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異世界黒猫サーカス団 異世界転移したらミミックだった  作者: PYON
第4章 仮面劇場

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06

「何をしたんです。

 その嘘つきとかいう能力を使ったのでしょう。

 言ってみなさい」

 仮面の紳士が机をたたく。

 紳士の横は13日の金曜日と言った巨艦の仮面が2人で固めている。

 その筋肉は仁王といったところか。


 団長と渋沢さんが顔を見合わせる。

 相手の怒りに対して、こっちは何を言ってるのかわからないという様子。


「いえ、わたしたちは普通に公演をしているだけですよ」

 団長が答える。


「そ、そんなはずはありません。

 わたしたちの高尚な舞台が、あなた方の低俗なサーカスに負けるなんて。

 誰にでもできる芸と伝統が鍛えた芸術。

 素人にもどっちが優れているかわかるはずです」


「ええ、確かに。

 仮面劇場様の仮面劇には定評があります。

 わたしも一度見せていただいたことがあります。

 見事な伝統芸能でした」


「そのとおりです。

 だから、こんなことはありえないのです。

 なにかずるい手を使ったのでしょう」


「しかし、周りを見渡すと寝ている人が大半でした」


「中にはそういう輩もいます。

 芸術なんてわからない下賤の者がね」


「それが、わたしたちのサーカスを見に来てくれたと思っていただけませんかね。

 つまり、わたしたちのステージは大衆芸能なのです」


「それだけでは説明できないほどの客の入りです。

 どうせ、何かじゃまをしているのでしょう。

 知っていますか。

 他の舞台の妨害をすることは、協会でも禁止されています。

 表現の自由を守るためというのが、その理由です。

 主に公権力に対してのものですが、協会員にも適用されます。

 我々の憲法は舞台での自由を守ることにあるのです」


「まだ、近くで興行していれば、あなた方のところにお客様が入ったかもしれません。

 こっちは女子供中心に考えています。

 ちかくでやっていれば、別々のものを観ることができました。

 しかし、私どもは北の丘まで追いやられたのです」

 気の毒そうに言う団長。


「覚えていてください」

 仮面紳士は、おきまりの捨て台詞を唱えてテントを出ていくのであった。


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