表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界黒猫サーカス団 異世界転移したらミミックだった  作者: PYON
第二章 黒猫サーカス団

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/440

09

 ピエロはしゃべってはいけない。

 これが、このサーカスのルールだった。

 あくまで動きや表情でお客さまを笑わせる。

 小手先でなく、きちんとした笑いを極めろというのがグレゴリオさんの考えだった。

 顔に似合わずやさしい人だけど、ステージについてだけは厳しい人だった。


 ぼくはグレゴリオさんを尊敬するようになっていた。

 このサーカスはいろいろな人の寄せ集めだ。

 それをまとめているのはグレゴリオさんの人望だった。


 風太さんや舞衣さんといったわがままな人もグレゴリオさんに言われると、仕方ないなと従ってしまうところがあった。

 でも、グレゴリオさんはぼくたちには嘘つきのスキルを使うことはないのにだ。

 

 舞衣さんに教えてもらった踊りを観客に披露する。

 舞衣さんは踊り手のJOBだけあって、あらゆるダンスに精通している。

 それは向こうの世界でもそうだった。

 なんかダンスの世界大会にでて、かなりの評価をもらったこともあるって聞いたことがある。

 それだけに、さまざまなダンスを知っているのだった。

 それにはパントマイムやタップ、ロボットダンスなんかも含まれるのだ。

 ぼくはそれをコピーさせてもらった。


 こっちの世界ではムーンウォークだけでも観客はすごく喜んでくれる。

 今日は壊れたおもちゃのピエロを演じる。

 ぼくの役目は会場を温めることらしい。


 お笑い番組でも前説みたいのがあって、観客を舞台に引き付けるらしい。

 そろそろあったまってきたかな。

 上を見ると、綱渡りの準備ができたみたいだ。


 ぼくは、はしごを上る。

 だんだん観客が小さくなる。

 まあ、小さなテントだっていうけど、10メートルくらいはあるかな。

 

 恐る恐る綱ところに行く、覗き込んで大袈裟に怖がったりする。

 この演技は舞衣さんがつけてくれたいわば振り付けだ。

 最初、ぼくが演技でやってみたんだけど、どうしてもわざとらしくなる。

 これはお金をとって見せるプロの仕事なんだ。

 だから、中途半端な演技では舞衣さんのOKはでないのだ。

 この舞台根性はすごいと思う。

 舞衣さんの話では、まだ甘いほうらしい。

 スターエンジェルズでは、こんなもんじゃなかったとのことだ。

 リハーサルでは、つかみ合いのケンカとかしたこともあるらしい。

 それから、終わったあとの反省会もすごいエキサイトするらしい。

 ぼくたちの前ではそんなことおくびにも出さなかったけど、それがスターエンジェルズが他のアイドルと一線を画すところだったのかもしれない。

 

 ぼくの動きは観客の笑いを誘う。

 ぼくは、とうとう傘をさして、綱を渡り始める。

 落ちた時の落下傘替わりだ。

 もちろん、傘なんてこっちの世界でも落ちたらなんの役にもたたない。


 ぼくは足を震わせながらゆっくりと渡る。

 時々、バランスを崩すふりをしたりする。

 この動きも舞衣さんの振り付けだ。


 そして、なんとか中央まで行って、足を踏み外すのだった。

 観客の一部から悲鳴があがった。

  



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ