*特別インタビュー(番外編)
どうもー。こんにちは、こんばんは、皆さんのミトー・マヤです。初めまして。え? お久しぶりですって? おかしいですね。これが初仕事のはずですが。まさか、デジャブ?
まあ、そんなことはないか。
ともかく、今回から始まる【絶対○○の美少女剣士☆ヤスラギ・ユメカの伝説<<バブリング☆ライト>>~~異世界とイッたら夢想する~~】の主人公、ヤスラギ・ユメカさんに突撃インタビューを敢行してきました。異世界、バブルリングワールドまで行っての命懸けの取材の成果です。では、どうぞ。
この度始まりました「対談しよう」のコーナー。みなさんのおなじみになりたいと鋭意努力中のミトー・マヤがお送りする、恒例?(になるはず)のインタビューです。フリーアナウンサーになっての第一弾、今回は噂の美少女剣士の登場です。あれこれ極秘ネタを仕入れてきましたので、みなさん必見ですよ!
●自己紹介など――
マヤ:どうもー、はじめましてミトー・マヤです。今日のゲストは、今度始まる新連載『絶対○○の美少女剣士☆ヤスラギ・ユメカの伝説<<バブリング☆ライト>>~~異世界とイッたら夢想する~~』の主人公です。最初ですので、読者の皆様に自己紹介をお願いします。
ユメカ:あたしが絶対無敵の美少女剣士ヤスラギ・ユメカよ。よろしくね! って二度目だけどね。
マヤ:あれ? 別の作品でもお会いしました? 私は記憶がいい方なんですけど、すみません。もしかして端役とかエキストラでした?
ユメカ:あたしはあたし。ここにしかいないわよ。
マヤ:え? ええと、どういうことでしょう。では、同級生だったとか、ですか? 本名、こそっと教えてください。
ユメカ:秘密よ。そもそも、転生前の名前なんて、今更どーだっていいじゃない。
マヤ:ユメカさんは転生したのですか?
ユメカ:そうよ。
マヤ:ところで、ヤスラギ・ユメカというのは、漢字で書けるのでしょうか。
ユメカ:この世界に漢字はないから漢字では書かないけど、あたしの中では漢字になってるわ。
マヤ:どのような漢字でしょう(つまり国籍情報ゲットしました。私偉い。インタビュアーの鑑です、誉めてください)。
ユメカ:安らかに眠る夢の香りと書いて、安眠夢香よ。
マヤ:安らかに眠るって、なんか死んじゃった人みたいですね。
ユメカ:前世では死んだから、まあ、そうなのよ。っていうか、そんなのどーだっていいじゃない。人の名前に文句を付けないの!
マヤ:失礼しました。では転生前はどんな感じだったのでしょう。
ユメカ:そんなの、どーだっていいから。
マヤ:ですが、読者の皆様の感情移入のためにも、前世がどうだったとか、どうして亡くなったのかとか、教えてください。
ユメカ:過去の話よ。そんな思い出話、つまらないから。
マヤ:そこが読者の方には重要なんです。
ユメカ:そうかなあ? まあじゃあ、ちょっとだけよ。
マヤ:はい、ちょっとだけで良いんです。ほんのさわり、さきっちょだけでいいんです。
ユメカ:変な言い方しないの。まあ、いいわ。あたしは前世では夢見る少女だったのよ。でも、ちょっと鬱屈していてね。生きているのが息苦しかった。だから――。
マヤ:まさか、自殺?
ユメカ:しないわよ。自殺なんて。天寿を全うしたわ。
マヤ:では、前世はババ――失礼、お婆ちゃんですね。
ユメカ:違うわよ。
マヤ:ですが、天寿を全うしたって――。
ユメカ:あたしが前世でどう生きてどう死んだかなんて、どーだっていいじゃない。でもね、ずっと、もしも異世界に行けたらどうしようかなって、想っていたってことは教えてあげる。
マヤ:それで、何をしようと考えていたのでしょう。
ユメカ:無双よ!
マヤ:え? ええと、弱者蹂躙ですか?
ユメカ:見方を変えればそうなるけど、あたしは絶対正義なの!
(注:言いたいことはありましたが、私はインタビュアーなので、ここは突っ込まずにスルーします。大人の対応です)
●プロフィールについて――
マヤ:では、ユメカさんはおいくつですか?
ユメカ:前も言ったけど、あたしは永遠の十五歳よ!
マヤ:(覚えてないけど)初めて読まれる読者もいますから、何度でも聞きますよ(でも、永遠の、だなんていかにも嘘ついてますって感じです。でも、ここは温かい目でスルーしました)。
マヤ:出身は?
ユメカ:知らない。前世のは覚えているけど、意味ないし。
マヤ:ええと、ユメカさんはそのう、孤児だったのですか?
ユメカ:違うわ。気がついたらこの世界にいたの。
マヤ:幼少期は?
ユメカ:ないわ。初めからこんな感じよ。
マヤ:どういうことでしょう。
ユメカ:そんなの、あたしが知りたいわよ。
マヤ:ですが、異世界転移ではないのですよね。
ユメカ:転生よ。だって、前世のあたしは別の姿だったし、髪だって赤くなかったわ。
マヤ:どういうことなのでしょう。
ユメカ:だから知らないって。ただ、あたしはあたし。とにかく、絶対美少女だってことが重要なのよ。
マヤ:(なにか隠しているとジャーナリストの直感が働きますが、突っ込むのはまた別の機会を待つことにして)それでは次の質問ですが、身長とスリーサイズを教えてください。
ユメカ:またその話?
マヤ:(私覚えてないんですが)この話、男性読者に受けるんです。妄想の糧として燃料投下です。
ユメカ:ちょっと意味わかんないけど、身長は一五七・三センチ。スリーサイズは、美少女の黄金比よ。
マヤ:その黄金比を教えてください。
ユメカ:秘密。だって美少女は無闇にプライバシー情報を明かさないんだから。
マヤ:そうですか(読者の皆さんすみません。昨今はコンプライアンスが厳しいので、強引な取材は禁止事項なのです)。
●タイトルについて――
マヤ:では、この作品のタイトルの意味について、教えてください。
ユメカ:読んだままだと思うけどなあ。
マヤ:そうでしょうか。『絶対○○』と伏せ字になっているのはなぜでしょう。
ユメカ:あたしの存在が、破格だからよ。型破りの美少女だから枠にはめられないってことじゃないかな。
マヤ:そうですか。でも美少女剣士というのは、固定なのですね。
ユメカ:当然よ。無双するには剣士じゃないと。美少女なのは当然の大前提だしね。
マヤ:槍とか斧ではダメなのですか?
ユメカ:だってあたしが持っているの、剣だから。
マヤ:そ、そうですね。では気を取り直して、『バブリング☆ライト』というのは、どういう意味か教えてください。
ユメカ:読めば分かるわ。
マヤ:そうなのですか?
ユメカ:そういうふうに、改変されるから。
マヤ:改変?
ユメカ:改稿とも言えるけど、世界は知らないうちに変わってゆくのよ。
マヤ:ええと、すみません。ちょっと整理させてください。本当に私は、以前にもユメカさんにお会いしていました?
ユメカ:会ったわよ。
マヤ:本当に記憶がないのですが――。
ユメカ:それなら、なかったのよ。あなたの認知世界では。でも、結局の所、どうでもいいことだけどね。
マヤ:ええ? 重大なことですよ。
ユメカ:世界が変わろうが、目指すものが同じなら、辿り着く先は一緒だから。
マヤ:そうでしょうか。
ユメカ:世界が変わったことに右往左往するより、自分が望む世界になるようこれからの世界を変えるように生きた方がいいじゃない。人生前向きよ。立ち止まったって振り返ったって変わらないなら、変えられる方に目を向けるべきだから。
マヤ:そ、そうですね。では、『異世界にイッたら』の『イッ』がカタカナなのは、どのような意味があるのでしょう。
ユメカ:読めば分かるけど、懸詞ね。あえて説明しないと分かってもらえないなら、少し悲しいわ。
マヤ:そ、そうですね(全く分からんのですが、本当に悲しそうなので先に進めます)。
●物語について――
マヤ:では、どういったお話なのか、教えてください。
ユメカ:あたしが無双しまくる話だよ。何度でも言うけど。
マヤ:つまり、ユメカさんが暴虐の限りを尽くして虐殺まくるのですね。
ユメカ:美少女は暴虐も虐殺もしないわ。それに、無双するのは魔物限定。魔物は倒せば光に換わって消えてなくなるから。
マヤ:え? 消えちゃうのですか? 死骸は?
ユメカ:光になって消えるから、残らないわよ。でもゴーレムは砂が残るわ。
マヤ:そうなのですか。なんか、ゲームの中の世界みたいですね。
ユメカ:ゲームじゃないわよ。転生した世界の現実だよ。
マヤ:では、ステータス表示はないのですか?
ユメカ:あたしのステータスはカンストの無限大ね。
マヤ:ステータスがあるなら、やはりゲームの世界では?
ユメカ:数値化するには基準が必要だけど、現実はその基準通りの状況にはならないから、無意味だと気付いて欲しいわ。カタログ燃費と実燃費が違うのと一緒よ。目安にはなっても、あたしの強さを表せないの。
マヤ:ええと、つまりどういう意味でしょう。
ユメカ:計測不可能ってことよ。あたしの握力とか背筋力とか測っても、あたしの絶対無敵のすごさは伝わらないってこと。だから、ステータスなんてないわ。
マヤ:でしたら、どうしてカンストしてると分かるのでしょう。
ユメカ:あたしが絶対無敵だからよ。結果がすべてを物語るわ。
マヤ:そうですか。分かりました(分からないけど)。
ユメカ:理解してもらえて嬉しいわ。
マヤ:(すみません。本当は理解していないのですが)それでは、ユメカさんの目的はなんでしょう。
ユメカ:あたしが、あたしによって、あたしのためになる世界を切り拓くこと。それがこの物語。
マヤ:随分と自分本位というか、自己中のように聞こえたのですが。
ユメカ:絶対正義の美少女剣士のあたしが切り拓くんだから、皆気に入ってくれるわ。
マヤ:つまり、反論を認めない、絶対的な支配者として君臨するのですね。
ユメカ:美少女は世界征服なんてしないよ。
マヤ:(また訳が分からなくなってきましたが――)では、世界を支配する悪の魔王から世界を救う救世主伝説になるのでしょうか。
ユメカ:終末思想の救世主になんてならないわよ。
マヤ:では、魔王は倒さないのですか?
ユメカ:あたしの邪魔をするなら排除するけど、そうじゃないなら共存共栄ね。
マヤ:さきほどユメカさんは絶対正義だとおっしゃいましたが、悪の魔王と共存共栄するのは、悪だと思うのですが。
ユメカ:罪を憎んで人を憎まず、悪を滅ぼし魔王は倒さずってことよ。分かるかなあ?
マヤ:何となくは――(本音は全然理解不能ですが)。
ユメカ:そう。とにかく読めば分かるわ。
●読者へのメッセージ――
マヤ:ありがとうございました。それでは最後に、読者の皆様にメッセージをお願いします。
ユメカ:美少女剣士のあたし、ヤスラギ・ユメカが活躍するこの物語、読んでね。それと、面白くても面白くなくても、評価してくれると嬉しいわ。できれば、面白くないならその理由も教えてくれたら、もっと嬉しいけどね。
マヤ:クソつまらん、ゴミだ、という感想でもいいのですか?
ユメカ:いいんだけど、それが全体なのか部分なのか、なるべく説明して欲しいかな。価値観なんて人それぞれだから、ある人にとってつまらないことが、他の人にとっては面白いことだってあるから。
マヤ:駄作だとか、言われても、凹まないんですか?
ユメカ:その人の価値観だから、尊重するわ。だから、自由に評価してくれたらいいの。ただ、あたしが美少女だという事実は、誰が何と言おうとも変わらない真実だからね。
マヤ:そうですか。ありがとうございます。
ユメカ:どういたしまして。あたしの物語の結末を教えられるかどうかはモチベーションによるから、ブクマもよろしくね。
と、いう訳で、無事インタビューが終了したのですが、何か違和感があるのです。何かが違う。でも何も違わないようでもあるのです。本当に、以前にもユメカさんと会っていたのではないかと思えてきました。
ですが、ちょっと楽しみになってきました。美少女と自称する信念の強さとか、自己中心的な発言をしながら他人の自由な評価を受け入れるとか、器の違いを感じました。
なので、私の目標ができました。物語が完結したら、その時、もう一度じっくりと突撃インタビューをすることです。この夢が叶うかどうかは、○○次第です。
では、ではでは。また会いましょう。
多次元のインタビュアー、ミトー・マヤでした。
バイバイ☆