21
「その籠手はやっかいですね」
「ああ、オリハルコンでできている。
たぶん、刃は通らない」
「グレゴリオさん。
少し隙を作っていただけたら大丈夫です」
「隙ですか?
でも、転ばせるわけにもいきませんね」
「ええ、少し気をそらせてもらえればいいです」
「じゃあ、こういうのはどうでしょう・
靴の中に小石が入り込む」
「それでいいです」
「なんだと」
そう言った首領に変化が。
あきらかに、足の動きがおかしい。
それに、集中できてない感じだ。
たぶん、靴の中の小石が気になっているのだろう。
団長も変なことを考える。
そして、渋沢さんが動く。
首領はいきなり気持ちを切り替えられない。
完全に後手に回ってしまっている。
渋沢さんの剣撃に足を踏み込むが、踏み込みきれない・
その隙を渋沢さんがつく。
剣を返して、喉元への突き。
勝負ありだ。
剣は喉元数ミリのところで止まる。
「勝負ありですね」
渋沢さんの言葉にしりもちをつく首領。
「では余興はおしまいです。
パーティを始めましょう」
団長が言うと、セレモニーが始まる。
ぼくは団長の横に移動する。
「前川君お疲れ様でした。
事は予定通りに進みました」
団長は上機嫌でぼくに食事を勧める。
「晃君、お見事でしたよ」
渋沢さんもぼくの肩をぽんと叩いて微笑むのだった。




