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ダンジョン都市へようこそ  作者: しう
一部
159/856

156階 フラグ?

素敵な笑顔でおセ○クスと言われて言葉を失ってしまった


僕が放心状態になった事で察したセシーヌとそれまでほとんど表情を崩さなかったのに顔を真っ赤にして手で顔を覆うエミリから色々と話を聞いた


何の事は無い


聖女や聖者として生まれた彼女らは子孫を残す義務がある


当然子孫を残す為の行為もかなり早い内から教えられるそうだ


それに聖女や聖者は教会だけに留まっている訳ではない


今回みたいな遠征はほとんどないけど、出張治療は結構あるらしい


その中には王都の歓楽街も・・・手前の方の店も奥の方の店からも呼ばれる事はあり、そこでその店の実態を知る事になる


つまり・・・聖女は純真無垢で何も知らないと思っているのは周りの勝手なイメージであり、下手したら僕よりも詳しいかも知れないのだ


ただひとつ・・・どうやら奥の店に関してはどんな店かは知っているけど曲解されて教えられているみたいだけど・・・


「でも大変ですね・・・男性はお金を払ってまでおセ○クスの練習をしないと結婚相手を上手くリード出来ないなんて・・・ロウニール様も練習を?」


「いや僕は!・・・まだです・・・」


お金を払って女性と行為に及ぶ・・・それは何故かと言うとセシーヌは練習だと言い聞かせられてきたらしい


これに関しては・・・うん、否定しないでおこう


「そうですか・・・ところで私に歓楽街の事でお話があるとの事でしたが・・・閉まっている事と関係が?」


「はい・・・いや、その・・・」


「セシーヌ様・・・恐らくこの街の領主が歓楽街の閉鎖を支持したのでしょう」


「エミリ・・・なぜです?」


「教会とほど近くセシーヌ様には似つかわしくない場だからです」


「私に似つかわしくない・・・なるほど・・・確かに私が行くと浮いてしまいそうですね。ですがそれは閉鎖する程の事ではないのでは?」


「あー・・・ほら、店に行く人は結構騒ぐし・・・教会に近いからうるさいかなって・・・それにお酒を飲むと暴れる人も多くてセシーヌ様の手を煩わせる事もあるって思って・・・」


だいぶ苦しいけど本当の事は言えないしな・・・


「ふふっ・・・そこまで近くはないですし、音くらい問題ありませんよ?それにお酒を飲んで暴れるのはそれだけストレスが溜まっている証拠・・・溜め込むより適度に発散させた方が良いかと思いますし・・・治療を行う事は信者を増やすきっかけにもなりますしむしろ歓迎・・・あっ、怪我して欲しいって訳では無いですよ?」


なんてこった・・・結局歓楽街を閉鎖したのは無意味だったって事か・・・


「私が居る事で取り繕う事は一切ありません。むしろ普段通りにして頂かないと見えてこない事もありますから・・・」


「見えてこないこと?」


「ええ・・・何を悩んでいるのか問題はどこにあるのか・・・それらをセーレン教の教えで救えるかどうか・・・その辺が見えてきませんので。それに何か問題があってもエミリ達や護衛の方々が守ってくださいますし兵士であるロウニール様も守って・・・くださいますよね?」


「え、ええ・・・」


「なら問題ありません。近いと言えど隣という訳ではないので先程仰ってた音なども聞こえないでしょうし・・・私から領主様にその旨お伝えしましょうか?」


「い、いえ!僕から伝えておきます!」


「そうですか・・・もし再開したら私も一度くらい・・・」


「それはダメですセシーヌ様」


エミリに止められてしょぼんとするセシーヌ


まあ、遠くで見るだけならまだしも実際行ったら・・・歓楽街がひっくり返りそうだな



勝手な想像で歓楽街を閉鎖していたのは全くの無駄だった


その事を伝えるべくもう少し話でもと言ってきたセシーヌにまた今度とだけ言い残し教会を後にして衛兵所へと戻った


そして・・・


「・・・なるほど、しっかり教育は受けている訳だ。理想像を勝手に押し付けて無駄な配慮をしていたと」


「そうなります。逆になぜ閉鎖しているのか疑問に思ってた程で・・・」


「分かった。領主にはその事を伝えておこう・・・今日はもう帰っていい・・・明日からまた門番に戻れ」


「ハッ!・・・あっ・・・そう言えば・・・」


「なんだ?」


「組合にも何か依頼したようで・・・それも・・・」


「・・・まあそうだな。歓楽街が再開すれば見回り強化する場所も限られてくる・・・組合に特別冒険者達を管理してもらう必要もないか・・・ジェイズどう思う?」


「問題はないかと。ただ今まで見逃してきた些細な事でも捕まる事を冒険者達に伝えてもらえれば・・・」


「そうだな。ロウニール、帰る足でギルドに向かいギルド長にその旨伝えろ」


「ハッ!」


よし・・・これでサラさんの負担が少しは軽くなるはず・・・良かった良かった



衛兵所を出たその足でギルドに向かい、よそよそしいペギーちゃんの許可を得てギルド長の部屋に・・・そしてケインに言われた事をそのままギルド長に伝えた


ギルド長も結構神経を使ってたみたいで、聞いた瞬間喜びを爆発させていた


歓楽街・・・侮りがたし・・・



「あっ、師匠!」


ギルド長の部屋を出て1階に戻るとサラさんとセンジュがちょうど戻って来ていた


「どうやらその顔だと上手くいったみたいだな。まさか追い返したりはしていないだろうな?」


「してませんよ・・・どうやら周りが勝手に勘違いしてただけみたいで・・・セシーヌ様はエモーンズに残り歓楽街は再開します。組合も管理強化はしなくていいって言ってました」


「そうか・・・なら見回りも歓楽街が再開するまでとしよう・・・そうなったら久しぶりにダンジョンに潜ってみるか・・・」


「おっ!それなら俺も一緒に行くぜ!魔物相手にこの俺の実力を見せて・・・」


「要らん」


「・・・じゃあロウニール!俺と一緒にダンジョンに行かねえか?」


「へ!?」


なぜサラさんが断ったら僕なんだ!?


「弟子のお前から俺が如何に強いか伝えてくれよ・・・人相手だとなかなか本気出せねえからよ・・・なっ?」


いや無理だって!僕が僕のままダンジョンに入ったら魔物達はマスターが来たと認識して襲って来ないし・・・


「ロウニールを巻き込むな。行くなら1人で行け」


「1人だと寂しいじゃんよぉ・・・なあ、ロウニール・・・頼むよ、稼ぎは全部お前にやるからさ・・・お前は一緒に来て俺の活躍を師匠のサラに伝えてくれればいいだけだからよ・・・なっ?」


アピールに僕を使うな


でも正直センジュの本当の実力は気になるな・・・Sランクに最も近い男・・・それってどれくらい強いんだ?


けど仮面をつける訳にもいかないし・・・うーん・・・


「なんだ?不安なのか?別にお前は何もする必要ねえしもし不安ならガチガチに防具を着込んで来てもいいぜ?なんなら俺が防具代も出してやるぜ?」


どれだけ必死なんだよ・・・でも待てよ・・・防具か・・・


「・・・明日から門番の仕事に戻りますので次の休みの日でもいいですか?」


「ロウニール!?」


「おっいいぜ!いつが休みだ?」


「3日後が休みなのでその日で・・・ダンジョンは訓練所以外行った事ないのでそれまでに準備しておきます・・・後で請求しますね」


「ロウニール・・・無理する必要はないぞ?ダンジョンに行ってみたいなら私と・・・」


「チッチッ・・・サラ、これは男と男の友情だ・・・引っ込んでな。ちなみに俺と一緒に行くって言うならロウニールとは行かねえが・・・」


「・・・」


「師匠、少しセンジュさんの本当の実力に興味があったので・・・Sランクに近いAランクの実力に」


「本当の?やはり何かあったのか?『あの時』の話は結局はぐらかされて聞いてないのだが・・・」


「ま、まあそれはまた今度でいいじゃねえか!とりあえず3日後俺とロウニールはダンジョンに行く!はい決定!しっかり準備して来いよ!・・・それとあまり金かけんなよ・・・」


「・・・はい・・・」



こうしてセンジュとダンジョンに行く事が決定した


センジュが本気を出していないのに圧倒されたから実力に興味があるのは確かだ


それとセンジュのアピールを手伝うのも悪くない・・・サラさんはローグが去ってからかなり疲れている様子・・・センジュの実力が確かであり信頼出来る人物と分かればサラさんの肩の荷も少しは降りるだろう


恋仲に発展するかは・・・まあセンジュ次第だけど


《どういうつもり?ロウニールとして入れば魔物達は・・・》


ダンジョンの司令室に戻ってひと息ついていると早速ダンコに言われてしまった


「分かってるよ・・・それはそうとあの2人をどう思う?」


《アナタねえ・・・ってあの2人?どう思うって何よ》


「サラさんとセンジュだよ。共にAランクの実力者だし歳も近いみたいだし・・・」


《お似合いかどうかって事?アナタも残酷ね》


「残酷?なんで?」


《とぼけないの・・・サラはアナタに惚れていた・・・誰が見ても明らかだったでしょ?》


「僕にじゃなくてローグに・・・だろ?」


《ローグはアナタでしょ?》


「そりゃあ僕だけど・・・ほら、ローグという人物を演じてただけで・・・」


《あのねえ・・・確かに仮面をかぶり言葉遣いも変えてローグという人間を演じてたかもしれないけど根本的な考え方はアナタでしょ?姿形や喋り方は変えられても考え方は変えられない・・・で?サラはローグのどこに惚れたの?仮面している顔?喋り方?》


「・・・」


《サラがローグの根っこにある部分に惚れたのなら・・・それはアナタに惚れたのと一緒でしょ?なのに他の男とお似合いかどうかなんて・・・残酷じゃない?》


サラさんが僕に?・・・ないない・・・サラさんがもし本当にローグに惚れてたとしてもそれは・・・何となく・・・そう何となくの雰囲気だ。でもそうなるとローグに扮した僕に惚れたことになるのか?うーん・・・


《まっ、アナタに全くその気がないなら別にいいけどね。どうやらアナタは1人の人間に絞りたいみたいだし・・・早く玉砕して来なさいよ。上手くいったら残りの2人も諦めがつくだろうし、ダメだったらチャンスが巡って来るし・・・どっちにしてもアナタが前に進まないと2人は浮かばれないわよ》


浮かばれないってなんだよ・・・


にしても玉砕か・・・きっとダメなんだろうと思って諦めていた・・・いや、諦めた事にして逃げていた


でもそれじゃあずっと前に進めない・・・このままずっと・・・


「・・・3日後・・・センジュと一緒にダンジョンに行った後・・・僕・・・ペギーちゃんに告白する!ダメで元々・・・ペギーちゃんに見送ってもらって・・・無事に帰って来たら告白するんだ!」


そうだ!そうしよう!Aランクのセンジュと共にダンジョンに行き、無事戻って来る僕・・・なかなかこれまでにない良いシュチュエーションじゃないか!


《・・・別にいいけど・・・なかなかどうして・・・嫌な予感がするセリフね──────》

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