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「じゃあ、あなたから…」
団長は指を鉄砲の形にする。
「動かないでください。
撃ちますよ」
でも、銃なんかもってないし…
「そんなもんで撃てるかよ」
敵の中の一人が団長に近づこうとする。
「バン」
団長は指をその男にむけて、言う。
そのとたん、敵は倒れる。
本当に撃たれたように、倒れる。
その抑えた太ももからは血が出ている。
「だから言ったでしょ。
撃ちますよって」
団長は指を口に持って行ってフゥと吹く。
そういえば、団長の能力は『嘘つき』。
団長が言ったことは本当となる。
ただ、その時間と範囲は狭いということだ。
でも、この距離では無敵。
「次はだれですか?
やめといたほうがいいと思いますがね」
あとは向こうの団長と魔導士、そしておっさんたちだ。
そのおっさんたちは触覚をピクピクと動かして、なんか相談している様子だ。
「グレゴリオさん。
あいつら硬いですよ」
「大丈夫。わたしの銃ははったりです。
しかし言葉は現実化するのです。
だから、傷を負ったと思うだけで、本当に傷ができてしまうのです。
わたしの嘘は心に作用するのです。
さて、この距離なら大丈夫ですね」
そう言って、おっさんの一人に指で作った銃を向ける。
「バン、バン、バン」
今度は3発撃ったみたいだ。
でも、おっさんの進撃は止まらない。
そのまま、団長のほうに進む。
「バン、バン、バン。
おまえは動けない!
お前は眠くなる」
団長は慌てたように、他の嘘も使う。
でも、相手には効かない。
団長は、自分の能力が効かないことを察して、後ろに下がるのだった。




