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敵はその場で倒れる。
なんか、血が出ていない。
あのおっさんって、人間じゃなかったの?
でも、なんとか倒すことができた。
剣は折れている。
やっぱり、達人の剣技には耐え切れなかったみたいだ。
そう、関節といっても、硬いことには変わりがない。
でも、相手を倒せたんだからいいか。
「すごい、晃くん」
舞衣さんと片手でハイタッチする。
「晃、すまん、助かったよ」
風太さんが星姫さんに介抱されながら親指を上げる。
「風太さん、無理しないで。
でも、晃さんすごいです。
これまで、風太さんが負けたことなかったんだけど。
本当に助かりました」
「うん、でもギリギリだった。
なんとか勝てたって感じです」
なんかくすぐったい感じ。
これまで、こんなことなかったから。
スポーツでもヒーローになることはないし、モブに過ぎなかったから。
こういう時どうしていいかわからない。
「これで、風太と私、団長に加えて戦力が増えたね。
魔王さまもいるけど、気まぐれすぎるし。
やっぱ、うちらで勝てるようにしないとね」
そういえば魔王さまっているんだ。
たぶん、すごく強いんだろうけど。
今回は現れないみたいだ。
とにかくあとは、あの剣士だけ。
あとは魔法で闘うしかない。
「なかなかやるな。
うちの首領を倒すなんてな。
だが…」
男は、剣を構えたまま笑う。
首領がやられたのに、あんまり動揺はしていないみたいだ。
まさか、この男があのおっさんより強いのか。
それとも、はったり?
奥の手がある…とか…
ぼくは、油断をしないように、男に集中するのだった。




