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ダンジョン都市へようこそ  作者: しう
二部
516/856

512階 開戦

向かい合う10人と10人


サラとジークが一歩前に出て見つめ合い口を開く


「ここは『ありがとう』と言った方がいいかしら?小さい勇者さん」


「小さいは余計だよ・・・礼はいらない・・・どっちにしろ僕達が勝つからね」


「凄い自信ね・・・その様子ならもう少し甘えても良さそうね」


「なに?」


「戦いに相性ってあるじゃない?だから予め誰が誰と戦うか考えて来たの・・・そっちにとってもやりやすいように考慮してね。どう?受けてくれる?」


「10対10で戦うんじゃなくて?」


「ええ・・・乱戦になると何があるか分からないでしょ?」


「・・・分かった・・・言うだけ言ってみて。けど断るかもしれないけどね」


「もちろんよ・・・じゃあ言うわね。先ずは──────」




サラの提案をジーク達は受けた


ただ一人の例外を除いて


「ふざけんな!俺があの女の提案を受けようって言ったのはあの女と組んず解れつヤレると思ったからだ!何が悲しくてこんな訳の分からねえオッサン2人と戦わなきゃならねえんだ!」


「突然口を挟んだと思ったらそれが目的か・・・」


「非戦闘員のオレの楽しみっていったらそれくらいだろ?オッサン・・・くそっアイツ・・・あの女を殺しやがったらただじゃおかねえぞ・・・」


「ふん、非戦闘員と分かっているなら引っ込んでろ・・・俺がコイツらをさっさと殺してそれでおしまいだ」



勇者陣営『猛獅子』オルシア『不死者』ダンテVS



「おい聞いたか?さっさと殺すとか言ってるぞ?お前の事を」


「私もあの方のように非戦闘員なので貴方様の事では?」


「俺の事?・・・なんだそれなら単なるジョークか・・・リガルデル王国の笑いはつまらねえな・・・少しも笑えねえ」



魔王陣営『大剣』キース『執事』シツジ



「おいコラてめえ・・・どこの誰だか知らねえが逃げるなら今の内だぞ?お前のとこの『剣聖』だっけか?アイツみたいになりたくなきゃな」


「フーリシア王国のキースだ馬鹿野郎・・・その『剣聖』にまぐれで勝ったって聞いたからわざわざ立候補したんだよ・・・お前を倒す役にな。どんな汚ねえ手を使ったか知らないが見せてみろよ・・・その汚い手ごと真っ二つにしてやんよ・・・この大剣でな」



オルシア&ダンテVSキース&シツジ・・・開戦──────




「あ~なんで俺?」


「余ったからよ」


「余った・・・なんかそれショックだな~・・・一応これでも『拳豪』って言われて敬われているのに・・・」



勇者陣営『拳豪』コゲツVS



「敬われている?避けられているの間違いじゃない?髪もボサボサだしなんか臭うし・・・お風呂入ってる?」


「ずっと歩きっぱなしで入る暇なんてある訳ないだろ?てか臭う?」


「ええ。だから風上に立たないで欲しいの・・・もし風上にいたいのなら私に臭いが来ないように横たわってもらえる?」


「えらい言われようだな・・・もしかして喧嘩売ってんのか?」


「これから戦うっていうのに喧嘩売るも何もないでしょうに・・・もしかしてそのボサボサの髪の毛は脳みそから生えてるの?」



魔王陣営『風鳴り』サラ



「口の悪さは魔王級だな・・・こりゃ躾のしがいがあるってもんだ・・・やっとこさ弟子の躾が終わったってのに・・・そういう星の元に生まれたって訳か」


「何が『星の元に生まれた』よ・・・あなたに躾られた弟子が誰だか知らないけど可哀想になってきたわ。どうでもいいけど臭いから早く終わらせましょ・・・屋敷のお風呂は貸せないけどいいお風呂屋を紹介してあげるわ──────」



コゲツVSサラ・・・開戦──────





「分不相応・・・変更希望・・・」


「なんじゃ?まともに喋れんのか?ぶ・・・何が言いたいのかさっぱり分からん」


「直截簡明・・・理解・・・死呂」



勇者陣営『忍者』アッシュVS



「お主・・・今理解しろをわざわざ変な言い方したじゃろう・・・何なんじゃお主は・・・」


「・・・我が師から忍者たるもの喋り過ぎるなと言われておってな。拙者は生来喋るのが好きなのでどうやって喋らなくするか考えた時に言いたい事を四文字にして話せばお喋りもなるのではないかと考えて今に至るのだ。ちなみに最初に言ったのは貴様じゃ相手にならないから別の奴に変更しろと言った。次に分かりやすいだろ?理解しろと言った・・・分かったか?老人」


「お、おぉ・・・堰を切ったように喋るのう・・・ちなみにワシの名前は老人ではない・・・ハクシじゃ」



魔王陣営『老人』ハクシ



「名前などどうでもいい。拙者の禁を破るとは愚かな・・・これでもう貴様は殺さなければならない。拙者がベラベラと喋っている姿を見て生きているものは・・・数人しかいないからな」


「なんともはや疲れるヤツじゃ。そこは『誰もいない』の方が聞こえがいいだろうに・・・」


「上意下達・・・次回修正」


「いきなり戻るな・・・ハア・・・もう良い・・・口で語らず拳で語ろうか──────」



アッシュVSハクシ・・・開戦──────





「どうして私の前に2人いるのかしら?」


「戦力的に考えるとこうなった・・・まあ気にしなさんな」


「気になるわよ!」


「ふ、不束者ですがよろしくお願いします」


「嫁入りか!」



勇者陣営『天侯爵』ウルティアVS



「緊張しなくていいわ。実力は私と遜色ないしあとは実戦経験だけ・・・戦いながら徐々に慣れていきましょう」


「はい!」


「・・・何よこれ・・・学校の授業か何かなの?」


「まあそう言いなさんな天侯爵・・・世に名が知れた教材を前に出来る機会なんてそうそうないし学びたくなるのも仕方ないだろう?」


「是非御教授お願いします!」



魔王陣営『爆炎』ソニア『爆乳』ペギー



「人を教材言うな!・・・・・・それにしてもアンタ・・・適性が魔法で良かったわね」


「?・・・どういう意味ですか?」


「私も同意だわ・・・色気じゃ負ける気はしないけど・・・ねえ?」


「ええ・・・激しく動いたらもげそうね」


「なっ!?・・・2人してどこ見て言っているんですか!」


「どこって・・・本体?」


「ソニアさん!」


「『クエイク』!?・・・いや揺れただけか・・・」


「天侯爵さん!」


「やるな天侯爵」


「そっちこそケバ女」


「・・・」


「・・・」


「・・・」




ウルティアVSソニア&ペギー・・・開戦──────




「ハア・・・やる気でねえ・・・」


「なんでだ?」


「お前1回やられたろ?何シレッと戻って来てんの?」


「うるせぇ!あれは不意打ちされただけで・・・てかなんで武器を持ってないんだよ!素手で俺様に勝てるとでも思っているのか?」


「何お前・・・俺の事知らないの?」



勇者陣営『神の手』エメンケVS



「知らねえよ。お前こそ俺様の事知ってんのか?」


「ウルティアに気絶させられたヤーツ」


「ぶっ殺すぞ!」



魔王陣営『気絶』ダン



「てか知る訳ないだろ?こんな片田舎の冒険者なんて・・・もしかして有名な奴だったりする?」


「・・・これから有名になる予定だ」


「へえ・・・良かったね」


「何がだ?」


「有名になるのが少し早まって。ちゃんと墓標に刻んであげるよ・・・『神の手にやられし魔王の手先ここに眠る』ってね──────」



エメンケVSダン・・・開戦──────




「おい・・・これは何かの間違いか?」


「さあね。アタシに聞かないで目の前のお嬢ちゃんに聞いてみれば?」



勇者陣営『狂乱』バベル『神鎗』ソワナVS



「やれやれ・・・確か殺してはいかんのだったか・・・めんどいのう・・・」


「な、何あれ幼い子の喋り方じゃないだろ!」


「だからアタシに聞くなって!・・・まあでもここに来るってことは只者じゃないのは確かよね・・・見た目で油断するなって教えてくれてるんじゃない?あの喋り方で」


「そうなのか?・・・けどあの子を血塗れしたらドン引きだよな?」



魔王陣営『吸血』シア



「陛下に怒られるかもね。陛下って体裁とか気にする人だし。『人将のバベルが幼い子を血塗れにした!』なんて評判が流れたら国交にも影響するかも」


「うへぇ・・・じゃあ任せるわ・・・よろしく」


「ちょっと!アタシだって『陸将のソワナが幼い子を串刺しにした!』なんて言われたら陛下に怒られるわよ!」


「じゃあどうしろって言うんだ?このまま周りが終わるまで待ってるか?」


「それもいいわね。適当に戦っているフリをして・・・」


「・・・話し合いは終わったか?」


「ええ・・・ちょっとおままごとに付き合ってもらうわ」


「血は出すなよ?たとえ幼い子でも抑えられないかも」


「この血狂いが・・・」


「血?・・・血なら大量にあるぞ?ワシの血に埋もれて死ぬが・・・倒れるがよい」


「ちょっ──────」



バベル&ソワナVSシア・・・開戦──────




「ちょうどいいや・・・超えるはずだった壁が向こうから来てくれたんだからな」


《壁?そういやお前・・・壁っぽい顔してるよな》


《どっちが・・・それに彼が言う壁とは見た目ではないと思うが・・・》


「ジーク・・・大丈夫なの?」


「ああ・・・必ず越えてその勢いで魔王を倒してやる!」



勇者陣営『勇者』ジーク『幼馴染』ラナVS



《魔王・・・ね。まあロウニールが倒したのは本当っぽいしインキュバスっぽいし・・・魔王と言えば魔王かな》


《目の前に居らずとも一応『ロウニール様』と呼べ。仕えると決めたのだろう?》


《暇だったしな。けど魔力の使い方を俺が教えてやったんだぜ?周りに誰かいれば立てるけどよ・・・いないのに『様』って言うのも何だかなぁ》


《いいじゃないか・・・刺激を提供してくれて魔王様の代わりをして下さるだけでも敬うに値する・・・そうだろう?》


《・・・お前とベルフェゴールってそういうの絶対楽しんでるよな》


《否定は出来ないな。その点ヴァンパイアは受け入れ難いみたいだが》


《アイツはアイツで思うところがあるんだろ・・・まあいいや、せっかくだから楽しもうぜ》



魔王陣営『錬金』ベリト『溶固』バフォメット



「越えてやる越えてやる・・・越えてやる!!」


《熱いな勇者・・・お前前回はどこで殺られた?》


《魔王城の中だな。お前は?》


《魔王城の手前。今回と同じような感じの場所で殺られた。まあ状況は全く違うけどな》


《なるほど・・・どちらかが魔王になるのも悪くなかったがこれはこれでいいものだ・・・もしかしたら誰かの下に付く方が性分的に合っているのかもな》


《言えてる・・・しかも『殺すな』って制限付きなんてなかなか味わえるもんじゃない・・・お前と組んだらあっさり終わるかもと心配したけど充分楽しめそうだ・・・なあバフォメット》


《そうだな・・・それに共闘するなどこれまでなかったからどうなるか楽しみだ・・・死んだら後がないのもまた心地好い緊張感をもたらせてくれる・・・『殺さず殺されない』・・・はてさてどうなる事やら──────》



ジーク&ラナVSベリト&バフォメット・・・開戦──────

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