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「さっき言ったよな。
うちの首領たちは強いって」
男はたちという部分を強調する。
首領、たち…
もしかして、さっきのおっさんは一人じゃないのか。
「そろそろくるぜ。
次の首領さまがな」
剣の男は構えながら言う。
そして、その背後に新手のおっさんが現れる。
そう、それも、3人。
背の高さや太り方はさまざまだが、一様に4本の腕と頭に触覚がついている。
それから、黒目だけで白目の部分がない。
いや違う。
まだまだ、増える。
5人、7人、10人。
わらわらと湧いて出る。
まるで虫…
そうだ、触覚といい。
このおっさんは虫っぽいのだ。
でも、さっきのおっさんと同じ強さなら、この人数はやばい。
「大丈夫ですか?
すこし、油断してました。
まさか、もう別のサーカス団が目をつけるとは…」
汗を拭きながら現れるグレゴリオ団長。
「とりあえず、他のやつらはわたしの嘘で動けなくなっていますがね。
でも、わたしの嘘には時間制限があります。
さっさと片付けないとね」
団長はぼくの前に出る。
「さてさて、あなた方の首領は誰ですかね」
敵に向かって問いかける。
「お前が団長か?」
剣の男が団長に聞く。
「はい、わたしが黒猫サーカス団の団長グレゴリオです」
団長は帽子をとって礼をする。
「俺が火蟻サーカス団団長のブライアンだ。
そして、こちらがうちの首領さまたちだ」
「おや、首領さまですか?」
団長はおちついたものだ。
それはあの能力があるから、嘘つき、団長の言葉は嘘でも本当になる。
「ではぜんぶまとめて片付けさせていただきます」
団長はそう言って不敵に目を細めるのだった。




