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ダンジョン都市へようこそ  作者: しう
二部
528/856

524階 それぞれの決着

「おいドラゴンだぞ?やりに行くか?」


「アホめ・・・あれはロウニール君の乗り物だ。見てなかったのか?ドラゴンの背に乗っている姿を」


「何!?アイツいつの間に・・・」


「そんな事よりそっちは終わったのか?」


「終わったも何も始まってもおらん・・・斬ったら生えてくる変わった人形なだけだ・・・そっちはどうなんだ?」


「そこそこ強かったが・・・まあ所詮ゴリラが大剣を持とうが斧を持とうが人間様には敵わないって感じだな」


「そうか・・・ん?おいお前今・・・」


「それよりもお前がエモーンズに来た理由・・・もしかしてこの日の為か?」


「まあそんなところだ。ある人にとってはロウニールが頼みの綱だったみたいだからな」


「・・・なるほど・・・スウ王女か」


「なんで分かんだよ」


「お前が誰の頼みでも聞くような男か?聞くとしたら近親者か友人か・・・で、ロウニール君を頼みの綱とするような者は少ない・・・それらを総合して考えるとスウ王女しか思い当たらないからな。どうせ至高の騎士辺りに頼まれたのだろう・・・『スウ王女の為にロウニールを守ってくれ』と」


「お前本当イヤな奴だな・・・」


「それはこっちのセリフだ。人の自慢の変身をすぐに見破るとは・・・」


「ちゃんと気付いてないフリしてやったろ?」


「あれが気付いていない演技だとしたら大根役者も裸足で逃げ出すレベルだぞ?」


「うるせぇ!とりあえずどうすんだ?」


「どうやら勇者とご対面するらしい・・・私達も行くとするか」


「そうだな・・・あのドラゴンくれねえかな・・・」


「腹を壊すぞ?」


「食いたい訳じゃねえ!・・・冒険者なら誰しも憧れるだろ?ドラゴン退治ってやつによぉ」


「ならエモーンズダンジョンに潜ればいい・・・100階にいると思うぞ?」


「・・・お前も行くか?」


「休暇がもらえたらな」




レオン&キースVSオルシア&ダンテ・・・決着─────





「イタタタ・・・腰が痛いのう・・・よる年波には勝てんわい。ああそうそう・・・お前さん達素早さに重きを置くのはいいが攻撃に切り替える時はもっとスムーズにせんといくら素早くても意味はないぞ?攻撃する時に意識を持ってかれ過ぎじゃ・・・無意識に攻撃するくらいじゃないと・・・と、聞いておらぬか・・・。さて、間抜けな弟子が起きたみたいじゃから行くとするか・・・達者でのう」




ハクシVSアッシュ&ヤット・・・決着──────




「ハアハアハア・・・まさかわたしの・・・この『天侯爵』の魔法を全て防ぐなんて・・・」


《『天侯爵』か・・・雷雲を使い雷を落とす魔法はエモーンズの魔法使いでも使う人間がいたし他は凡庸な魔法をただ天候に見立てているだけ・・・そんなもので名乗れるなら全ての魔法使いが『天侯爵』と名乗れるだろうな》


「・・・黙りなさい!わたしの魔法は天候すら操れる・・・空を牛耳っているのよ!」


《そうか・・・で?その天候を操りワタシの結界に傷一つでも付けられたか?》


「くっ・・・」


《さて時間稼ぎも必要なくなったのでワタシは帰りたいのだが・・・まだ無駄にマナを消費したいか?『天侯爵』よ》


「・・・覚えていろ魔族め・・・勇者と共に討ち滅ぼしてくれる!」


《出来るならどうぞ》




ペギー&ソニア&シュバルツVSウルティア・・・決着──────




「血だ!もっと血を寄越せ!そうだそれでこそ血の祭典だ!」


「・・・」


《見て分かる通り一人には『魔眼』の能力のひとつ『幻視』を使った。幻視はその名の通り幻覚を視せる能力だ・・・さぞいい幻視(ゆめ)を視ているのだろう。もう一人に使ったのが『従視』・・・眷属化の一歩手前の状態だ。幻視よりも抵抗されやすいが通れば後は血を注ぐだけ・・・幻視が少しの刺激で解けてしまうのに対して従視はある程度の刺激でも解けないからな。欲しいならくれてやるがどうする?》


「く、くれてやるとはどういう意味じゃ」


《言葉の通りだ。血を注ぎ眷属とするがいい・・・過去に勇者の仲間を眷属化させた時はそこそこ使えたぞ?》


「ワ、ワシは結構じゃ!それにもう時間稼ぎは充分・・・ロウニールはここに来ておる!」


《・・・どうやら『未来視』が外れたようだな》


「未来視?」


《未来を視る『魔眼』の能力だ。確実な未来ではなく外れる事もあるが・・・》


「未来・・・何を見たというのじゃ」


《・・・魔王様の復活・・・》


「なに?」


《まあいい・・・今回はそこまでに至らなかったが次こそは・・・またの機会に期待しよう》


「お、おい待て!コイツらは・・・」


《放っておけばじきに解ける・・・眷属を増やしたいのであればそれなりに血を注げ・・・注げば注ぐほどその眷属もまた眷属を増やし一大勢力を築く事が出来るであろう・・・そうやって増やすのが我々のやり方だ・・・まさに『血の祭典』・・・であろう?》


「・・・」


《フッ・・・ベルフェゴールに強引に連れて来られた時は奴に殺意が湧いたが今は感謝している・・・また魔王様に仕える機会を与えてくれたからな・・・いずれ魔王様が復活した時にまた会おう・・・その時はこの地を眷属で溢れかえらせて見せようぞ》




シア&ヴァンパイアVSバベル&ソワナ・・・決着─────




「・・・ぉぃ・・・ぉい・・・おい!起きろ!」


「いっ・・・てぇな!誰だ俺様を・・・あ、すんません・・・」


「いつまで寝てんだ。とっくに終わったぞ」


「終わっ・・・あれ生きてんすか?」


「知らん!ペチペチペチペチとウザイから小突いたら吹っ飛んで行きやがった・・・まあ生きてんだろ。死んだらそこまでの奴だったってだけだ」


「そ、そうっすね・・・じゃあ俺はこれで・・・」


「おいちょっと待て」


「・・・なんすか?」


「せがれがやたらとロウニールロウニール言いやがるが・・・強いのか?」


「はぁ?弱いっすよあんなヤツ!俺様の方が何倍も・・・あ、いや・・・その筋肉ピクピクやめてもらえません?」


「せがれが強えって言うロウニールより強いんだろ?少し味見させろよ」


「いや!ちょっと・・・ほんのちょっと強いかなぁーって・・・まあすぐにでも追い越すんですがね!今だけほんのちょっと・・・」


「ならすぐに追い越せ・・・それでこそ楽しみが増えるってもんだ」


「・・・は、ははっ・・・頑張ります・・・」




ダン&ジルバVSエメンケ・・・決着──────




「おいコゲツ!続けるぞ!」


「おいおい俺ぁこれからアイツと戦わなきゃならねえんだぞ?少しは休ませろよ~」


「うるせぇ!ロウニールがやるまでもない・・・ボクがボコボコにしてやる!」


「・・・難儀だねぇ~お前が言ってた『倒したい奴』ってのはアイツの事かい?」


「・・・」


「あれだけ鍛えたのにまだまだ届かない・・・人を捨てる力を使ってもなお・・・」


「黙れコゲツ・・・ボクは絶対に・・・」


「やめとけやめとけ・・・魔力を使って勝ったとしても人外になって自我を失っちまったら意味がねえ・・・何度も言ったはずだぞ?」


「・・・そうでもしなきゃアイツには・・・」


「そこまでしても届かなかったらどうすんだ?人間やめて鬼になって・・・それでも俺の見立てじゃ届かねえぞ?」


「・・・」


「その面は分かってるって面だな・・・意地っ張りだねぇ~本当・・・頑なに自分の可能性を否定しやがる」


「可能性?はっ、お前は知らないからそんな事が言えるんだ・・・何度戦っても近付くどころか離されて・・・ならボクが取れる手段は・・・」


「てい!」


「っ!?痛ってぇなあ!何しやがんだ!」


「チョップ・・・まだ諦める歳でもねえだろ・・・俺が見せてやるよ・・・お前の可能性ってやつをな」


「・・・コゲツ・・・」


「だから師匠って・・・いや、そうだな・・・お前さんが師匠って呼びたくなるような戦いを見せてやる・・・アイツ・・・ロウニール相手にな」




サラ&シークスVSコゲツ・・・決着──────




「・・・ドラゴン・・・」


《どうやら間に合ったみたいですね。結果は・・・まあヴァンパイアにとっては残念な結果のようですが》


「?・・・何の事を言ってるか知らないけどもう遅い・・・お前は死ぬ・・・」


《別にワタクシは助かったと言っておりませんが?間に合ったと言ったのです》


「・・・どう違うんだ?」


《ワタクシ達はロウニール様より命令を受けていました・・・『人間を殺すな』と。ワタクシはともかく彼等は我慢の限界のようでしたので言ったのです・・・『間に合った』と》


「へん!強がり言っちゃって・・・だったらなんだ?あと少し魔王が来るのが遅れたら僕が負けてたとでも?」


《それはどうでしょう・・・分かりませんが少なくともこれまでのようにはいかなかったかと》


「へぇ・・・だったら今から本気出してみれば?僕はまだ全然余裕だけど?」


《・・・そうですね・・・勝てないかもしれません・・・たとえ本気を出したとしても・・・ですがワタクシ達3人が本気を出したとして守れますか?》


「なに?」


《そこの女を・・・人間を・・・守りながら戦えますか?》


「・・・ラナに手を出したらぶっ殺してやる!」


《・・・言葉が通じませんね。守れるかと聞いているのです・・・もしや守れないと理解している・・・という事ですか?》


「はっ!バカ言うな・・・お前らなんかラナや他の人に手を出そうとしたら瞬殺だ・・・僕が本気を出していたとでも思っているのか?」


《お互い手札を隠していたようですね》


「お前らのは強がりだろ?実際ボロボロじゃないか!」


《ハア・・・これが勇者とはなんと嘆かわしい・・・》


「はあ?何を・・・」


《大陸を周り何人かの魔族を倒したのでは?その魔族は人間の姿をしていましたか?いえしてないはずです。なぜなら本来の姿は忌むべき人間の姿などではないのですから。人間社会に溶け込む為、人間を欺く為、人間に取り入る為に人間の姿となっているのです。無駄な魔力を使用して。変身が得意な者もいればそうでない者もいる。苦手な者ほど余計な魔力を使い本来の力が発揮出来ない・・・かくいう私も変身が苦手な方でして今の姿では思う存分力を発揮出来ません。貴方も本気を出していないとの事でしたがワタクシ達も同じなのです。では何故本来の姿にならなかったか・・・それはロウニール様のお言葉を守る為です。『人間を殺すな』・・・本来の姿になると多少()()が外れてしまい飛び火してしまう事は明らか・・・ですので仕方なく人間の姿に変身したままで戦っていたのです。『間に合った』と言ったのはそろそろ限界だったからです・・・ロウニール様の言いつけを守りここで死に絶えれば貴方達は街へと攻め込むでしょう・・・そして眠りについていたロウニール様に危害を加えていたはず・・・そうなるくらいでしたら言いつけを破り少しでも多くの人間を葬り去る道を選ぶ・・・その後で貴方に殺されようとも、ね》


「話が長い!半分も分からなかったぞ!」


《それは貴方の理解力の問題・・・さて、そろそろ決着の時のようです》


「なに?・・・あ・・・兵士達が・・・」


《元来魔王様と勇者の戦いは6縛りの結界の中で行われるもの・・・どうしてそうなったかご存知ないようなので教えてあげましょう。それは魔王様が・・・》


「面倒だっただけだろ?沢山の人間を相手にするのが」


《っ!ロウニール様!ご無事で何よりです!ワタクシベルフェゴールは・・・》


「長くなりそう!とりあえず黙っとけ・・・なあ?勇者」


「・・・その意見には賛成だ・・・魔王ロウニール」




復活したロウニールと勇者ジークが対峙する


『魔王』ロウニールVS『勇者』ジーク・・・開戦──────

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