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五、食す

 

 朝食は岩場で貝を見つけた。

 食べられるかどうかは分らなかったが、生きる為には背に腹は代えられない。

 漂着した木切れを集めて、薪代わりにし、火をつけて貝を焼いてみた。

 食してみる。極限までお腹がすいていたのもあって、それは非常に美味だった。

 が、加奈の表情は憮然として、腑に落ちない様子だ。

「雄太君、なんでライター持っているの?」

「助かっただろ」

 雄太は得意気に、鼻歌を歌いながら、枯れ木をつぎ足しながら火を絶やさないようにしている。

「・・・そうね。でも、どうして」

 彼の鼻歌と手の動きが止まる。

「別に・・・ほら、有事に備えて、携帯しているんだ」

 適当にごまかしたつもりの雄太だったが・・・。

「ふーん、そうなんだ・・・・・・」

 と、言ったきり加奈はずっと無言のまま黙食をする。

 雄太は話題を変えようとして、彼女に話しかけるが一切応じない。

 理由は分っている・・・分かっているので正直者の彼は折れた。

「ごめん・・・タバコ吸っていた」

 彼は彼女に向かってペコリと頭をさげた。

「不良なんだ」

「ごめん」

 雄太はもう一度深く頭をさげる。

 加奈は溜息をついて深呼吸をすると、

「タバコもね・・・あと嘘ついたよね」

「ごめん」

「もういいってば、ちょっと自分の中で消化できずに、かっとなっただけだから」

 彼女はそう言うと、最後の貝を口に入れて胃に流し込むと立ち上がった。


 朝食後、2人は、砂浜から、密生林が生い茂る島の内部へと進入した。

 自分達の背丈を優に超える大きな木や植物をかきわけて歩いた。

 ほどなくして、清流を見つけた、大事な命の水だ。

 落ちている倒木や、丈夫な蔓、屋根代わりになる熱帯雨林特有の大きな葉っぱを見つけ、砂浜に戻り家づくりの作業に没頭する。

 さすがに、何が潜んでいるか分からない島の内部に家を建てる気にはならなかった。

 作業は一日では終わらない。

 雄太はテレビなどで観たサバイバル生活を思いだしつつ、作業をすすめる。

 しかし、観ると作るじゃ大違いで、ノコギリ、釘、金槌などの日曜大工の道具もないうえ、家に適する材料を見つけるのに骨がいって遅々として進まない。

 加奈と家に対する意見の相違もあり、中断しては話し合った。

 そんな三日目、家づくりもあとわずかとなり、2人は一時間、別行動をしようということになった。

 雄太は密生林で材料さがし、加奈は磯辺で食料となる貝やカニあわよくば魚を探すことになった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 無人島生活って、楽しそうですよね。まぁ、本当に、見るのとやるのでは大違いなんでしょうが。 火があると、やっぱり違いますよね。
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