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「黒猫サーカス団の皆様ですね。
わたしは白猫雑技団執事のシルヴァンです。
皆様のお世話をさせていただきます
よろしくお願いします」
会場では銀髪の執事みたいな人に出迎えられる。
まさに、絵にかいたような執事の人だ。
笑顔を絶やさずぼくたちを案内してくれる。
でも、この人に半端ないものを感じる。
隙が無いというか、その所作、ひとつひとつに剣の達人のような切れを感じる。
この人、できるって感じがする。
たぶん、ぼくたちをこの場で殺すなんてことも可能なのだろう。
ぼくはできる限り、団長と執事の間に入るようにする。
ボディガードとしての役目だ。
執事は一瞬、細い目でぼくを見る。
もちろんぼくの思惑などお見通しなのだろう。
すぐに営業スマイルにもどる。
常人理事が会議の段取りを立てているらしい。
それが12の理事のうちの4つ。
この4つの興行団が手をとれば、国とも対等に戦えるといわれているらしい。
ただ、興行団どうしの仲は悪い。
っていうか、どの興行団も他の興行団や国の傘下に入ることを良しとしないのだ。
その中でも頭ひとつ出ているのが、白猫雑技団ということだ。
人数も一番多いらしいが、それだけでなく首領が信じられないほど強いとのことだ。
団長の言うにはうちの魔王さまと同じくらいということだけど、その配下もとんでもないのが多いとのことだ。
その一人がシルヴァンさんだろう。
とりあえず、まだ白猫雑技団と戦うことはない。
ぼくたちの目的は王国を倒して、親友たち、星姫さんメンバーを助け出すことだ。
この世界の覇権など、くそくらえだ。
できれば、この人たちと共闘できればいい。
そのために、団長は魔王会議への参加を決めたのだ。
会議場のドアが開かれる。
テレビで見る重役の会議室という感じだ。
ぼくたちは末席に案内される。
席には団長が座り、その膝の上にクロが移る。
ぼくと渋沢さんはその後ろに控える。
議長席には白いドレスの少女が座っている。
その周りを固めるのは、眼鏡をかけた男性、まさに秘書って感じだ。
もう一人はターミネーター、黒いサングラスのSPだ。
とんでもない気を発している。
上席には青い顔をした背の高い男。
これが青蛇歌舞伎座の首領らしい。
それから赤いドレスの妖艶な女性。
赤蜘蛛人形劇団の座長。
それから、人懐っこそうな小学生男子が大きな椅子に座って足をぶらぶらさせているのだった。




