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なんか気持ち悪い。
相手のおっさんには感情がないって感じ。
ぼくの剣を避けようとかそういうのはない。
頭から生えた角みたいなものがくねくねと動いてるだけ。
角じゃない。
あれは触覚に近い。
そして、何もなかったかのようにぼくの方に向かってくる。
自分の防御力に何の疑いも持っていない。
そして、ぼくを片付けるのが仕事であるように事務的に向かってくるのだ。
こいつには剣は通用しないのか。
いや、ぼくはあのアーノルドの剣技を手に入れている。
それは、言葉ではいいにくいけど、なんか考え方みたいなものだ。
体力や筋力は真似できない。
でも、この時にはどう動くかとか動体視力とかをコピーしているのだ。
だから剣の持ち方、剣の振り方、そういうのが聞かなくてもわかる。
ゲームをするとき、剣の練習とかはしないけど、キャラが達人のごとく動くのに似ている。
その達人ビューでは次の手が示されている。
そう、頭は弱点じゃない。
それなら、他のところを狙えばいい。
すべてが装甲なら動けないはず。
それじゃあ、関節みたいなものがあるはず。
そこは、柔軟に動くようなっているのだろう。
それなら、その部分は柔らかいはずだ。
また、剣を構える。
様子見で手加減してはなった剣だ。
剣にはダメージはない。
まだ、斬れる。
ただ、剣自体は汎用のものだ。
そんなに名刀ではない。
ぼくの剣技に耐えられるものではない。
ただ、このおっさんを倒すくらいは持つだろう。
おっさんがこっちに向かう。
両腕でぼくにつかみかかろうという姿勢だ。
あのゾンビの動きだった。
ぼくは自分からそのリーチの中に飛び込む。
まず腕、両肘を狙う。
アーノルドの剣に力はいらない。
あの大きな体に似合わない繊細な剣だ。
その剣を振りぬく。
よし。
おっさんの両腕が地面に落ちる。
そして、その返す刀でおっさんの首を刎ねるのだった。




