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雷電も風太さんも立てない。
審判が引き分けを告げる。
ぼくと星姫さんが風太さんを支えて舞台から降ろす。
なんとか大丈夫みたいだ。
でも、次は舞衣さん、棄権をしたほうがいいかも。
たぶん、敵はぼくたちを殺そうとしている。
「あいつらの弱点は仮面だ。
仮面を壊せば、やつらは無効化できる」
風太さんが舞衣さんに教える。
「そう、わたしのJOBは面打師です。
私の作る仮面はただの仮面ではありません。
仮面をかぶった者に力を与えるのです。
今の雷電もただの村人にすぎません。
わたしの打つ仮面の力でこれだけ戦えるのです。
素晴らしい。
ただの裏方にこれだけの力を与えるとは。
ただの実験です。
まさか相打ちになるとは思いませんでしたよ。
ハハハハハ」
仮面の男は芝居じみたジェスチャーでアピールをする。
でも、これははったりなのか。
ただの負け惜しみなのか?
そうは見えない。
でも、本当にさっきの人が前座にすぎないのなら、ここからの戦いは気をつけないと。
ぼくが出たほうがいいだろう。
そう思って舞衣さんを見る。
舞衣さんはもう舞台に上がっている。
「舞衣さん、ぼくがやります」
「大丈夫、わたしがやるよ。
わたしはこんなところで逃げるわけにはいかないんだ。
スターエンジェルズのみんなを助けなければならないの。
それには、強くならないとね。
わたしもなかなかやるもんだよ。
まあ、見てなって」
舞衣さんの前にはいつの間にか背の低い翁面が立っていた。
「黒猫サーカス団、次鋒、神踊舞衣!」
舞衣さんはアナウンサーのコールにダンスで答える。
こんなところでも、観客を楽しませることは忘れない。
「仮面劇場、猿翁」
それに比べ、仮面劇場側はただ立っているだけだ。
試合開始の合図に舞衣さんは華麗なステップで猿翁との間合いを詰めるのだった。




