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異世界黒猫サーカス団 異世界転移したらミミックだった  作者: PYON
第3章 魔王会議

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09

「定刻となりました。

 世界興行者組合総会を始めます」

 扉が閉じられ、司会者が宣言する。


 渋沢さんによれば、こういった会議は総会といっても、ここで議論するのではなくて、決まったことを承認するだけらしい。

 議案は4大興行団の中であらかじめ決まっているとのことだ。

 彼らと協力して王国と戦うにはそこに食い込まないとだめだ。

 たぶん、他の興行団も王国に対してよくは思っていないはず。

 だから、WINWINの関係になれるはずというのが渋沢さんの見立てだ。

 ただ、興行団の間の仲があまりにも良くないらしい。

 そこをなんとかするのが、面白いというのが渋沢さんの弁だ。

 渋沢さんの頭の中では、そこまで組みあがっているとのことだ。

 さすがにカリスマ経営者って感じだ。

 渋沢さんにとって困難こそ面白いというのだ。


 会計報告、利益の処分と議案が進んでいく。


「それでは理事の選出の議案です。

 常任理事は再選ということでよろしいでしょうか?

 よろしければ拍手で賛同ください」

 次々と興行団の名前が呼ばれ承認されていく。


「最後に前回理事であった銀蠅奇術団に代わって、今回黒猫サーカス団を新理事として迎えたいと思います。

 賛成の方は拍手をお願いします」


 白い少女が拍手をすると、全員が拍手をする。


「新理事が選任されました。

 それでは、新理事からご挨拶をいただきたいと思います。

 拍手をお願いします」

 司会者がそういうと、みんなが拍手をする。


「ただいまご紹介にあずかりました黒猫サーカス団の団長。

 グレゴリオと申します。

 以後お見知りおきを」

 団長は通る声で言って、大袈裟に頭を下げる。

 わざとらしい芝居じみた動きで。

「わたしたちはここにお揃いの興行団に比べて、取るに足らない存在です。

 武力という面では、みなさまに比べて一歩も二歩も遅れていると言っていいでしょう。

 しかし、お客様を楽しませるということにかけては、一歩も負けていないと自負しております。

 みなさまの仲間に入れていただいた限りは、この世界のエンターティメントの地位向上に努めましょう。

 この世界ではエンターティメントは、どうしても下に見られていますから。

 ひとを笑わせる、感動させるというのは立派な仕事なのです。

 だから、わたしたちでこの階級社会をぶち破ろうではありませんか。

 そのために黒猫サーカス団は努力を惜しまない所存です」

 団長の所信表明は終わる。

 理事たちは、拍手を送る。


「しかし、ここに顔を出すということは、それなりに力があるということでよろしいですかな」

 白い仮面をかぶったシルクハットの男が手を上げて団長に問うのだった。

 

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