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「それじゃあ、渋沢さんのスキルは大商人とか交渉人とかそういうのですか」
星姫さんと同じで有名人の人だ。
なんか緊張をしてしまう。
ぼくもSモバイルのスマホを使っている。
って言っても親のと合わせただけだけどね。
「ただの村人だよ。
でも元の世界でも同じだ。
ビジネスにスキルは必要ない」
「渋沢さんには助けられているのですよ。
サーカス団の運営は全部まかせています」
「ビジネスの基本はどこでも同じです。
それよりも、元の世界ではやることはやり切ったと思っていたんだがね。
こういうご褒美をもらえるとは思わなかったよ。
このサーカス団を世界一にする。
そして、王国を潰す。
わたしは、いつもみんなが幸せでいられるような社会を作ることが使命だと思っています。
だから、今の目標はそんな感じです」
そういえば、渋沢さんの首にも奴隷紋が浮き上がっている。
なんかすごい人だ。
この人が言うと本当に実現できそうな気がする。
これがカリスマってことなんだろう。
ビジネスは一人ではできない。
みんなを同じ目的に向かわせること。
それをスキルもなしにやってしまう。
「さて、話を続けようか。
今回は黒猫サーカス団が12柱に選ばれて初めての会議となる。
つまり、残りの興行団に値踏みされるということだ。
なめられたら潰されるだろう」
でも、なんでそんなところにぼくを連れて行くんだろう。
「晃くんには、ボディガードをやってもらいます。
すごく重要な役割です」
団長がぼくの心の中の質問に答えてくれる。
この人もなんかすごい人だ。
「でも、それなら風太さんのほうが…」
「ええ、私もそう考えました。
強さでは鵥くんですが、魔王さまがあなたを選んだのです。
なかなか気に入られたみたいですよ」
魔王さまってあの少年が…
わからないけど、サーカス団のために頑張るしかない。
ぼくの膝の上でクロががんばれっていうように、ぼくを見上げてニャーと鳴くのだった。




