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ダンジョン都市へようこそ  作者: しう
二部
382/856

378階 主とメイド

良かった・・・1週間分の溜まりに溜まったものを解放した感じ・・・あの後ご飯を食べて二回戦目に突入・・・我慢は体に良くないって言うが我慢の先にあるものもまた何とも言えない・・・


「・・・何を考えてるの?」


「えっふぉ・・・なふぇほっふぇをつねっふぇふんふぁ?」


昨日の至福の時を思い返していると横に寝ていたサラがいつの間にか起きていて僕の頬をつねる・・・しかも強めに


「なんでほっぺをつねるかって?朝からニヤニヤして何を考えているか気になったからよ・・・まさか昨日の事を思い出してた訳じゃないわよね?」


「・・・」


「ちなみにもう二度とやらないからね?夜はともかくあの・・・」


そう・・・恥じらうサラの身体を隅々まで調べ湿ってくる下着を見た時の興奮度と来たらもう・・・イタタタタ!


「だ~か〜ら〜思い出すなって言ってるの!」


痛い・・・けどもう一度やりたい・・・触れずにじっと見つめていると恥ずかしいのか見つめている部分がヒクヒク動いたりキュッと締まる様が何とも・・・


「絶対にやらないからね!次やろうとしたらほっぺ引きちぎるわよ!」


「・・・ふぁい・・・」


週一でやろうと思ったが月一にしとこう・・・それなら許してくれるはず・・・多分・・・


「それで・・・聞きそびれちゃったけど服はどうしたって?」


「ああ、サキに頼んだ。僕は防寒用のマントを作ってもらってサラは同じメイド服で冷気耐性を付与してもらう予定だ」


「・・・私もマントで良かったんじゃ・・・」


「マントで隠したら身体が見れないだろ?」


「・・・」


「む、無言でつねるのはよして!怖いから!」


なぜ怒るのか理解不能だ・・・別に普段より露出してと頼んだ訳でもないのに・・・


「ご主人様、お食事の準備が出来ましたが如何致しましょうか?」


ドアがノックされ扉の奥からアダムの声が


「分かった。すぐに降りる」


「畏まりました」


アダムはそう言うと部屋の前から立ち去った。以前はノックして返事があれば中に入って来ていたアダムだが最近は用事がない限り部屋の中には入って来ない。アダムだけではなくメイド達もだ


専属メイド・・・まだメイドを続けるサラが僕の専属メイドになった理由はこの屋敷に勤める全員が知るところ・・・もしノックして部屋に入った時に僕とサラが行為中だったらと恐れているのだろう


「サラはどうする?行く?」


「ハア・・・服を着るから先に行ってて・・・」


「待ってようか?」


もちろん着替える様子は見させてもらうけど・・・


()()()()()()


「・・・はい・・・」


残念ながら企みがバレてしまったので渋々1人で1階へ


食堂には既にジェファーさん、ナージ、セイムが既に座っており目の前に朝食が並べられているのに食べずに僕を待っていた


サラが来るまで待っていようかと思ってたけど僕が食べ始めないと3人も食べれない為に席に着くと並べられた料理を食べ始めた


「そう言えばロウニールって全ての国を回っている最中だっけ?今はどの国なの?」


「ラズン王国で今はシャリファ王国の手前です」


「シャリファ王国か・・・寒いって噂だけど防寒対策は大丈夫なの?」


「それで一旦屋敷に戻って来たんですよ。ラズン王国からリガルデル王国経由でシャリファ王国の国境付近まで来たら寒くて・・・」


「あーなるほどね」


食べながらそんな他愛もない話をしているとサラが食堂に入って来た


その瞬間、壁際に立っていたメイド達の空気が変わる。恐れ?緊張?・・・とにかく空気がピリつき場の雰囲気が変わったのは確かだ


「おはようございます」


深々と頭を下げるサラ。一応メイドとしては僕はもちろんジェファーさん達3人にも仕える立場にある為礼儀を尽くしている


専属メイドだがアダムやグレアよりも下の立場だ


「サラ、ここに」


「はい、ご主人様」


僕の斜め前の席に座るよう指示するとサラは断らず移動し席に着く


多分他の貴族の屋敷では信じられない光景なんだろうな・・・あまり僕は気にしていないがテーブルの座る位置には意味があるらしい


入口から1番奥が僕。そして左右に並んだ席は僕に近い程その屋敷の中での地位が高い事を意味する


ジェファーさん達はそれが分かっているのか2つほど席を空けて座っているにも関わらずメイドであるサラは僕のすぐ傍に座る・・・本来メイドは主と食事をとる事はないし1番近くに座るなんて以ての外・・・そういう慣習があるせいで『信じられない光景』となり変な空気が流れてしまう


僕としては早くサラを妻に迎えて微妙な空気にならないようにしたいのだけど彼女はメイドをまだ続けると言い張る


僕の今の地位なら結婚すれば料理や掃除、洗濯などする必要ないと思うのだけど本人が続けたいって言っているのを無理矢理辞めさせるのは気が引けるしなぁ・・・


「・・・ご主人様」


「うん?・・・えっと・・・君は確か・・・アムロ?」


「マウロです!ご主人様にお願いしたい事がございます」


「マ、マウロさん!」


あー、そうマウロマウロ・・・確かラルと共に王都に行ったメイドの1人だな。お願いしたい事ってなんだ?グレアが必死に止めようとしているけど・・・


「そちらに座っているサラの事は聞きました。Sランク冒険者で現在はご主人様の専属メイド・・・その事は理解していますが立場を考え節度というものが必要ではないでしょうか?」


「マウロさん!いい加減にしなさい!ご主人様になんて事を・・・」


「グレア構わない・・・で?お願いというのは?」


「事情があるとは言えメイドはメイド・・・サラと私達を・・・同列に扱って頂きたいのです」


「・・・一緒に食事をするとか?サラみたいに」


「いえ、逆です。ご主人様とメイドが共に食事をとるなど以ての外・・・しかも無知とはいえその席は本来奥方が座る位置・・・メイドごときが座る場所ではございません・・・サラも私達と同様に裏で賄いを食べるべきかと」


裏で賄い?別に食堂で普通に食べればいいのに・・・けどマウロが自信満々に言うからそっちの方が正しいように思えてきてしまう


「・・・失礼致しました。私が無知な為にご主人様にご迷惑を・・・」


それまで黙って食事をしていたサラが手を止めて立ち上がり食器を片そうとしている。サラは僕の言葉に従っただけだから謝る事なんてないのに・・・


「まさかご主人様がゴツゴツとしたした硬い肌の女性が好きでしたとは・・・私もご主人様に気に入って頂けるようこれから鍛えようかしら?」


「いや、柔らかいぞ?」


と、つい口走るとサラに思いっきり睨まれた・・・なぜ・・・


「・・・私が専属に選ばれたのはそのような理由ではありませんよ?マウロさん」


「へえ・・・それでしたらどのような理由で選ばれたか気になりますね・・・今後の参考に教えてもらえませんか?ご主人様に気に入って頂ける方法を。はっきり言って肌の硬さを除けば全てにおいて私の方が上・・・ご主人様にとっても私を選んだ方が得るものは大きいと思いませんか?」


え?なんか始まった?


サラは食器を持ちながらマウロと対峙している・・・僕が出ればすぐ解決しそうだけどとりあえず黙って2人を見守る事にした


「・・・私を選ばれたのはご主人様です。気になるのでしたらご主人様にお聞きした方がよろしいのでは?」


「そうですか・・・では後日その辺はご主人様にご教授頂くとして・・・ご主人様、知らなかったとはいえご主人様と同じテーブル・・・しかも御三方より上座に座るなど愚の骨頂・・・謹慎など軽い罰ではなく鞭打ちなどの罰を科すべきではありませんか?」


まさかのプレイ内容のアドバイス・・・そう言えば聞いた事があるな・・・痛みを与えて喜び、痛みを受けて喜ぶブレイがあると・・・サラはどっちだろう?僕は痛みを受けるのは嫌だな・・・


「ご主人様?」


「あ、いや・・・私がここに座るよう指示したのに罰するのはおかしいだろ?それに常々私は皆で食事をとりたいと言っている・・・その私が一緒に食事したからと言って罰するのはおかしくないか?」


「サラに知識があればキチンと断れたはずです。ご主人様は何も悪く御座いません。それと一緒に食事をしたいというお気持ちは大変嬉しく思いますが給仕の仕事もあります。それにお客様が突然来られた時にこのような痴態を晒すべきではないと愚考します」


急な来客が来たところで食堂には遠さんだろうという冷静なツッコミはさておき、主とメイドというものはそういうものなのかもな・・・僕が王様に跪くようにメイドもまた僕に無条件で従うようになっている。なのでマウロは立場を弁えろって言いたいのだろう


けど一緒にテーブルを囲っただけで醜態ってのは自分達を卑下し過ぎじゃないのか?


「閣下、少しよろしいですか?」


食事を終えたのかナージがハンカチで口元を拭きながら軽く手を上げる


「なんだ?」


「そこのメイドの言う通りではありますがそれはあくまで一般的な礼儀であります。この屋敷の主はあくまで閣下・・・閣下のお好きなようになされて何ら問題ないかと」


「・・・」


おお・・・サラにまさかの援軍が・・・マウロが横目でかなり厳しい視線をナージに送るが当の本人は気にすることなく話を進める


「郷に入っては郷に従えと言います。屋敷のルールは閣下の望むように・・・意にそぐわない者は辞めればいいだけです。給仕の仕事など交代でやればいいですし閣下とメイド達が共に食事をしているのを醜態と断じる者など切り捨ててしまえばいいのでは?」


切り捨てちゃダメだろ


だけどナージの言う通りここは僕の屋敷・・・別に他の人が作ったルールに従ったり慣習に合わせる必要はない。ぶっちゃけ『全員屋敷内では裸!』なんて無茶苦茶なルールもオッケーって理由だ。嫌なら辞めればいい・・・やらないけど


「・・・らしいけどマウロ・・・反論はあるか?」


「・・・御座いません。差し出がましい事を申し上げまして申し訳ありません・・・」


「構わない。みんなも私が間違っていると思ったら気兼ねなく意見してくれ。それに対する罰など与えるつもりはない」


上役に意見するなんてなかなか出来るものじゃない・・・マウロはかなり度胸があるみたいだな。僕だってケインには逆らえずに・・・


食堂のドアが勢い良く開いた


振り向くとそこにはエイムの姿


「兄さん!話が違う!!」


「・・・あー、みんな・・・ああいうのはナシだ」


勝手に勘違いして文句を言うのはダメだ・・・しかも食事中に乱入するのは問題外


「ナージ、ケインに伝えろ・・・配下の教育がなってないぞ、とな──────」

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