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おっさんたちはおとなしく聞いていたが、次の行動に移る。
そう、この心地いい歌の源に興味を示し始めたのだ。
顔を見合わせて触覚を動かすおっさんたち。
そして、視線を星姫さんに移す。
この子を捕まえれば、この歌を毎日聞けるんだ。
そう判断したのだろう。
星姫さんに向かってまっすぐ歩きっだしたのだ。
もう、歌では止まられない。
でも、相当の時間は稼いだはず。
団長、たのみます。
それまで、なんとかぼくが止めるしかない。
ぼくは手をかざす。
その先に土の壁が現れる。
これで、少しは時間が稼げるだろう。
そう思ったもつかの間。
ぼくの作った土壁に穴が開く。
おっさんたちはその穴に手をかけて、土の壁を崩す。
土の壁を崩しておっさんたちはこっちに来る。
ぼくは火の魔法の火炎球をおっさんたちにぶつける。
おっさんたちの中央に火の玉は命中し爆発する。
その爆炎がおさまり煙が晴れる。
その中には無傷のおっさんたち。
とにかく、とんでもない防御力だ。
それから怪力。
原始的だけど、ぼくたちに残された手段は少ない。
ぼくは剣を構える。
そう、あの関節斬りしかない。
何匹倒せるかわからないけど、できるかぎりやるしかない。
それに魔王さまの力がこいつらに通じるかどうかもわからない。
ぼくは最初のおっさんに向かう。
さっきより太ったやつだ。
でも、関節部は細くなっている。
その体型にも不快感を感じる。
ちょうど、弱点のところが光っている感じ。
その光に向かって刀を振るう。
おっさんの腕は落ちる。
それと同時にこっちも刀も折れる。
相手の硬さに耐え切れなかったのか。
それともぼくの剣技に耐えられなかったのかわからない。
次の刀はない。
折れた刀を構えて少しうしろに下がる。
「星姫さん、舞衣さん、逃げてください!」
ぼくはそう叫ぶ。
そのぼくに敵の腕が伸びてくるのだった。




