07
昼からも特訓は続く。
玉乗り、ジャクリング、一輪車。
風太さんや舞衣さんに手本を見せてもらってこなしていく。
それにしても、この能力は便利だ。
2人もぼくの出来に満足そうだ。
でも風太さんはなんとかマウントを取りにくるんだけど。
魂がこもってないとかだめだしをするんだ。
そのたびに舞衣さんと口喧嘩になる。
この2人はすごく仲がいいみたいだ。
ぼくも星姫さんともっと仲良くできればいいんだけどね。
でも、星姫さんとは練習は別。
星姫さんは楽団と一緒にいることが多い。
楽団といってもピアノとバイオリンとドラムとギターくらいしかない。
それもみんな村人で、高校の文化祭程度の演奏だ。
音楽家とか、そういうJOBの人がいたらいいのに。
そうすれば、ぼくが真似ることができる。
星姫さんにはもっといい環境で歌を歌ってほしいのだ。
星姫さんの歌にはそれだけの価値があるんだから。
でも、舞衣さんと特訓することで、お昼休みとか夕食とかを星姫さんといっしょできるようになった。
年齢も近いし、風太さんと紫織さんを加えた5人がつるむことが多くなった。
ぼくは、いちばん難関の空中ブランコをマスターした。
まあ、失敗してネットの上に落ちる役なんだけどね。
それから、今は舞衣さんのダンスレッスン。
舞衣さんが自分の得意なダンスショーをしようとしているらしい。
これは、星姫さんと風太さん紫織さんも付き合わされている。
団長はまだ出し物としては難しいって言ってる。
一応、星姫さんのバックダンサーとして使ってもらうことになった。
それと、1日に1度は星姫さんの歌で癒されている。
急激に回復することで、筋肉が修復して強くなるみたいだ。
これは舞衣さんの考えだけど、ぼくの身体は急激に変化してきている。
こっちに来る前はそんなに筋肉質って身体じゃなかったんだけど、今はおなかもシックスパックになっている。
身体が重くなったら困るから、風太さんと同じで細マッチョって感じにしている。
本当にマッチョになるには、食べ物も考えなくてはならないらしい。
元の世界ではプロテインとかそういうものがあるけど、こっちではそういうものはない。
だから、必要以上に筋肉はつかずちょうどいい感じになっている。
それでも、一回りくらいは大きくなった感じはするんだけどね。
あっという間にに一週間がたった。
そして、明日はこの場所での初日。
サーカスはだいたいひとつの場所で1か月の公演を行う。
ぼくたちは最後のリハーサルと器具のチェックを行う。
最後に団長が全員を集めて気合を入れる。
その中でいちばん期待されているのがぼくだってことだ。
ピエロはサーカスの主役だっていうのが団長の持論だ。
ぼくは良い意味でのプレッシャーに包まれながら、明日のデビューに臨むのだった。




