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舞衣さんは座り込む。
「やっぱ、鍛え方が足りないよね。
晃くんごめん」
「大丈夫です。
あとは任せてください」
あれだけの激しいダンスを踊ったんだ。
普通の人なら倒れていてもおかしくないくらいだ。
でも、気力を振り絞って猿翁を倒してくれたんだ。
すごい魔法だった。
ぼくも負けてられない。
剣を手にして舞台に上がる。
この戦いでは武器は自由だ。
舞台の上の相手も剣を持っている。
ぼくの西洋剣に対して、日本刀って感じの刀だ。
ぼくの剣技はこっちの剣技だから、この剣のほうがいい。
刃物というより、殴るに近い剣。
それが、ぼくの剣、剣神アーノルドの剣だ。
「黒猫サーカス団、中堅、クラウン・アキラ」
ぼくは舞台の中央で観客に愛想を振りまく。
こんなときでも、エンターティメントに徹してしまう。
ピエロに染まってしまっているみたいだ。
「仮面劇場、中堅、夜叉」
般若の仮面の剣士だ。
細身で中肉中背、だいたいぼくと同じくらいの体格だ。
でも、般若の面で表情がわからないのが不気味だ。
でも、それはぼくにも言えることか。
このメイクじゃあ、何を考えてるかわからないだろう。
始めの合図。
両者とも剣士。
とりあえず、間合いを取る。
ぼくは剣を抜いて構える。
それに対し夜叉は刀の柄に手をかけるだけだ。
居合ってやつだろうか。
ぼくも剣神の力を手に入れているといっても、戦いの経験はほとんどない。
とにかく、どうでてくるかだ。
こっちから行くのは悪手だ。
どちらかというと拳なら、カウンター狙いのようなものだろう。
不用意に踏み込むと手痛い攻撃を食らう。
思った通り、相手は何もしてこない。
以前のぼくなら、ここで斬り込んでいたところだ。
でも、今は渋沢さんの教えを受けている。
ぼくは足を止め不動の構えをとるのだった。




