてたような・・・


「二ーニャ・・・嘘はいけないな」


・・・ホッ・・・なんだ嘘か。やっぱりそうだよな・・・いくつか知らないが見た目まるっきり少女だしいくらなんでも・・・


「む、村を作った後でしょ!?そんなの簡単だよ!」


え?


「簡単じゃないからこうして苦労しているのだろう?そんなに結婚したければ他の人を見つけるがいい・・・私は村が出来るまで結婚はするつもりはない」


「・・・二ーニャは・・・レオン様だけ・・・そんな事言うなんて・・・酷いですぅ・・・」


何を見せられているんだ俺は


この様子だとレオンとニーニャが結婚するのは本当らしいな・・・しかしレオンは村が出来るまで結婚する気はない、と。そんな中でレオンに惚れたナルの登場でイライラMAX・・・ケンカに発展したって訳か


「ふぅ・・・くだらないケンカだよ。君からもナルさん達に謝っておいてくれ」


「いいけど・・・あっ、そうだ!ナル達がレオンと食事に行きたいって・・・」


「ロウニール!アンタどっちの味方?」


「どちらの味方でもない・・・中立だ」


「こっ・・・」


「いいよ」


「っ!?レ、レオン様ぁ・・・」


「食事に行くだけだよ。お詫びも兼ねてね・・・妻になる人の不手際は旦那になる私の責任でもあるからね」


「・・・・・・バカァ・・・・・・」


レオンの言葉にニーニャは顔を真っ赤にして俯いてしまった。俺が同じ事を言ってもこうはならないだろうな・・・サラなんて『私の責任は私の責任よ』とか言いそうだし・・・


「はいはい熱い熱い・・・そんな事よりこの店は食いもんねえのか?変なもん見せられて腹が減っちまったよ」


そう言えば食事に行こうと言ったのに何も食べずに飲んでるだけだった


「エイ・・・」「はい!兄さん!」


「・・・お前盗み聞きしてたんじゃないだろうな?」


「とんでもねえ!たまたま近くを通ったら呼ぶ声が聞こえただけで!」


「声がデカイ・・・まあいい。食事がしたいから適当に見繕ってくれ」


「へい!全力で買ってきます!」


「・・・作るんじゃないのか?」


「この店にはそもそも厨房がなくて・・・一応飲み屋なんでつまみくらいならありやすが・・・」


「もういい分かった・・・持ち込みはOKか?」


「普段は禁止ですが兄さんなら・・・」


「ありがとよ・・・なら4人には懐かしいものを食わせてやる」


「懐かしいもの?」


「少しでも食べていないと懐かしく感じる不思議な料理・・・一度でも食べていればやみつきになること間違いなし」


「なるほど・・・あの方の・・・」


「ああ・・・今夜は特別に食わせてやろう・・・久しぶりのモッツデリバリーだ──────」





「だから急に言うなといつも言ってるだろ!!」


「まあまあそう言わずに・・・モッツさんの料理を楽しみにしている人達がいるんだし・・・」


「チッ・・・何人分だ?」


「よ・・・5人分で」


「・・・待ってろ・・・けど余り物しかねえぞ?」


「充分」


エモーンズの屋敷の厨房にゲートを繋ぐといつものようにモッツさんに怒鳴られた・・・けどなんだかんだ言って作ってくれるんだよな・・・モッツさん


文句を言いながらも次々に渡される料理をテーブルに並べると箸を持つ手が止まらなくなる5人・・・うん?俺食べてないのに5人??


「めちゃめちゃ美味い!兄さんも食べなよ」


「・・・なんでお前も食ってんだ?エイム」


「え?」


「え?じゃない・・・ハア・・・まあいいや残すより足りない方がいいしな」


無理に頼んで残したりしたら怒られるどころかもう二度と作ってくれないかもしれないし・・・そう言えばモッツさん前に言ってたな『ワシは適量を作ってるから食えるはずだ』って・・・それって俺達の食べれる量を把握してるって事だよな・・・凄い人だ



しばらく食べながらエイムを交えて他愛のない話をした後、店を出てレオン達をアケーナに送り俺はエモーンズへと戻った



そして部屋でアースの寝顔を見ながら考え事をしているとそれに気付いたサラが首を傾げる


「上手くいってないの?」


「微妙なところだね・・・ダンジョンの方は」


「ダンジョンの方?別で何かあったの?」


「うーん・・・何かあったと言うか・・・」


俺はサラに話した


アケーナダンジョンが1000年の歴史を持つ事を


そして1000年前と言えばヒース達が新大陸を目指して旅立った時代・・・その時の勇者はアークで魔王を見事倒していると聞いている事を


「?それが何か?」


「アバドンは魔王が勇者に倒されなかった時・・・つまり人類の希望が失われた時に現れる。勇者が死に魔王は人類を滅亡させる為に動き世界は負の感情に覆われ魔力が増える・・・そうしてようやくアバドンが動けるって感じなんだ」


「・・・つまり勇者アークを倒したのはアバドンではなかった・・・ということ?」


「って事になる。けどヒース達はアバドンの存在を知っていた・・・今の時代の人達はアバドンの存在すら知らなかったろ?ヒース達が知っているって事はその時代に現れたのかも・・・でも条件が整っていない」


「となると・・・誰かがアバドンと偽り・・・」


「ヒース達の時代にアバドンの存在を知るのは魔族のみ・・・けど魔王インキュバスを倒した勇者を倒せる魔族がいるとは考えにくい・・・」


「確かにそうね。魔族も強力だけど魔王には及ばないものね・・・」


「しかもアークはその『アバドン』を実際に見て勝てないと判断したからこそ弟であるヒースをあるかも分からない新大陸へと送り出したんだ」


「そうなるとあのアバドンである可能性が高いか・・・なんか堂々巡りね」


「そうなんだよな。実際1000年前にアバドンが現れて勇者であるアークを倒したとしたらそのまま人類は滅亡していたはずだ。それから輪廻が巡り人類や魔族が復活するとなると・・・かなりの時間がかかるはず。どれくらいかかるか分からないけど滅亡していたとしたらここまで発展するのって難しくない?」


「難しい・・・のかな?でもそうよね・・・輪廻したとしても記憶は引き継がないとしたら発展するのにかなりの時間を要しそう・・・人間がゼロからここまで発展するのに一体どれくらいの年月がかかるか想像もつかないわね」


ヒース達からアバドンの話を聞いた時は疑いもしなかったが今となっては疑問だらけだ


アバドンじゃなければ誰が勇者アークを?本当にアバドンだったとしたらどうやって必要な魔力を集めた?それに勇者に勝って人類を滅亡させたのか?


〜〜〜頭が痛くなってきた・・・別にどうでもいいような気がするけど何かが引っかかる・・・見過ごしちゃいけない何かがあるようなないような・・・


「・・・分からないなら聞けばいいんじゃない?」


「聞く?誰に?」


「この大陸にはいるでしょ?生き字引が」


生き字引・・・ああ、そうか


「ウロボロス・・・アイツに聞けば・・・」


「勇者アークが魔王を討伐したって事は他の魔族も倒されていたと考えられるけどウロボロスは生きていたはずだから勇者アークを倒したのが誰だか知っているはず・・・人が戦っている姿を見るのが好きって言ってるくらいだから当然見てるでしょうね・・・その戦いを」


だよな・・・となるとウロボロスに聞けば全て解決・・・ってアイツ今どこにいるんだっけ?


俺と共にこの大陸に戻って来て・・・まっ、どこにいても関係ないか。この大陸にいる限り・・・いやどこにいてもすぐに見つける事が出来るし


今の俺とウロボロスは常に繋がっている。変な意味じゃなくて


輪廻を起こすには凄まじいエネルギーが必要・・・で、俺は魔力とマナをぶつける事によりそのエネルギーを生み出した。だがそれだけでは輪廻は起きない・・・もうひとつピースが必要になるんだ


それがウロボロスの『再生』の力


つまり輪廻は俺とウロボロスの共同作業によって作られたと言っても過言ではない・・・イヤだけど


んで、そのせいかウロボロスがどこにいるか分かるようになった・・・何しているかまでは分からないけどそのお陰でコゲツ達の治療で必要だった時にすぐに見つけ出せる事が出来たってわけだ


明日になったら会いに行ってみようかな・・・けどダンジョンにも行かないとだし・・・うーん・・・


「また何か悩んでるの?それとも今の事で?」


「いやウロボロスに会いに行けば解決しそうだけど明日もダンジョンに行くしいつウロボロスに行こうかと・・・」


「・・・いいなぁ・・・私もダンジョンに行きたい・・・当分は無理なの分かってるけど・・・」


「俺なんて行ったってただ歩いているだけだぞ?ヒーラーで登録しちゃったから低層階だと全く・・・あ」


「?どうしたの?」


「いや・・・どうせ行っても行かなくても同じだし・・・うん、そうしよう」


「・・・何か解決したみたいね。・・・ならこっち来る?」


サラ、アース、俺って感じでベッドに寝そべっていたのだがサラは自分の後ろの空いたスペースを手でポンポンと叩いた


「え、でもアースが・・・」


「最近寝ている時間が少しずつ延びてきたの・・・さっき寝たばかりだから数時間は起きないわ」


それってつまり・・・


「問題も解決したみたいだし最近我慢させちゃってるし・・・ね」


間違いない・・・これは・・・お誘いだ!


「サラからなんていつぶり・・・いや、初めて?」


「女だって溜まるのよ?それとも・・・もう母親にしか見えない?」


「まさか!・・・おっと、あまり大声出すと起きちゃうか・・・」


「大丈夫よ・・・あまり激しくしちゃうと分からないけど、ね」


・・・もう今更お預けなんて言われても止まれない・・・妖艶な笑みを浮かべるサラにベッドの上を素早く移動し近付くと後ろから抱きしめる


「あん!ちょっと・・・あまりそこを刺激すると出ちゃう」


「で、出ちゃう!?」


「・・・母乳・・・飲んでみる?」


「喜んで」



こうしてアースが起きるその時まで愉しい時が訪れた


すまんなアース・・・この時間だけサラは俺だけのものだ──────


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