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09

「勇者当たりました!」

 女子高生の中の一人の時に、一人の魔導士がベルを鳴らす。

 いや、福引会場かよ。

 他の子は料理人や村人だったみたいだ。

 カップルは2人とも村人。


 そして、ぼくたちの番。

 まず、啓之が行く。


「おや、さっきの頭のよさそうな子ですね。

 これは期待できますね」

 ルーバルトの言葉にも啓之は不愛想に水晶玉に振れる。


「賢者、出ました!」

 魔導士がベルを鳴らす。

 さすが、啓之。

 

 つぎに浩二。

「これでいいのかよ」

 ふてくされながら水晶に手を置く。

 

「勇者です。またも勇者でました!」

 ハンドベルが鳴らされる。

 

 ぼくの番だ。

 たぶん村人だろう。

 この中でもいちばん村人にふさわしいように思う。

 こんな目にあっても、怒りも悲しみも表せない。

 何か当事者じゃなく他人ごとのように見てしまうのだ。

 

 ぼくは水晶に手を置く。

 グリフィンドールはないだろう。

 

「ミミック、ミミックですね

 レアですが、外れです。

 JOBコンプリートのコレクションアイテムにしかなりません」

 魔導士の困った顔。


「必要ありません。

 競売のほうへふりわけてください」

 ルーバルトは事務的に顔もあげずに言う。

 浩二たちと違うほう、村人たちのほうへ振り分けられる。


 最後の一人は私服の若い人だ。

 ぼくたちよりも少し上くらいか。

 なんか前髪の長い目立たない人だ。

 なんか感情が読み取れない。

 不思議な人だ。


 彼が水晶玉に手を置く。


「侍、侍が出ました!」

 魔導士の叫びとともにハンドベルがいままでにないような連打を奏でるのだった。

 

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