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ダンジョン都市へようこそ  作者: しう
二部
307/856

303階 パーティー結成

王都に来た目的は達成した


サラはSランクとなり僕は余計な者まで雇う事になってしまったがまあ予定通りだ


で、エモーンズに帰る段取りをして馬車に乗りいざエモーンズへ・・・旅の最中は行けなかったケセナにサラと2人で行こうと思っていた・・・けど・・・


「どうしました?」


「なんでもないよ・・・セシーヌ」


僕の返答にニコッと微笑む聖女


そう・・・エモーンズへの道のりは僕とサラ・・・そしてセシーヌとエミリが同じ馬車に乗る事になった


そりゃあサラが護衛の依頼を受けてるから近くにいるのは当然だし?美女に囲まれて嬉しい気持ちはあるけどさ・・・けどさぁ・・・


「もしかして・・・お邪魔でしたか?」


「全然全くお邪魔じゃないよ・・・うん」


顔に出てたか?


もちろんセシーヌの事は嫌いじゃないし一緒にいるのは楽しい・・・目の保養にもなるし


けどこの組み合わせはないだろ・・・セシーヌと話しているとサラから視線を感じるしサラと話しているとセシーヌからの視線・・・エミリと話した日には2人からの視線・・・と言うか圧力を感じる・・・エモーンズまで持つか?僕の胃は



セシーヌ達がエモーンズに行く理由は前と同じ布教活動の為らしい。多分表向きだけど


次代の聖者聖女が確定し余裕があるのも手伝ってセシーヌの父親であるゼンは特に反対はしなかったとか・・・現金なヤツだ。結局自分の娘の幸せより自分が大事だったみたいだな


「それはそうとロウニール様・・・一体何人の女性とお付き合いされているのですか?」


「へ?」


「お屋敷より出発する際のメイド達の並々ならぬ感じ・・・ただの主人とメイドには見えませんでしたが?」


突然涙ながら『やっぱり私も連れて行って下さい』と訴えるメイドを見たら勘違いするわな・・・そのせいで月に一回は王都に顔を出す羽目に・・・冷静に考えるとエモーンズにいて月に一回王都に行くって普通は無理な話だ。僕はゲートがあるから余裕だけどね


「主人思いのメイド達なんだよ・・・彼女達は。主人とメイド・・・それ以外の何物でもないよ」


「そうですか・・・主人想いの・・・」


なんだか『おもい』に違いを感じるが・・・気のせいだろう


しっかし困ったな・・・サラと1ヶ月近くイチャイチャできないのもキツイがそれよりもっとキツイのはこの状況だ


馬車の中で4人が缶詰め状態・・・話はあらぬ方向に向かう可能性もある


そんな状況にいつまで耐えられるか・・・


「ひとつお聞きしたいのですが」


「・・・どうぞ」


「お2人はもうおセッ〇スはされたのですか?」


・・・いきなりあらぬ方向に行きやがった


セシーヌの唐突な言葉に目を見開くサラとエミリ


僕がどう返答するか固唾を飲んで見守る


どう答えれば正解なんだ?いやそりゃあいい歳の2人が付き合えばそんな関係になるでしょうよ・・・言ってみれば『聞くまでもない』事・・・それをあえて聞いたのは何かの意図が?・・・いや、セシーヌがそんな事を考える訳がない。となると単純に興味本位か・・・


嘘をついたら『真実の眼』でバレるし・・・そもそも嘘をつく理由もない。かと言って堂々と『やりました』なんて言うのもなんだか・・・ううっ・・・早速胃が痛い・・・


「きゃ!」


その時馬車が少し揺れると物理の法則を無視して正面に座っていたセシーヌが僕に飛び込んで来た


そんなに揺れた訳でもない・・・車輪が小石を踏んだ程度の揺れ・・・お尻が浮くくらいの揺れでどうやったら対面の僕に抱きつくような状態になる!?


「ごめんなさい馬車に慣れていなくて・・・」


慣れとかの問題じゃないだろ!・・・いや、役得と言うかいい匂いと柔らかさが・・・


「セシーヌ様・・・はしたないですよ?」


「あら?ただ揺れのせいで倒れそうになっただけですのにサラ様にはそれがはしたない行為に映ったのですか?もしかして頭の中でそのような事ばかり考えているのでそういった邪推をしてしまうのですか?」


「真昼間からおセッ〇スなどと発言される方に言われる筋合いはないと思いますが?」


バチバチと火花を散らす2人


どうか飛び火しないようにと願うもよく考えたら燃え盛る炎の中心にいたんだった・・・そりゃあ胃も痛くなるわな


さすがに場が持たない・・・どうにかしなくてはと考え閃いたのは・・・


「ゲート」


逃げる・・・のではなくある物をゲートを開いて取り出した


「・・・ロウニール様・・・それは・・・」


「変身能力を付与した仮面・・・これは2人に」


僕は予め作っておいた仮面を二つセシーヌとエミリに渡した


場が持たない・・・かと言って僕とサラだけで出掛ける事も出来ない・・・それならみんなで行けばいい


「変身・・・ですか?」


「うん。馬車の中でずっと座っているのも退屈でしょ?だから別人に変身してゲートで抜け出しダンジョンにでも行こうかと」


「ダンジョン・・・ですか・・・面白そうですね!この仮面を被ると変身出来るのですか?」


「そうそう・・・仮面を被ってなりたい姿を想像してマナを流せば変身出来る。あまり大きな変化はマナを大量に使うし維持も大変だからなるべく小さな変化の方がいいかも・・・って、セシーヌはマナ量が多いから平気だと思うけど・・・」


僕の眷族に近い状態のサラとセシーヌはマナ量が多いけどエミリは・・・


「大丈夫です。エミリも最近マナ量が増えたので・・・ね?エミリ」


「・・・はい・・・」


「そう?なら問題ないか・・・僕は今から一旦エモーンズに行って2人のギルドカードを作って来る。変身の事で分からなかったらサラに聞いて」


「ギルドカードですか?」


「僕とサラでダンジョンに入ってから2人を呼んでもいいけどどうせなら冒険者として正規の形で入った方がより冒険者っぽいでしょ?そんなに時間掛からないと思うから・・・てな訳でサラ、あとはお願い」


「畏まりました。休憩などはどうされます?ご主人様がいらっしゃらないと怪しまれると思いますが・・・」


「ああ・・・ゲッセンには伝えておくよ」


ジケット達だけならまだしもゲッセン達にはゲートの存在は知られたくないしね


エモーンズに戻る前にゲッセンに行きと同じように『決して開けるな』と言うと物凄いイヤな顔をされた。まさか僕が3人を・・・なんて考えているのかも・・・



誤解を解く間もなく僕は馬車の中でゲートを開きエモーンズのダンジョンへ向かいサキに2人のギルドカードの作成を依頼する


慣れたもんですぐに作り終えて馬車に戻ると・・・見てはいけないものを見てしまった


「・・・」


「・・・」


何故かセシーヌのままで胸の辺りが大きく膨らんでいた。幼い顔立ちになんともアンバランスな・・・いや、これはこれでアリだけど・・・


「ち、違うんです!これは・・・」


「ロウ!いきなり戻って来るなんて非常識だ!」


「おいたわしやセシーヌ様・・・殿方にかのような姿を見られてしまうとは・・・」


「待て・・・ちょっと待て。僕は変身しといてくれって言ったんだけど・・・」


誰も遊べと言ってない


「・・・ロウニール様の性癖が特殊なせいです」


なぬ!?


「まさか私を選んだ理由が乳袋とは・・・」


ち、乳袋!?


「初恋の相手、現彼女・・・2人共見事な胸をしています・・・つまりロウニール様は・・・」


ペギーにサラ・・・いや、確かに大きいけども!


「・・・ちなみにどうですか?私の・・・」


胸を持ち上げ僕に尋ねてきたが・・・答えん!答えんぞ!答えたら色々まずい気がする・・・いや、確実にまずい!


「いいから早く変身して!全員男な!」


そう言ってギルドカードを2人に渡す


「・・・セシオン・エン?」


「エミオス・ジッジョ?」


「2人の冒険者としての名前だ!なるべく誰かに似ているとかはやめてオリジナリティー溢れるオッサンになってくれ」


「オリジナリティー??」


「・・・なんでオッサン限定なのですか?」


「冒険者ギルドに出入りしたりするんだ・・・余計なトラブルは避けたいだろ?注目されたりしたらトラブルの元だししがない冒険者パーティーがやって来た程度なら注目されないだろうしトラブルも起きない・・・はず」


「そうなのですね。でもその・・・オリジナリティーとは?」


「有名な人に似てたりしたら注目されるだろ?だからそういう人に似ないように・・・難しければセシーヌの場合だとよく治療に来るようなオッサンをイメージしてもいいかも」


「よく治療に来る・・・分かりました。やってみます」


「私は過去にころ・・・んんっ・・・なってみます」


エミリ今『殺した』って言おうとした?


ま、まあいいけど・・・既にこの世にいない人の方がバレにくいだろうし・・・



なんだかんだあってようやく4人のオッサンパーティーが完成した


顔はオッサンで服は修道服のままとか仕草が女で見た目がオッサンとか色々と直すところがあって大変だったけど・・・まあそんなに他の人と長い時間いる訳じゃないしバレずにいけるだろう


「ロウニール様」


「ロウハーな。それと『様』禁止で」


「・・・ロウ・・・ハー・・・私ダンジョン初めてなのですがどのようにすればよろしいでしょうか?」


「『俺様ダンジョン初めてなんだけど何すりゃいい?』」


「・・・お、俺様ダンジョン初めてなんだけど何すればいい?」


「そう、そんな感じ。別にそんなに本格的に攻略するつもりはないから適当でいいよ。何なら試してみたいやつやってもいいし・・・近接アタッカーとかタンクとか・・・」


「ほ、本当ですか?では近接アタッカーをやってみたいです!」


へえ・・・ある意味真逆なものを選んだな


「武器は何がいい?剣、槍、斧なんでもあるよ」


「・・・では剣でお願いしま・・・剣で頼まぁ」


ちょっと違うけど・・・まあいっか


「俺は魔法使いってのに興味があったが魔法を使えなきゃ意味ねえしな・・・」


「エミリ・・・エミオスは随分と様になってるな。魔法使いになりたきゃなれるぞ?」


「え?どうやって・・・」


「ちょっと待てろ・・・・・・あった、これこれ。フェイクフラワーって魔物の能力を付与した杖。マナを流せば杖先から水が飛び出る優れものだ。威力の調整はマナ量で、形状はイメージで変更出来る。簡易水魔法使いの杖って感じかな?」


「・・・凄い・・・これで私も魔法使いに・・・」


エミリは杖を受け取るとまじまじと見つめていた。さっきは完全にエミオスを演じていたが素に戻ってしまっている。まあ馬車の中では別に素でもいいけど・・・違和感がやっぱりあるな


「サラート・・・君がなりたいものはあるか?ムルタナでは近接アタッカーをしていたけど別に街中で披露した訳でもないし希望があれば・・・」


「ふむ・・・無理を承知で言うが・・・ヒーラーを・・・」


「出来るよ。ヒーラーアントの魔核を付与した杖を使えばね。ヒーラーアントが出す分ぴ・・・」


「ブンピ?」


「・・・能力をマナを流せば使える杖だ。これで君も今日からヒーラー!」


「何か誤魔化してないか?」


言えない・・・ヒーラーアントのお尻から出る分泌液・・・それが回復薬である事を。まあ魔核はただの能力だし杖から出る分ぴ・・・液体はヒーラーアントから出たものではないけど・・・印象悪くて使いたくなくなること請け合いだしな


「とにかくこれで3人の役割が決まった訳だ。3人がそれなら僕は・・・タンカーになる」


近接アタッカーで剣士のセシーヌことセシオン


後衛アタッカーで魔法使いのエミリことエミオス


回復役のヒーラー、サラことサラート


盾役のタンカー、ロウニールことロウハー


この4人でケセナ近郊にあるダンジョンに挑む──────

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